とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第4節 名古屋グランパス対川崎フロンターレ

 風間監督の下、パスサッカーを身に付けて、1年でJ1に返り咲いたグランパス。第4節の相手は、その風間監督が2年前まで率いて同じパスサッカーを展開したフロンターレ。そして現在フロンターレを率いるのは風間監督の下でヘッドコーチを務めていた鬼木監督。監督としては風間監督の方が先輩の師弟対決だが、選手の習熟度ではフロンターレの方がはるかに勝る。グランパスにとってはフロンターレに挑戦する戦いとなる。グランパスは右IHに長谷川アールアジャスールが戻って、しかし左CBホーシャは前節のケガで戻れず、代わりに櫛引が先発した。一方のフロンターレも前節と同様に車屋が左CBで先発し、登里が左SBに入った他はいつものメンバー。阿部が左SHで先発した。

 序盤はフロンターレが押し込んでいく。5分、OH中村憲剛のCKにCF小林がヘディングシュート。8分には右SBエウシーニョがドリブルで左SB秋山をかわして中に切れ込み、縦パスはDFがクリア。するとグランパスも前線へ放り込んだボールにCFジョーが走り込む。GKチョンソンリョンがセーブすると、フロンターレがまたカウンター。CH大島の縦パスを左SH阿部が落とし、CF小林がシュート。しかしGKランゲラックがナイスセーブ。お互い激しい攻防が続く。

 9分、OH中村憲剛のクロスにCF小林が抜け出しシュートを放つが、オフサイド。直後の10分、右SHシャビエルがドリブルから左につないで、左SH青木がミドルシュート。GKチョンソンリョンがナイスセーブ。お互い高くDFラインを保ち、狭いスペースの中でパスをつなぎ合う。23分、CFジョーのスルーパスに左SH青木が走り込むが、GKチョンソンリョンが飛び出してシュートを打たせない。逆に25分、ショートCKから右SH家長が戻して、CH大島のクロスにCF小林がボレーシュート。ネットを揺するが、これもオフサイドの判定。

 その後もフロンターレがパスをつないで押し込む。しかし30分、グランパスも左SH青木の仕掛けからスルーパスに右SHシャビエルが抜け出す。が、左SB登里もついていって自由にさせない。こぼれ球はGK]チョンソンリョンが抑えた。35分、右IH長谷川の縦パスから右SHシャビエルが左に流して、CFジョーがシュート。しかしわずかにポストの右に外す。今度はグランパスが戻していく。42分、中盤で左IH和泉がボールを奪うと、右SHシャビエルがドリブル。両サイドをCFジョーと左SH青木が走る。二人を囮に使ってミドルシュート。しかしこれもポストわずか右に外れた。前半はアディショナルタイムなし。意気詰まるゲームはスコアレスで折り返した。

 後半もお互い狭いスペースの中での細かいパスサッカーを展開する。8分、CF小林の落としをOH中村が受けようとしたところをDFが挟む。こぼれ球の処理をDFがもたつくと、CF小林が後ろから突いて落とすと、CH大島がミドルシュート。しかしDFがブロック。さらに右SH家長がミドルシュートを放つが、これもDFがブロックした。グランパスも12分、右IH長谷川の縦パスから左SH青木がミドルシュート。しかしGKチョンソンリョンがキャッチする。

 その後も一進一退の展開が続く。すると先にカードを切ったのはフロンターレ。20分、右SH家長に代えてCF大久保を投入。小林を右SHに回す。そして直後のFKを中村憲剛が蹴ると、CF大久保がヘディングシュート。これが決まり、フロンターレが先制点を挙げた。オフサイドを抗議するグランパスDF。だがNHKはスロー再生しない。交代直後の最初のタッチでゴールを挙げるのはいかにも大久保らしい。これで通算180点目のゴール。

 グランパスも22分、和泉に代えて、J1通算第2位の左FW佐藤寿人を投入する。青木を左IHに下げる。29分、左SH阿部のフィードにOH中村が走り込み、クロスに右SBエウシーニョがシュート。しかしこれは大きくふかしてしまった。グランパスは31分、CFジョーに代えて右SH成瀬を投入する。17歳のJリーグ初出場。佐藤をトップに上げ、シャビエルがトップ下。青木が左SH、成瀬は右SHに入る4-2-3-1。だがブロックを作って守るフロンターレの前に、なかなかチャンスを作れない。逆に34分、右SH小林のクロスに左SH阿部がシュート。GKランゲラックのファインセーブで何とか防いだ。

 フロンターレは40分、OH中村に代えて知念を入れて2トップ。さらに43分には右SBエウシーニョに代えて守田を入れて守備を固める。グランパスも41分、左SH青木に代えて押谷を投入。そしてアディショナルタイム50分、シャビエルのCKにGKランゲラックもゴール前に上がる。クロスにCB櫛引がヘディング。それをCF佐藤が押し込む。ゴールかと思ったが、ライン上でCB谷口がはね返した。そしてタイムアップ。1-0。グランパスが昨季の王者のフロンターレの前に力戦空しく敗れ、今季初黒星を喫した。

 しかしいいゲームだった。やはりフロンターレの方に一日の長があった。選手層の厚さも違った。しかし善戦はした。これは自信に変えていい。今後はサガン戦、コンサドーレ戦と中堅チームが続く。迷うことなくこのサッカーを続け、結果を積み重ねてほしい。そしてベガルタ戦は観戦予定だ。さらに深化・成熟したサッカーを見せてほしい。ベガルタ戦を楽しみにしたい。