とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

高校女子サッカー選手権決勝 作陽対藤枝順心

 高校サッカーはBS-TBS女子サッカーのダイジェストを放送していて、高校サッカーらしい愛と涙のストーリー満載で、ついつい男子よりも女子に注目してしてしまった。そしていよいよ決勝。工大福井をPK戦で破った作陽が女王・藤枝順心と対戦する。作陽は女性の池田浩子監督。かつて湯郷ベルでもプレーしたという。生徒たちとの一体感ある指導振りは気持ちいい。夏のインターハイでは3位の成績を収めており、決勝進出は実力通りだ。一方の藤枝順心は一昨年、児野楓香を擁して優勝。今年は夏のインターハイ日ノ本学園に決勝で敗れ準優勝。しかし2回戦ではその日ノ本学園に勝利して決勝まで勝ち上がってきた。布陣はU-17日本女子代表の千葉玲海菜をアンカーに置く4-3-3。対する作陽は4-4-2。キャプテンの蓮輪をCBにU-17代表の山崎がボランチに入る。

 前半、作陽は縦に積極的にロングパスを放り込み、前線の選手を走らせる。11分、左SH山田優衣がミドルシュート。13分にも山田優衣が積極的にロングシュートを放っていく。あわやバーの上。さらに15分のCKではゴール前に7人の選手を立たせて、藤枝順心も一人を残してゴール前に密集。クリアボールをもう一度ゴール前に放り込んで、右SH初村がボレーシュートを放つ。そして23分、CB蓮輪のFKにFW牛久保がドンピシャのヘディングシュート。GK木稲がファインセーブ。これが決まっていれば、ゲームの展開も変わっていた。前半は作陽が高いプレスから攻守の切り替えも速く、藤枝順心の攻撃を自由にさせない。

 藤枝順心はようやく27分、左FW今田のクロスに右FW小原がヘディングシュート。すると少しずつ、パスがつながり始める。38分にはFKの放り込みから左IH並木が落として、右IH金子がボレーシュートを放つ。そして40分、作陽は右SB山口がドリブルから横へパス。CB谷口の上がりを見た左SH山田優衣がスルーするが、カットしたのは右にポジションを変えたFW今田。そのままドリブルで駆け上がり、クロスにCF青木が落ち着いて流し込み、ゴール。藤枝順心が先制点を挙げた。作陽も42分、左SB森本がミドルシュートを放つなど反撃するが、前半終了間際の45分、CB大村の縦パスに左IH並木がオフサイドラインぎりぎりで飛び出し、胸トラップから前を向いてシュート。藤枝順心が追加点を挙げて、前半を折り返した。

 後半も笑顔を浮かべて反撃する作陽。だが藤枝順心の守備も堅い。作陽は9分、右SH初村に代えて中村萌愛を投入。13分、藤枝順心は左IH並木のスルーパスから右FW今田がシュート。直後、作陽はFW牛久保に代えてCH山田愛葵を投入。山崎をFWへ上げる。さらに蓮輪をボランチへ。松内をCBに下げて、より攻撃的に攻めていく。17分、FW山崎がミドルシュート。19分にはCH山田愛葵の落としからCH蓮輪がミドルシュートを放つ。さらに20分にはFW越島に代えて神田

 しかしそんな作陽の攻勢にも藤枝順心は動じない。逆に追加点を狙う。26分、CKのこぼれからCH千葉の落としを左IH並木がミドルシュート。33分には左FW小原のクロスに右IH金子がヘディングシュートを放つ。その後も必死に攻める作陽に対して、藤枝順心はCH千葉を中心に落ち着いた守りを披露。ピッチを広く使う長いパスを出して、作陽の的を絞らせず、うまく時間を使っていく。結局、最後まで落ち着いて守り切った。2-0。今大会無失点のまま、勝利。昨年の雪辱を果たす3回目の優勝を飾った。

 千葉は今季になってボランチにコンバートしたというが、将来が楽しみな選手。CB長江や右FW小原など1年生も混じって、来季もまた楽しみだ。一方の作陽も池田監督の気持ちの籠った指導の下、選手が一生懸命ピッチを走り戦っていた。いいチームだ。女子サッカーの底上げも着実に進んでいる。新年からいいゲームを見せてもらった。