とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

プレミアリーグ第22節 アーセナル対チェルシー

 サッカー評論家の後藤健生がこのゲームの、特に前半を絶賛していた。DAZNでの放映は次節が始まる前までということで、もう観られないかなと思ったら、プレミアリーグはミッドウィークに行われた第22節の後、10日近く間が空く(もっともこの間にFA杯とリーグ杯が実施されるのだが)。それで幸い、このゲームを観戦できた。確かに後藤氏が絶賛するだけの内容。特にスコアレスで終わった前半の出来がすばらしい。あっという間に45分間が過ぎ去った。

 アーセナルはコシエルニが負傷で、代わりにホールディングを入れた3バック。コラシナツもケガで左WBはメイトランド・ナイル。ジャカをアンカーにIHにエジルウィルシャーを並べ、サンチェスとラカゼットが2トップに入る3-5-2の布陣。チェルシーも同じ3-5-2。カンテをアンカーにバカヨコとファブレガスが並び、2トップはモラタとアザール。第17節以降4勝1分で2位に上がってきた。

 序盤はお互い探り合うように攻め合う。7分、FWサンチェスのFKは壁に当たる。するとそこからチェルシーが高いプレスをかけていく。それをアーセナルが流れるようなパスでかわし、カウンターを仕掛ける。14分、右WBモーゼスのフィードに抜け出したFWモラタ。完全フリーになるが、シュートは右に外してしまう。15分には右WBモーゼスのクロスにFWモラタが飛び込むが、手前でGKチェフがキャッチ。逆に16分、左IHエジルの縦パスをFWサンチェスが受けて、縦パスに走り込んだエジルの落としをサンチェスがシュート。しかしGKクルトワがファインセーブ。弾いたボールは左のポストに当たり、さらに右のポストに当たってはね返る。抑え込むGKクルトワ

 23分には左IHエジルのパスを受けたFWラカゼットが反転からシュートを放つ。しかしこれもGKクルトワがファインセーブで弾き出す。チェルシーも27分、左IHファブレガスのスルーパスに右IHバカヨコが抜け出しシュート。しかしGKチェフも負けずにファインセーブ。ゴールを許さない。38分、左WBアロンソのFKがバーの上を越えると、39分、左IHエジルミドルシュートもわずかにポストの右に外れる。40分、異議を唱えるサンチェスをセスク・ファブレガスが大きくハグして、思わず笑みを漏らす二人。かつてのチームメイトだ。お互いのリスペクトが伝わってくる。

 45分、左IHエジルのドリブルをCHカンテが止めると、左IHファブレガスが左にパス。FWアザールがドリブルで運び、DFを引き付けると、ヒールパスで落とし、ファブレガスがシュート。しかし枠を外した。お互いが攻め合い、しかしギリギリのタイミングでボールを奪い、即速攻。だがまた止める。そしてまた攻撃。時間も忘れる前半45分はスコアレスのまま折り返した。

 後半も同じような展開が続く。5分、左IHファブレガスのスルーパスに抜け出したFWアザールがシュート。GKチェフがナイスセーブ。はね返りを、右IHバカヨコがクロスを入れて、左WBアロンソがヘディングシュート。しかしこれもGKチェフが弾き出す。アーセナルも7分、右IHウィルシャーの縦パスを左IHエジルが左に展開。FWサンチェスのパスをFWラカゼットが反転してシュート。しかしこれもGKクルトワがファインセーブ。まるでハンドボールのように、お互い交互に攻め合い、守り合う。

 8分、FWモラタのクロスにFWアザールボレーシュート。左WBアロンソが走り込むが、GKチェフがナイスキャッチ。12分、チェルシーが先に動く。右WBモーゼスに代えてザッパコスタを投入する。17分、右IHウィルシャーの縦パスをFWラカゼットが落とし、左IHエジルがラカゼットとのワンツーで走り込んで、FWサンチェスにクロス。しかしその前でCBケーヒルがクリアする。そして18分、左IHエジルのパスを左CBホールディングが左へスルーパス。これがDFに当たり、こぼれたボールに右IHウィルシャーが走り込み、思いっきりよくシュート。GKのニアを抜いてネットに突き刺した。ゴール。ついにアーセナルが先制点を挙げた。喜ぶアーセナルの選手たち。19分には左IHエジルのパスからFWサンチェスがドリブル。落としをFWラカゼットがシュート。しかしGKクルトワがファインセーブで弾き出す。

 すると22分、左IHファブレガスのフィードにPA内に走り込むFWアザール。ボールキープから抜こうとしたところに右WBベジェリンの伸ばした足がアザールの足を蹴り上げた。PK。これをアザールが決めて、チェルシーが同点に追い付いた。25分には左IHファブレガスのスルーパスに抜け出すFWモラタ。だがシュートはまたも外してしまう。26分、チェルシーは左IHファブレガスをドリンクウォーターに交代する。27分、CHカンテのドリブルから右に流して、右WBザッパコスタのクロスを右IHバカヨコが落とし、カンテがシュート。しかしDFに当たって枠をはずれる。

 35分、アーセナルはFWラカゼットに代えてウェルベックを投入。チェルシーも37分、FWアザールに代えてウィリアンを投入する。そして39分、FWウィリアンから右へ大きくサンドチェンジすると、右WBザッパコスタのクロスに左WBアロンソが走り込んでシュート。何と、チェルシーが勝ち越し点を挙げた。するとチェルシーはウィリアンを左SHに下げて、5-4-1にして守る。アーセナルは43分、CBチェンバーズに代えて右SHウォルコットを投入する。4-4-2。

 攻めるアーセナルアディショナルタイム47分、CHウィルシャーから左に展開。CBムスタフィのクロスをDFがクリアすると、右SBベジェリンがミドルシュート。同点弾をネットに突き刺した。ところが48分、チェルシーは右CBアスピリクエタのフィードにFWモラタが抜け出す。GKと一対一。しかしまたもシュートはGKチェフがファインセーブ。この日はモラタの日ではなかった。3度のビッグチャンスを悉く外してしまう。さらにはね返りを打った右WBザッパコスタのミドルシュートもバーを叩く。そしてタイムアップ。2-2。壮絶なゲームはドローで終わった。

 それにしてもいいゲームだった。流れるようなパスワーク。ギリギリのタイミングで奪うパスカットやドルブルストップ。スピードだけじゃない。強さだけじゃない。まさにビューティフルという形容がふさわしい好ゲームだった。両チームにとってはドローでよかった。ドローでここまで満足できるゲームも少ないだろう。