とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

デパートのギフトサロンで行われていること

 先日、11時から名古屋で会合があった際に、いつも早く来る同僚がなかなか来ないことがあった。ギリギリに来た彼に何をしていたのかと聞くと、「デパートのギフトサロンに寄ってギフト券を買おうと思ったら、待ち人数が10数人もいたので、寄らずに来た」と言う。「午前中にギフト券を購入したい人が多かったんじゃないの」と言ったが、どうもそうでもないらしい。

 昼食後「ギフト券を買いにいきたい」という彼に付き合って、デパートのギフトサロンに向かった。そのデパートでは、ギフト券を扱うカウンターとお歳暮などの贈答品カウンターが並列し、銀行のように番号札を発行していた。午後1時過ぎ位の時間で、贈答品カウンターはガラガラなのに対して、ギフト券のカウンターには10人近くの人がソファーに座って待っている。

 すると同僚が言う。「この時期にギフト券を購入する人の多くは、購入代金を会社の経費で落として、家族や親戚で使うんだ」。えっ? それて脱税? いや、節税? そう思って客を見れば、いかにも中小企業の奥さんや地方の建設会社のおやじといった風情の人が多い。「さらにひどいのになると、ギフト券で買った領収書を必要経費で落として、二重に節税をするんだ」。同僚がつぶやく。なるほど。

 確かにこの時期、取引企業へのお歳暮としてギフト券を購入しても、必要経費で落とすことができるのだろう。考えてみれば、ギフト券をお歳暮やお中元で贈ることは、個人はもちろん、会社同士でもほとんどない。なのに、贈答品カウンターよりもギフト券カウンターばかりが混み合うのは、こうした利用が多いからだろう。

 そうだったのか。60歳を過ぎて初めて知った。人生まだまだ知らないことばかりだ。