とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1昇格プレーオフ決勝 名古屋グランパス対アビスパ福岡

 いよいよこの時がやってきた。先週、一緒に準決勝へ行った友人とは、次回はJ1開幕戦で会おうと言った。そのためには必ずこのゲームに勝たねばならない。若しくは引分け。相手は今季1勝1敗のアビスパ。しかしいずれのゲームもウェリントンは欠場。今季初めてウェリントンと戦うことになる。しかも会場は、今季相性の悪い豊田スタジアム。でもスタジアムには3万8千人近い大観衆。みんな(一部のアビスパ・サポーターを除いて)グランパスの勝利を信じている。祈っている。この絶大な後押しを受け、選手たちも気持ちを高めただろう。グランパスの布陣は準決勝と同じ3-4-3。メンバーも同じ。アビスパも同じ3-4-3。CFウェリントンの下には右FW仲川と、グランパスから移籍した松田力が入る。亀川、駒野の両WBに三門と山瀬のベテラン・ボランチ。CBは冨安を中央に、右CB實藤、左CB堤。GKは杉山だ。

 3分、左WB亀川のクロスにCH山瀬がミドルシュート。序盤はアビスパが積極的に攻めてくる。グランパスのチャンスは12分、CH小林の縦パスをCFシモビッチが落とし、田口がミドルシュート。続くシャビエルのCKにCH田口がドンピシャ・ヘディングシュート。ネットを揺らし、先制ゴールかと思ったが、シモビッチがGK杉山を肘で倒したとしてゴールは認められない。アビスパも19分、左WB亀川のスローインをCFウェリントンがフリック。DFのクリアを蹴ったCH山瀬のミドルシュートはバーを叩く。さらにはね返りを右FW仲川がシュート。GK武田がファインセーブで抑えた。お互いビッグチャンスを決めきれず。

 グランパスは24分、シャビエルのCKからCH小林がミドルシュート。28分には右FWシャビエルのパスを受けてドリブルで持ち込んだ右WB青木がシュート。しかしGK杉山がナイスセーブではね返した。アビスパのプレスがよく、グランパスも攻めあぐねる。それでも34分には右WB青木のループパスのはね返しをCH田口がシュート。さらに田口の縦パスを右FWシャビエルが落として、再びCH田口がミドルシュート。しかしGK杉山がセーブした。続く35分にはCH小林の縦パスを右FWシャビエルがワンタッチで縦に送ると、CFシモビッチの戻しを右WB青木がミドルシュート。しかし枠を外した。

 前半終盤はグランパスが押し込む。40分にはCH田口が強烈なミドルシュート。しかしGK杉山がナイスセーブ。42分、左FW佐藤の落としから左WB和泉がドリブルで仕掛けて、切り返しからミドルシュート。しかしこれもわずかにポスト右に外した。前半はこのまま終了。スコアレスで折り返した。

 後半に入っても、お互い攻め合い、守り合う、激しい攻防が続く。グランパスは8分、左FW佐藤に代えて玉田を投入。13分、右WB駒野のクロスにCFウェリントンが強烈なヘディングシュート。ネットを揺らすが、オフサイドの判定。微妙だったが、助かった。アビスパは18分、左FW松田に代えて石津を投入。さらに30分にはCB實藤に代えてCHウォンドゥジェを投入し、布陣を4-3-3に変更する。

 31分、左FW玉田のクロスのこぼれを右WB青木がミドルシュートアビスパは37分、左IH三門に代えて城後を投入。39分、左WB和泉の縦パスから左FW玉田がシュート。しかしGK杉山がキャッチする。残り5分を切って、アビスパは前線にロングボールを放り込むようになる。42分、右SB駒野のクロスをCFウェリントンが落として、左IH城後が走り込むが、届かず。43分、左FW石津のクロスに左IH城後がヘディングシュート。しかしDFと競って、GK武田がキャッチした。アディショナルタイムは5分、グランパスはイムスンギョム、永井と投入して守備を固めつつ、時間を使う。そしてタイムアップ。0-0。スコアレスドローグランパスが昇格を決めた。よかった。

 最終節、カマタマーレに勝利して3位になり、準決勝がジェフとなった時は、「がんばって勝たなくてもいいのに」と思ったが、決勝では引分の場合、上位チームが勝利という規定に助けられた。3位になっておいてよかった。まずはおめでとうと言おう。そして来季は再びJ1で戦う。昨日の新聞には、フロンターレエドゥアルド・ネットの獲得に動いているという記事があったが、このメンバーの中で来季もグランパスでプレーする選手は何人いるのだろう。プレーオフで勝ち上がったチームは1年でJ2に戻るというジンクスは、今季セレッソが破ったが、グランパスもそれに続かなければならない。今から、J1で戦える陣容と風間サッカーのさらなる習熟に努めていきたい。来季はJ1で「風を起こすぞ」。そんなチームになりたい。