とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合 スイス対日本

 最新FIFAランキングで日本は61位、スイス6位。もとよりとても勝てる相手ではなかった。だがやはり期待してしまう。そして終わってみれば現実を思い知る。4-2-3-1でそこそこ守れることはわかっていた。問題は攻撃だ。右SH原口、左SH宇佐美、そしてトップ下に本田。CH大島から展開力のある長いパスが何度も出たが、そこから決定機が作れない。もちろんスイスの守備が堅いのだが、それを打ち破る攻めの形は見えてこない。ハリルホジッチなら何か戦略を秘めていたのではないか。そう思ってしまう。これ以上、何か秘めたものがある、とはとても思えない。だがこれで戦うしかない。それを思い知ったゲームだった。

 スイスの布陣も4-2-3-1。GKビュルキ、右SBリヒトシュタイナー、左SBロドリゲス。CHにはジャカとベーラミ。そして右SHにはシャキリ。左SHエンボロはシャルケでプレーする21歳の若手だ。開始4分、CHジャカの縦パスに左SHエンボロが中に入ってスルーパス。OHフロイラーが走り込むが、GK川島がセーブした。5分にはCH大島のバックパスを奪われ、右SHシャキリがCH大島を背負ったままヒールパスをCFガブラノビッチに通す。技術の高さを見せつける。

 日本も6分、CH長谷部のサイドチェンジを左SB長友が折り返し、CF大迫がGKビュルキと競って、こぼれたところを右SH原口がボレーシュート。しかし合わせただけのシュートはGKビュルキがキャッチする。15分にはカウンターからOH本田がポストとなって、CF大迫が左に落とすと、左SH宇佐美のサイドチェンジから右SB酒井高徳のパスにCF大迫がシュート。しかし左SBロドリゲスがブロックする。スイスはゴール前の守備がしっかりしている。

 日本は細かいパスをつないでスイス陣地に押し込むと、25分にはCH長谷部がミドルシュート。しかしGKビュルキが難なくセーブする。一方スイスは長いボールを放り込んでくる。26分、左SBロドリゲスのアーリークロスにCFガブラノビッチがヘディングシュート。30分にも右SHシャキリのCKにCFガブラノビッチがヘディングシュート。右SB酒井高徳がブロックする。

 日本の守備の課題はゴール前のロングボールへの対応。36分、CHベーラミが放り込んだPA内へのフィードにCB吉田を抑えてCFガブラノビッチがヘディングで競り勝つと、飛び出したGK川島の上を越えてボールはゴールに向かう。左SBエンボロが走り込んでヘディングシュートを放つが。ポストにはね返された。助かった日本。38分には右SB酒井高徳のクロスにCF大迫が競って、こぼれ球を拾ったOH本田がシュート。だがGKビュルキの正面。しかしこの競り合いで腰を蹴られた大迫が40分、武藤との交代を余儀なくされた。

 そして42分、左SHエンボロが右SB酒井高徳をうまく抑えて前を向くと、ドリブルでPA内に入ってくる。対応したCB吉田だったが、エンボロが吉田の足を踏み付けて倒れる。これがPKに取られた。左SBロドリゲスが蹴ったPKは難なくゴールに吸い込まれて、スイスが先制点を挙げた。その後は日本が攻めていったが、ゴールまで至らず。前半はスイス1点のリードで折り返した。

 後半3分、CFガブラノビッチをCB槙野が倒して与えたFKを右SHシャキリが蹴るが、これは枠の外。日本も中盤でパスをつなぎ、CF武藤にパスを出すが、これがことごとくつながらない。11分には左SH宇佐美に代えて乾。右SB酒井高徳に代えて酒井宏樹を投入。スイスも19分、CFガブラノビッチに代えてセフェロビッチ、左SHエンボロに代えてツバー、OHフロイラーに代えてジェマイリを投入する。24分、左SHツバーが切り返してのミドルシュート。これは枠の外。日本は25分、CH大島に代えて柴崎を投入。前半はよく攻撃をリードした大島だったが、後半はほとんど消えていた。

 26分、左SB長友のフィードにOH本田がドリブルで持ち上がり、右に流して、右SH原口が切り返しからミドルシュート。しかしこれはGKビュルキの正面。難なく処理をした。逆に29分、GK川島のフィードを右SHシャキリがカットして、ミドルシュートを放つが、ギリギリ、バーの上。助かった。31分、日本はOH本田に代えて香川を投入する。

 そして36分、日本が攻め込み、CH柴崎のシュートからCKを得る。ところがスイスの守りから逆にカウンター。左SHツバーから左に展開すると、SHシャキリがOHジェマイリとのワンツーで抜け出し、クロスを交代したばかりの左SBムバンジェが折り返して、CFセフェロビッチがシュート。37分、スイスが追加点を挙げた。その後も何とかゴールを欲しいと攻め込む日本だったが、結局最後までスイスの堅い守備を破ることはできず。2-0。スイスが勝利した。日本はウクライナ戦から3連敗。西野監督になってから未だにゴールがないまま、2連敗を喫した。

 4バックでは支障なく守備ができることはわかっていたこと。ハリルホジッチ時の課題は攻撃だったはずだが、西野監督に代えて、わずかでも光明が見えたとはとても言えない。縦に速い攻撃を封じて、逆に微かな光さえ見えなくなってしまったのではないか。このままではW杯グループリーグ3連敗の可能性も高い。しかしそれも自業自得。それでも選手たちの必死の努力は評価しなくてはいけない。次のパラグアイ戦、少しでも希望が見えるといいのだけれど。