とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯 グループH 日本対セネガル

 気持ちのこもった日本代表メンバーの戦いには感動した。強豪セネガル相手にどんなゲームになるのか。その速さ・強さの前に劣勢を強いられるのではないか。気持ちで負けてしまうのではないかと危惧したが、けっしてそんなことはない。気負って勢いよく飛び出してきたセネガルに対して、日本は冷静に落ち着いて対処。GK川島のミスもあって先制点を取られたが、それでも気持ちで引くことなく落ち着いて対応。その後の同点ゴールにつなげた。突然の監督交代劇で3連敗と予想したが、ハリルホジッチの積み上げたものの上に西野監督がよくコントロールして、それを崩すことなく、最高のパフォーマンスを引き出している。これを協会幹部が狙っていたのなら、評価しないといけない。あまりそんな感じもしないので、やはりこれは西野監督と選手たちをほめてあげたい。もっともまだ何も成し遂げてはいない。次のポーランド戦でそれを掴み取れ。木曜日のゲームに期待したい。

 日本はコロンビア戦と同じ先発。OH香川、CH長谷部、GK川島といったあたりに若干の危惧を感じないではないが、西野監督はまずはコロンビア戦の結果を受けて、このメンバーを信じていくことにしたのだろう。セネガルはアルフレッド・ヌディアイェをアンカーに置く4-3-3の布陣。ワントップのニアンが右サイドに流れることも多く、その時はマネが積極的にトップに上がってくる。

 序盤から積極的に前からプレスをかけてくるセネガル。だが先に書いたように、非常に落ち着いて対応する日本。それでもセネガルはニアンが右サイドに流れて、右SBワゲが積極的に上がり、攻めてくる。そして11分、右SBワゲのクロスを右SH原口がヘディングで逸らすと、ファーサイドを上がった左SVサバリがシュート。GK川島がはね返すが、そこに左SHマネが詰めてボールはゴール内に転がり込む。セネガルが先制。スローで見ると、GK川島がサバリのシュートをパンチングでクリアして、それがマネに当たっている。あの混乱の中ではキャッチングだろ。GK川島自身も語っていたが、完全に判断ミス。コロンビア戦の片手でセービングに行かなかった失点のシーンといい、最近、GK川島のミスが多い。次は中村航輔あたりを先発させてもいいのではないか。

 だがこれで落ち込むことなく、落ち着いてプレーを再開した日本。16分にはOH香川の落としからCH長谷部がミドルシュートを放つが、左SH乾に当たってしまう。セネガルも22分、右SBワゲのクロスに右SHサールがボレーシュート。これはGK川島がナイスセーブした。そして34分、CH柴崎が大きくサイドチェンジのパスを左サイドに入れると、左SB長友が駆け上がってトラップをうまくDFに間に落とし、左SH乾と入れ替わって、乾が得意の左45度からのミドルシュート。これが決まり、日本が同点に追い付いた。

 セネガルも39分、右IHパペ・アリウネ・ヌディアイェのスルーパスにCFニアンが抜け出してシュート。だがこの時はGK川島の出足が早い。身体に当ててセーブした。日本も40分、右SH原口が切り返しからミドルシュートを放つが、これは大きく枠を外した。1-1。同点で前半を折り返した。

 後半に入っても緊迫したゲーム展開が続く。4分、左SB長友のクロスを右SH原口がヘディングで折り返し、CF大迫がヘディングシュート。だが距離が遠く、GKカディム・ヌディアイェが難なくキャッチする。セネガルも4分、CFニアン。6分には右OHパペ・アリウネ・ヌディアイェ、10分にもCFニアンがミドルシュートを放っていく。後半になってセネガルはゲイェを下げてアルフレッド・ヌディアイェと並べる4-2-3-1の布陣に変更。パペ・アリウネ・ヌディアイェをトップ下にした。

 日本も15分、右SH原口から右に展開。CH柴崎が上がって、クロスにCF大迫が走り込む。が、うまく合わず、シュートは空振り。18分、CH柴崎のフィードに右SB酒井宏樹が走り込み、クロスをCF大迫が落とすと、OH香川のパスに大迫が右サイドを走り込んで、クロス性のシュートがバーを越える。さらに19分にはCB昌子のフィードをCF大迫がヒールで落とし、左SH乾がミドルシュート。バーを叩いてはね返った。続けざまのチャンスを逃して、嫌な感じ。セネガルは20分、CHアルフレッド・ヌディアイェに代えてクヤテを投入する。そして26分、左SHマネが左サイドで起点となって、中へのパスを左SBサバリが駆け上がって受けると、CH柴崎の股の間をクロス。CFニアンが触ってコースを変えて、右WBワゲが走り込む。シュート。ネット上部に突き刺さった。セネガルが勝ち越し点を挙げた。

 日本はその直後の27分、OH香川を本田に交代。30分にはOH本田のCKのクリアをCF大迫がシュート。DFがブロックする。日本はその直後、右SH原口に代えてFW岡崎を投入。本田を右SHに回し、4-4-2の布陣とする。そして33分、CB昌子の縦パスをFW岡崎が収め、右に流して、FW大迫がクロス。FW岡崎とGKカディム・ヌディアイェ、さらにCBサネが競ってファーサイドにこぼれたボールを左SH乾が拾って、クロスに右SH本田がシュート。日本が再び同点に追い付いた。

 その後、セネガルは36分、OHパペ・アリスネ・ヌディアイェに代わって長身のヌドイェを投入。さらに41分にはFWニアンをディウフに交代。点を取りに来る。一方、日本も42分、左SH乾に代えて宇佐美。正直、守備的には山口でもいいんじゃないかと思ったが、宇佐美も身体を張ってがんばった。4分間のアディショナルタイムは攻められる時間も多かったが、何とか守り切り、タイムアップ。2-2。セネガル相手にドローで終わった。

 このあと行われたコロンビアとポーランドの対戦で、コロンビアが3-0で勝利。ポーランドのグループリーグ敗退が決まり、2枠を3チームで競う状況になった。次節、コロンビアはセネガル相手に絶対勝利を狙ってくる。コロンビアが思惑通り勝利すれば、日本は引き分け以上で決勝トーナメント進出。負ければ、セネガルとの得失点差の勝負となる。コロンビア対セネガルが引き分けでも日本は引き分け以上が必要。セネガルが勝利すれば、日本は負けても決勝トーナメントに進出できるが、それは期待してはいけない。ということで、次節ポーランド戦は引き分け以上が求められるゲーム。よもや慢心はないと思うが、その先にはイングランドまたはベルギーが待っている。そこへ目を向け、ポーランド相手には丁寧に仕事をこなして、結果を引き寄せたい。十分できるだけのメンタルは持っている。がんばれ、ニッポン。期待している。