とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯 グループG ベルギー対チュニジア

 今大会最大の優勝候補はベルギーかもしれない。パナマ戦も3-0で撃破。第2戦も期待できる。一方のチュニジアも初戦イングランドにはアディショナルタイムの失点で負けてしまったが、先制点を浴びた以降のパフォーマンスは見事。特に前へのプレス、そして攻める意識はすごい。いいゲームになることを期待した。

 ベルギーはルカクを中央にアザールメルテンスの3トップ。カラスコとムニエの両WBにヴィッツェルとデブルイネのダブルボランチ。DFはボヤ田を中にフェルトンゲンとアルデルウェイレルトの3バック。最後方にはGKクルトワも控える。一方のチュニジアイングランド戦から一人代えてハウィがFWで先発。ハズリと2トップを組む4-4-2。イングランド戦よりもさらに攻撃的な布陣で臨んだ。

 だが序盤からベルギーが圧倒する。3分、右WBムニエのミドルシュート。そして6分、右FWメルテンスのパスに左FWアザールが右サイドを仕掛ける。CBシアム・ベンユセフが対応するが遅れてPA内に入ったところで倒してしまう。PK。これをアザールが落ち着いて決めて、まずはベルギーが先制点を挙げた。その後もベルギーが止まらない。13分、右WBムニエのドリブルから右に流して、CFルカクのクロスに左FWアザールがシュート。15分、ショートカウンターから左WBカラスコが持ち上がり、シュートを放つ。

 チュニジアは高いプレスからパスをつないでいくが、ベルギーがそのパスをカットしては速い攻撃のショートカウンターを繰り出す。そして16分、左SBマールルからボールを奪い取った右FWメルテンスがドリブル。スルーパスにCFルカクが抜け出してシュート。ベルギーが追加点を挙げた。しかし直後の18分、CFハズリのFKに右SBブロンがヘディングシュート。チュニジアが1点を返す。これで断然ゲームが面白くなった。

 とは言ってもベルギーのショートカウンターは止まらない。19分、左FWアザールから右に展開。右WBムニエのクロスに左WBカラスコボレーシュート。GKベンムスタフィがナイスセーブ。しかし24分、ゴールを挙げた右SBブロンが足の痛みを訴え、ナゲズに交代する。ベルギーは28分、左FWアザールのクロスをCFルカクが落とし、CHヴィッツェルがミドルシュート。一方、チュニジアも高いプレスで積極的にプレー。ベルギーを押し込んでいく。31分、右SBナゲズのクロスからCHサシがミドルシュート。33分にはCFハズリが強烈なミドルシュートを放つ。GKクルトワがナイスセーブ。39分、右SBナゲズのクロスから右SHファハルディン・ベンユセフがミドルシュート

 だが41分、今度はCBシアム・ベンユセフがケガでベアルアンとの交代を余儀なくされる。前半のうちにアクシデントで二人交代は痛い。すると前半もアディショナルタイムに入ってベルギーが攻勢をかける。48分、左FWアザールのドリブルから右に流して、CHデブルイネのクロスにCFルカク。だが届かない。これで終わりかと思ったその直後、右WBルニエがCHデブルイネのパス交換から中へドリブル。入れ違うように出したスルーパスにCFルカクが抜け出しシュート。3点目を入れて前半を終えた。

 しかし後半もチュニジアが元気に走り回る。逆にベルギーは両WBの上がりを自重し、守備を固めた印象。5分、左SHバドリがミドルシュートを放つ。だがベルギーは6分、引いた体勢からCBアルデルウェイレルトがフィード。これに左FWアザールが反応して抜け出し、GKをかわしてシュート。ベルギーが決定的な4点目を挙げた。14分にはCFルカクに代えてCHフェライニを投入。3ボランチにして守りを固める。チュニジアもCHサシに代えてFWスリティを投入。まだまだ攻撃を諦めない。22分には左IHバドリがミドルシュート。GKクルトワが何とか弾き出す。

 23分、FWアザールを下げてバチュアイを投入。勝利を確信して、選手を休ませるベルギー。チュニジアもさすがにこの時間当たりから運動量がめっきり落ちてきた。31分、FWバチュアイの落としからFWメルテンスのスルーパス。バチュアイがGKをかわしてシュートを放つが、ライン上でCBマリアフがクリア。35分、左WBカラスコミドルシュートをGKベンムスタフィが弾いたところをFWバチュアイがシュート。しかしバーを叩く。36分、CHデブルイネのクロスにFWバチュアイがシュートするもGKにはね返される。もう一度シュート。だがこれもDFがブロック。どうしてもシュートが決まらないバチュアイ。

 41分にはFWメルテンスに代えてティーレマンスを投入。すると45分、FWティーレマンスのクロスにFWバチュアイが走り込みシュート。ようやくゴールを決めた。よかった。これでベルギー5点目。それでも47分にはCHデブルイネのフィードにFWバチュアイが走り込み、DFをかわしてシュートをしたが、これも枠を外した。すると48分、右SHファハルディン・ベンユセフの縦パスに走り込んだ右SBナゲズのクロスにFWハズリがシュート。チュニジアが意地のゴールを決める。5-2。そしてタイムアップ。ベルギーが快勝。ほぼ決勝トーナメント進出を確実にした。

 一方のチュニジアは一次リーグ敗退がほぼ決定。その奮闘ぶりに反して残念な結果になった。それでも実に気持ちのいいサッカーを90分通して実行したチュニジアの選手たちに拍手を送りたい。最終戦パナマ。そこで悔しさを晴らしてほしい。そしてベルギーはやはり強かった。2失点はいただけないが、今大会、守備的・組織的なサッカーが成果を上げる中、超攻撃的サッカーは際立つ。次のイングランド戦はさすがにメンバーを落とすだろうが、グループ1位通過に向けて引き分け以上の結果は欲しい。今大会、断然ベルギーを応援したいと思う。