とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯グループH コロンビア対日本

 何と! 日本がコロンビアに勝利した。ハメス・ロドリゲスが先発せず、キックオフ直後に相手が一人退場して、ほぼ90分間、一人多い状態で戦った結果とは言え、やはり勝利してよかった。決勝点を挙げた大迫だが、それ以外でも先制点でのがんばり、そして後半のハメス・ロドリゲスのシュートを止めたスライディングなど、このゲームは大迫が最高の貢献者だ。日本の先発は香川がトップ下。ボランチは柴崎と長谷部で組んだ。CBには吉田と昌子。SHは原口と乾が先発した。対するコロンビアはファルカオのワントップ。右SHクアドラード、左SHイスキエルド。トップ下のキンテロがゲームを作る。

 キックオフ直後、一度コロンビアが攻め込んで、日本が押し返す。3分、DFからのパスを受けたOH香川が前方へ大きくフィードすると、CF大迫が走り込む。コロンビアのCBはトッテナムのCBダビンソン・サンチェス。しかし競り勝つ大迫。シュートはGKオスピナがナイスセーブ。だがはね返りをOH香川がシュートすると、コロンビアのCHカルロス・サンチェスが右手を出してしまう。PK。そして一発レッドカード。PKはすごい緊張だっただろうが、香川が落ち着いて決めて、日本が前半6分、先制点を挙げた。

 一人少なくなったコロンビアはキンテロをCHに下げて4-4-1の布陣にするが、ゴール前は怖い。12分、CHキンテロのFKに一瞬CFファルカオが飛び出して伸ばした足にボールを当てる。シュート。GK川島がキャッチする。日本は一人多いせいか、中盤をよく支配する。そして15分、CHキンテロのドリブルをCH柴崎が止めると、OH香川がドリブルで前進。左に流して、左SH乾がシュート。しかしこれは大きくふかしてしまう。

 25分には左SBモヒカのクロスにCFファルカオが飛び込むが、手前で左SB長友がブロック。長友もよく走り回っていた。31分、コロンビアは右SHクアドラードに代えてCHバリオスを投入。日本の中盤をケアするが、同時に右の突破力を失った。キンテロが右SHに回った。32分、CF大迫がDFを背負いながらシュート。34分には右SHキンテロの縦パスにCFファルカオが足を伸ばし、シュート。しかしこれもGK川島がよく読んでキャッチした。

 そして39分、日本のPA手前でルーズになったボールにCH長谷部とCFファルカオが身体をぶつけ合う。両者倒れるが、何と主審はコロンビアのFKを宣告。ビデオを見る限り、ファルカオの方が身体を当てに行っている。コロンビアへのレッドカードの判定に、ゲームをイーブンにしたいという意思が働いたか。長谷部が必死にアピールしたが、VARも発動せず。FKを右SHキンテロが蹴るが、何と日本の壁が飛んだ下を抜ける。GK川島が必死に飛び付くがゴールラインを割った。コロンビアが同点に追い付いた。その後は少し日本の選手に動揺が走り、消極的なプレーが見られたが、前半終了間際でよかった。1-1でハーフタイムを迎えた。

 後半が始まると日本にしっかりと落ち着きが戻っている。前半以上に積極的な縦パスが入り、攻めていく。9分、右SH原口から中へパス。OH香川のスルーパスにCF大迫が抜け出してシュートを放つが、GKオスピナがセーブ。12分にはCH柴崎の縦パスを受けたCF大迫が収めて左に展開。左SH乾が切り返してミドルシュートを放つが、GKオスピナが横っ飛びナイスセーブした。

 そして14分、いよいよハメス・ロドリゲス登場。右SHキンテロが下がる。日本はその直後、CH柴崎のFKにCB吉田がヘディングシュート。16分にはCH柴崎のスルーパスに右SB酒井宏樹が上がり、クロス性のシュートを放つ。ハメス・ロドリゲスは体調が悪いのか、運動量が少なく、却って日本の攻撃が活性化する。21分には左SH乾がドリブルでDFをかわしシュートを放つ。

 25分、コロンビアは左SHイスキエルドに代えて右SHバッカを投入。ハメス・ロドリゲスを左SHに回す。日本もOH香川に代えて本田。26分にはOH本田が積極的にミドルシュートを放つ。そして28分、CF大迫の落としからOH本田が右に展開。右SB酒井宏樹のクロスをCF大迫が落とし、酒井がシュート。これで得たCKを本田が蹴ると、CF大迫がヘディングシュート。ファーサイドにふわりと落とし、これがゴール。日本がついに勝ち越し点を挙げた。

 32分にはCH柴崎が足を踏み付けられ倒れている中で、OH本田が不用意なバックパス。あわやピンチを迎えると、32分には右サイドでSHハメス・ロドリゲスの縦パスにCHレルマが走り込み、ヒールで中へ蹴り込んだところへハメス・ロドリゲスが走り込む。シュート。だがこれに滑り込んでコースを変えたのは大迫。絶対的なピンチを大迫が救う。その後は日本も35分、CH柴崎に代えて山口、40分にはCF大迫に代えて岡崎を投入。コロンビアの攻勢もあったが何とかはね返し、そのままタイムアップ。日本がグループリーグ初戦、貴重な勝利を挙げた。

 よかった。ハリルホジッチ監督が解任された時には、絶対に日本3連敗と思った。こんな結果があるとは思ってもいなかった。本当にサッカーは何があるかわからない。ハリルホジッチの下で鍛えたサッカーに、西野監督が日本流のコミュニケーションを与えて、やる気を醸成したということか。大迫のがんばりが大きかった。だが相手の失策に助けられた点も大きい。ハメス・ロドリゲスの不調にも助けられた。西野監督と言えばマイアミの奇跡だが、あの時も実はその後1敗1分でグループリーグを敗退している。この1勝で浮かれることなく、残り2戦で絶対勝利を得ることが必要だ。選手の精神力は高まっている。あとは戦術。日本選手のさらなる奮闘に期待したい。