とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合 マリ対日本

 仮想セネガルだと言う。そのマリにあわや敗戦ということは本番では・・・当然敗戦? 思い切って新しい選手を起用するハリルホジッチ采配は、チームとしての組織力、成熟が後回しになりがち。この日も連携ミスが多く、個人能力にすぐれたマリに一対一では負けて、組織力でも崩しきれなかった。これから組織力を高めていくのだろうが、その前に選手を固めなくては。トップ下、そして長谷部と組む中盤の選手はどうするのか。これから熾烈な戦いが続く。先発は大迫のワントップに右SH久保、左SH宇佐美。森岡をトップ下で起用し、長谷部と組むのは大島。酒井宏樹が負傷欠場した右SBには宇賀神を起用した。

 序盤、中盤やDFからの長いパスで、日本が積極的にマリの裏を取っていく。だがマリも積極的。7分、左SHジュネポがシュート。9分には右IHクリバリのスルーパスに右SHアダマ・トラオレが抜け出してシュートを放つ。GK中村航輔がナイスセーブで弾き出した。日本も左SH宇佐美のスルーパスに右SH久保が走り込んでシュート。12分、CF大迫のポストプレーから右SH久保がミドルシュートを放つ。左SH宇佐美が最近のデュッセルドルフでの好調振りを想像させるいいパフォーマンスを見せていた。

 23分、右SH久保の落としからCH大島がミドルシュート。GKジギ・ディアッラがファインセーブ。マリのDFラインが高い中で、CH大島のパスが効いている。だがマリのDFは足が速く、GKジギ・ディアッラの動きもすばらしい。25分には宇佐美のCKに右SH久保がニアに走り込み、ヘディングシュート。だがバーの上を越えた。

 しかし34分、CH大島が左ふくらはぎを抑えて座り込む。やむなく山口に交代した。35分、CF大迫がポストになって、OH森岡が受け、大迫が左に流すと、左SH宇佐美が縦パス。左SB長友が駆け上がってクロスにCF大迫が走り込むが、その手前でCBワゲがクリアした。続く宇佐美のCKにCB昌子がヘディングシュートを放つが、枠は捉えられなかった。41分にはCF大迫のスルーパスに左SH宇佐美が走り込んでシュート。しかしこれもGKジギ・ディアッラがナイスセーブで弾き出した。

 すると43分、マリは右IHクリバリのクロスをCFディアビが収めて、DFを背に左に回すと、左ジェネポが左に持ち出したところを右SB宇賀神が足を引っかけてしまった。PK。これをCFディアビが決めて、マリが先制点を挙げた。日本も45分、CF大迫の落としから左SH宇佐美がクロス。ニアに大迫が走り込んでヘディングシュートを放つが、GKジギ・ディアッラがナイスセーブ。前半は0-1で折り返した。

 後半頭に日本は右SB宇賀神に代えて酒井高徳を入れる。PKを与えた場面以外での守備の軽さは目立っていただけに仕方ない交代だろう。一方、マリは好セーブを連発していたGKジギ・ディアッラをサマサに交代する。これで後半は日本にもゴールが生まれるかと期待したが、そもそも日本がシュートを打つ場面はなかなか訪れなかった。7分、CH長谷部のドリブルで得たFKをOH森岡が蹴るが、壁にはね返される。8分、右SH久保のスルーパスにCF大迫が抜け出して、CBワゲに倒されるシーンがあったが、PKは取ってくれなかった。9分、OH森岡がPA内でDFを抜いてクロスを入れるが、DDFにクリアされた。そして逆に10分、CHスレイマンディアッラのCKに左SHジェネポがシュート。枠を大きく超えていった。

 日本は16分、左SH宇佐美に代えて中島、CH長谷部に代えて三竿を投入する。しかし彼らにボールが渡らない。DFラインへマリのFWが積極的にプレスをかけていくと、CB槙野と昌子がパスの先を探すが、結局二人でパス交換。CH三竿に入ってもまた戻してしまう。解説の松木の声ばかりがひびき、攻めあぐねる日本。20分にはOH森岡に代えて小林。だが小林もボールに触れない。25分には右SH久保に代えて本田。だが小林との連携が合わない。チグハグなプレーが続く。

 40分、左SH中島が思い切ったミドルシュート。だが枠を捉えられない。このまま敗戦をするかと思ったアディショナルタイム49分、左SH中島のドリブルから左に流して、OH小林がクロス。DFのクリアを拾ってCH三竿がクロスを入れると、中島がシュート。ようやくネットを揺らした。そしてタイムアップ。終了間際にギリギリ追い付いて、ドローで終えた。まあ、よかったか。

 それにしても攻めあぐねた。CF大迫はよくがんばり収めたし、久保と宇佐美の両SHも仕掛けた。が、マリの守備も堅かった。トップ下に入った森岡は創造タイプというよりも運動量でカバーするタイプ。ここに香川や清武が入れば少しは変わったか。だが森岡も期待された高い位置からの守備はこなしている。代わりにゲームメーカーを期待された大島が早く交代してしまったのが誤算だったかも。でも中盤の選手でゲームを作らないと全体が動かない。今回召集された中では柴崎がそのタイプかな。次のウクライナ戦はもっと厳しい。今の段階で何ができるか。何が足りないか。しっかり見極めて、本番での選手選考につなげてほしい。