とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

クラブワールドカップ5位決定戦 浦和レッズ対ヴィダード・カサブランカ

 準々決勝で開催国UAEアルジャジーラに敗れて5位決定戦に回ったレッズ。相手はパチューカに延長で敗れたモロッコのヴィダード・カサブランカ。W杯出場を決めたモロッコの代表選手や元代表選手も多くいるチームだ。レッズの先発はアルジャジーラ戦に代えて左IHに長澤、右SBには森脇。またCBにマウリシオが先発し、槙野は左SBに回った。一方、ヴィダード・カサブランカの布陣はレッズと同じ4-1-4-1と言うが、中盤はアイトベンニティルが下がり目だが、アンカーという程しっかりと下がるわけでもなく、フラット気味。左SHエルハダッドが低い位置を取るので5バックのようにも見えるが、基本は4-5-1だろう。

 前半序盤はお互い相手の様子を見る慎重な展開。序盤はレッズが攻め込んだが、その後はヴィダード・カサブランカが押し返した。そして18分、CBマウリシオが35m以上はある長い距離をロングシュートで狙うと、これがゴールに吸い込まれる。レッズが先制点を挙げた。しかしカサブランカもすぐに反撃する。この時間帯、SHが位置を入れ替え、右SHエルハダッド、左SHハジュー。そして左IHエルカーティも高い位置を取って4-4-2のような形。FWエルカーティの縦パスに右エルハダッドが走り込み、シュートを放つが、GK西川がナイスセーブ。しかし直後、21分のFKをエルハダッドが蹴ると、直接ゴールに吸い込まれた。ヴィダード・カサブランカが同点に追い付いた。

 その後も攻め込むカサブランカは23分、右SHエルハダッドがミドルシュートを放つ。しかし26分、レッズは右SB森脇のアーリークロスから、右SH武藤がつなぎ、左IH長澤が落とすと、武藤が左に展開。走り込んだ左SHラファエル・シルバのクロスに右IH柏木がシュート。流れるような展開で、またもレッズが勝ち越した。カサブランカも28分、FWオーラド・ユーセフの縦パスに走り込んだ右SHエルハダッドがクロス。FWエルカーティが落として、CHカドロフがミドルシュートを放つ。レッズは38分、右IH柏木のCKにCB阿部がニアに走り込んでヘディングシュート。しかしGKベナシュールがナイスセーブ。カサブランカも39分、また左SHに戻ったSHエルハダッドのクロスにFWエルカーティがヘディングシュート。GK西川が足を伸ばしてファインセーブ。前半は2-1、レッズのリードで折り返した。

 後半もまた一進一退の展開が続く。13分には左SHラファエル・シルバに代えて梅崎を投入する。そして15分、右サイド中盤のFKのチャンスに右IH柏木が意表を突く縦パス。CF興梠が走り込み、クロスを入れると、DFのクリアをCNマウリシオが狙い澄ましたミドルシュート。レッズが3点目を挙げた。カサブランカは29分、CHカドロフに代えてサイディを投入。さらに30分、FWオーラド・ユーセフに代えて左SHティガゾーイを投入。エルハダッドをFWに上げる。レッズは梅崎が肉離れのケガ。急遽、右SHにズラタンを投入。武藤を左SHに回す。

 37分、FWエルハダッドが左SHティガゾーイと縦関係のパス交換から縦パス。右SHハジューのスルーパスにそのままエルハダッドが走り込み、ヒールシュートを放つ。しかしGK西川がナイスセーブ。45分にはCHサイディのミドルシュートをGK西川がナイスセーブ。だがそこで主審がゲームを止める。VARを確認。その前のFKの場面。左SHティガゾーイのクロスに競り合う中で、CB阿部がCBラベフを倒していた。カサブランカにPKが与えられる。これを右SHハジューが決めて、カサブランカが1点を返す。しかしもうアディショナルタイムは残り少ない。レッズが攻めて時間を使い、そしてタイムアップ。3-2。レッズが勝利してクラブワールドカップ5位を掴み取った。

 レッズは堀監督になったから、2点目などレッズらしい攻撃力を見せたが、全般的には守備のチームになってしまった。ベンチにはもったいないほどの攻撃的な選手が座っている。来季はどんなメンバー、どんなサッカーを見せるのだろうか。現実的なチームではあると思うのだけれど。一方、カサブランカはモロッコ代表のエルハダッドとエルカーティが上手かった。そしてアフリカのチームという先入観を覆す組織力があった。長澤も槙野もこのゲームではあまり目立つプレーは少なかったが、経験値は上がっただろうか。また来年、どこかのチームがこの大会に出られるといい。そして今度はヨーロッパのチームと当たることができるといい。