とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

プレミアリーグ第12節 レスター対マンチェスター・シティ

 ダントツで首位を独走するマンC相手にレスターが勝てるわけがない。それでも代表戦に出場せず、満を持した岡崎のプレーぶりを観たいと期待したが、何とベンチスタート。それでもマンCのサッカーは観る価値があると、遅ればせながらビデオで観戦した。前節のアーセナルに完勝したゲームは結局、観ることなく消去してしまったし。

 レスターはバーディーのワントップに左SHグレイ、右SHマフレズ。中盤はディディをアンカーに左IHイボーラ、右IHオルブライトンが先発した。マンCの攻撃に対して3ボランチで守りを固める布陣。だがオルブライトンをIHで起用したのは効果があっただろうか。一方のマンCはアグエロギュンドアンをベンチに置いて、CFジェズスが先発。左右のSHにはサネとスターリング。ダビド・シルバとデブルイネをIHに置いて、アンカーはフェルナンジーニョ。CBには久しぶりにコンパニーが先発した。

 2分、右IHデブルイネがカウンターでドリブル。のっけから速い! これを何とか止めたレスターは左IHイボーラのスルーパスにCFバーディーが抜け出す。たまらずCBコンパニーが倒して、イエローカードをもらう。レッドカードをもらっていたら、その後の展開にどう影響しただろうか。それにしてもマンCのカウンターが速い。右IHオルブライトンは岡崎ほど前からプレスをかけるでもなく、中途半端なプレッシング。孤立するCFバーディー。マンCはDFラインで悠々とパスを回し、ゲームを支配する。

 21分、CHフェルナンジーニョの縦パスをCFジェズスが落とし、左SBデルフが左に鋭い縦パス。左SHサネが走り込んで、クロスに左IHダビド・シルバがシュート。GKシュマイケルがファインセーブで弾き出した。守るレスター。それでも32分、35分とマンCの速いカウンターが爆発する。そして40分、左SHサネのCKから右SHスターリングがミドルシュート。41分、左SBデルフのサイドチェンジから、右SHスターリングが中へ持ち込んで、左IHダビド・シルバミドルシュート。43分、右IHデブルイネのFKから、左SHサネ、CBコンパニーとヘディングでつないで、CBマンガラがシュート。しかし枠を外す。

 このまま前半は終了かと思った45分、左SBデルフの縦パスを左IHシルバが落とし、右SHスターリングが右IHデブルイネとのパス交換からスルーパス。左IHダビド・シルバが抜け出して、GKをかわす横パスをCFジェズスが押し込んだ。マンCが先制点を挙げて、前半を折り返した。左SBデルフがたびたび中に絞り、右サイドでは右SHスターリングと右IHデブルイネが自由にポジションをチェンジする。そして短いダイレクトパスを次々につなぐうちに、レスターの守備にスペースが生まれ、そこに意図を持った長いパスが打ち込まれ、選手が走り込んでいく。いかにもグアルディオラ監督らしい、これまでプレミアではあまり見なかった新しいタイプのサッカーだ。

 後半序盤、まずはレスターが攻め込んでいく。4分、右SHマフレズのFKに走り込んだ右IHオルブライトンファーサイドにクロス。これをCFバーディーが落とすと、左IHイボーラが飛び込む。だが手前でGKエデルソンがパンチング。これをCBマグワイアがシュート。ポストを叩く。だが、そこからマンCはカウンター。右IHデブルイネが速いスピードでボールを運ぶと、その前には既に3人のFWが走り込んでいる。左サイドに出されたパスを受けた左SHサネが戻すと、走り込んだデブルイネが切り返しでDFをかわしてシュート。これが決まり、マンCが突き放す2点目を挙げた。

 5分には左IHダビド・シルバから右に展開。右SBウォーカーのクロスにCFジェズスがシュート。GKシュマイケルがファインセーブ。7分、左SHサネがCFジェズスとのパス交換からクロスに左IHシルバがシュート。わずかにバーの上。その後もマンCが主導権を握り、圧倒する。19分には左IHダビド・シルバのフィードに左SHサネが走り込み、クロスを右SHスターリングが落としてシルバがシュート。これもわずかに右へ外す。

 レスターは15分過ぎ位からマフレズをFWに上げる4-4-2に布陣を変更して攻撃性を強める。22分にはオルブライトンに代えて左SHイヘアナチョを投入し、グレイを右SHに回す。だが、マンCの勢いは止められない。26分には右SHスターリングの落としから左IHダビド・シルバがスルーパススターリングが走り込み、クロスにCFジェズスが詰めるが、GKシュマイケルが掻き出す。

 レスターは攻めようとするが、結局、守りに汲々。逆にマンCは2点のリードで勝利を確信。その後は色々なパターンを試していたようにさえ思える。レスターは38分、スリマニと岡崎を投入。再び4-3-3に戻して、岡崎が3ボランチの一角、左IH。スリマニはワントップに入って、右SHバイーディー、左SHイヘアナチョ。だが積極的にプレスをかけていく岡崎やスリマニに対して、先発した選手たちに既に力は残っていない。結局、このまま2-0。マンCが楽勝で無敗ダントツ首位を守った。

 マンCのボール保持率は何と75%。パスを回すだけでなく、一瞬で好機を作り出す長いパスと爆発力ある走り込み。これは強い。プレミアの中でも異次元のサッカーだ。一方、レスターはまだピュエル監督の試行錯誤が続いているようだ。グレイのスピードを生かしたい意向はわかるが、それを補う守備力をどう構築するかにまだ答えが出ていない。最後は結局、岡崎をFW先発させるところに落ち着くのだろうとは思うのだが、岡崎は愚直に与えられた仕事を続けるしかない。ゲーム終了後、岡崎がグアルディオラ監督と笑顔を浮かべて会話をしていた。何を話していたのだろうか。まさか「このまま起用されないようなら、マンCにおいでよ」なんて言われていないか? その会話が気になる。