とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合 日本対パラグアイ

 ようやく西野ジャパンが初勝利を挙げた。W杯に出場しないパラグアイがどこまで本気だったかという気もするが、4ゴールもできたというのは評価したいところ。だがまたも2失点。やはりこのチームは守備面で重大な課題を抱えている。スイス戦から酒井高徳以外10人を代えてきたのには驚いた。昌子と植田のアントラーズ・コンビCB。右SBには遠藤。山口と柴崎のダブルボランチに香川のトップ下。左SH乾、右SH武藤。岡崎が久しぶりにワントップで先発だ。

 序盤から日本が攻めていく。2分、左SH乾がミドルシュート。はね返りをCH山口蛍がミドルシュートした。OH香川がCF岡崎とともに高い位置からプレスをかけ、CH柴崎が再三鋭い縦パスを放り込み、打開を図っていく。DFラインも高くコンパクトだ。だがなかなかシュートまでいかない。連携がまだイマイチ。と12分、パラグアイはこのゲームで現役引退するGKビジャールをアギラールに交代する。セレモニーの交代で日本のペースを乱された。

 ゲーム再開後、パラグアイもペースを取り戻し、カウンター気味に攻めてくる。24分、左WGオスカル・ロメロのFKからこぼれ球をオスカル・ロメロがシュート。そして32分、右サイドからのスローインをCFサンタンデールがヘディングでつなぎ、WGパレイロが折り返すと、左WGオスカル・ロメロが上に蹴り上げて、落ちてきたところをボレーシュート。これが決まり、パラグアイが先制点を挙げた。またか、先制点を献上。オスカル・ロメロと競り合ったCH柴崎の対応もやや軽かった。

 しかしその後も日本が攻める。33分には右SH武藤の落としからCH柴崎が中へパス。OH香川が左に展開して、左SH乾がシュート。しかしふかしてしまう。ああ! 40分、CH柴崎のFKはバーを叩いた。どうしてもゴールが遠い日本。前半はパラグアイの1点リードで折り返した。

 後半頭、日本は右SB遠藤に代えて酒井宏樹。GKも東口から中村航輔に交代した。遠藤はかなり積極的に右サイドを攻め上がり、好印象。でもやはりポリバレントな交代要員という位置付け。GK東口は、失点場面は仕方ない。大きな失敗もなかったが、そもそもパラグアイの枠内シュートはゴールの1回だけだった。後半も日本が攻める。5分、CH柴崎のミドルシュートはわずかにバーの上。そして6分、CB昌子の縦パスをOH香川が落とすと、左SH乾が中へのドリブルからミドルシュート。これが決まり、日本が同点に追い付いた。西野ジャパン、初めてのゴール。

 すると10分にはOH香川を起点に左SB酒井高徳がDFをかわして駆け上がり、クロスにCH柴崎がミドルシュート。GKアギラールがセーブする。そして18分、右SH武藤のクロスをOH香川がわずかに触って中に走り込んだ左SH乾がシュート。GKの下を抜いて勝ち越し点。日本が逆転をした。その直後、日本は武藤に代えてFW大迫を投入。香川を右SHに回して、岡崎との2トップ。4-4-2の布陣にした。パラグアイは11分、CBバルデス。14分、右WGアンヘル・ロメロ、左IHアルハンドロ・ロメロを選手交代。20分には左WGオスカル・ロメロを下げてサナブリアを投入した。

 その後も攻め続ける日本。24分にはCH山口が中盤でボールを奪い、FW大迫がミドルシュート。GKアギラールがナイスセーブ。26分、左SB酒井高徳を起点に、左SH乾が駆け上がり、中へのパスをFW大迫がポストとなって右に展開。右SH香川のシュートはポスト右に外れた。29分、日本はFW岡崎を下げて右SH原口を投入。布陣を再び4-2-3-1に戻す。すると32分、右サイドゴールライン際、深い位置からのFKをCH柴崎が蹴ると、CFサンタンデールの足に当たりオウンゴール。日本が追加点を挙げた。触れなかったがCF大迫が、ニアに走り込んだことが功を奏した。

 34分には左SH乾に代えて宇佐美を投入。解説の都並さんが、乾の守備位置がよかったことを指摘している。こうしたマニアックな解説はうれしい。35分、CF大迫のスルーパスに抜け出した右SH原口がクロス。OH香川がフリーで走り込んだが、ボールがやや合わずにシュートは大きくふかしてしまった。42分には右SH原口のポストプレーから抜け出したCF大迫がシュートを決めたが、オフサイド。このまま終わればと思ったが、パラグアイも反撃する。43分、途中交代の右IHメンディエタのCKは、いったんはGK中村航輔がパンチング。しかししかしそれを拾った左IHアレハンドロ・ロメロがミドルシュート。これはGK中村がナイスセーブ。しかし45分、右IHメンディエタのFKのこぼれ球をCHリカルド・オルティスミドルシュート。これが決まり、パラグアイが1点を返す。それでもアディショナルタイム46分、CH柴崎のボール奪取からCF大迫がポストに入って、OH香川がゴール前に切り込んでシュート。ダメ押しの4点目を挙げてタイムアップ。4-2。ようやくW杯前最後のテストマッチでゴールと勝利を挙げることができた。

 ガラッとメンバーを変えたのには驚いたが、それで結果が出たのはいいことだ。新聞ではパラグアイ戦の先発陣を控組と書いているものもあるが、けっしてそんなことはないだろう。本田よりも香川の方が明らかに動きはよかったし、乾は2ゴールの活躍だ。大島と柴崎は甲乙つけがたいが、山口の守備力は光った。最終的に西野監督はどういう布陣、先発で行くだろうか。希望的先発を書いておけば以下のとおり。

 GK中村、DFは右から酒井宏樹・吉田・槙野・長友、中盤は長谷部をアンカーに山口と柴崎、原口と乾を両ワイドに置いて、ワントップは大迫。やはり中盤の守備が課題。2枚では厳しいのではないか。そして点が欲しい時に香川を投入する。やはり植田よりも井手口が欲しかった。今からでもなんとかならないのかな。