とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯 ベスト16 コロンビア対イングランド

 グループHを1位抜けしたコロンビアだが、日本相手に前半3分での退場がなければ、もっと楽に抜け出していただろうか。そしてハメス・ロドリゲスが完調であれば。結局イングランド戦にはハメス・ロドリゲスはベンチにすら入れなかった。前回大会はファルカオがいなかった。一度でいいから完璧なチーム状態でW杯を戦わせてあげたかったチームの一つだ。このゲームではバリオスをアンカーに左IHレルマ、右IHカルロス・サンチェスの3ボランチ。前線はファルカオをワントップに左WGキンテロ、右WGクアドラードで立ち上がった。対するイングランドはケインとスターリングの2トップ。ヘンダーソンをアンカーにリンガードとアリの中盤。アリがケガから戻ってきた。

 前半序盤はイングランドが攻勢をかける。6分、左WBヤングのFKはGKオスピナがパンチング。13分にはFWスターリングのミドルシュート。16分にはFWスターリングのキープから右サイドを右SHトリッピアが上がって、クロスにFWケインがヘディングシュートを放つ。序盤は守ってカウンターを狙うコロンビアだったが、20分過ぎ位からはパスを回して攻めるようになってきた。その後は互角の展開が続く。33分、CFファルカオの落としから左WGキンテロがミドルシュート。42分、FWケインが倒されて得たFKを右SHトリッピアが蹴るが、枠を捉えられない。コロンビアは前半終盤からIHのカルロス・サンチェスとレルマの左右を入れ替えるとともに、クアドラードファルカオと並ぶFWに上げて、キンテロがトップ下。中盤をダイヤモンドの形にしてきた。

 アディショナルタイム47分、OHキンテロがミドルシュートを放つと、イングランドも右SHトリッピアのクロスから左IHリンガードがボレーシュート。しかし枠は捉えられない。前半はスコアレスのまま、折り返した。

 後半に入っても互角の戦いが続く。5分過ぎ位からはキンテロがFWに上がって、クアドラードがトップ下。コロンビアは細かくポジションを変更してイングランドの隙を窺う。そして12分、右SHトリッピアのCKの際に、FWケインと右SHカルロス・サンチェスがマッチアップ。フェイントをかけてゴール前に抜け出そうとするケインを追いかけて、サンチェスが後ろから押し倒してしまう。PK・これをFWケインが決めて、イングランドが先制点を挙げた。

 コロンビアは16分、右SHレルマに代えてFWバッカを投入。キンテロを右SHに下げる。18分、右SHトリッピアのクロスに右IHアリがヘディングシュート。この時間帯、お互いファール、そしてイエローカードが多い。28分、左WBヤングのCKにCBマグワイアーがヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。コロンビアは34分、左SHカルロス・サンチェスに代えてウリベを投入。イングランドも36分、右IHアリに代えてダイアー。イングランドは守りを固め、カウンターのチャンスでも攻め上がる人数は少ない。

 36分、右CBカイル・ウォーカーからボールを奪い、FWバッカがドリブル。右に流して、OHクアドラードミドルシュート。41分には左SBモヒカのクロスにFWファルカオがヘディングシュート。ファルカオは42分にもミドルシュートを放つが、GKピックフォードがキャッチする。43分、右SHキンテロを下げて左SHムリエルを投入。クアドラードが右SH。ウリベとバリオスが並ぶ4-4-2の布陣で攻める。一方、イングランドもFWスターリングに代えてバーディーを投入。前線にカウンターの可能性を置いて、コロンビアの攻撃を牽制する。

 そしてアディショナルタイム47分、左SHウリバが強烈なミドルシュート。GKピックフォードがあわやファインセーブ。続くCKをクアドラードが蹴ると、CBミナが高いヘディングシュートを叩きつける。右SHトリッピアのヘディングクリアーもバーに当たってゴール内に飛び込んだ。ゴール。コロンビアがギリギリで同点に追い付いた。すごい。

 延長前半は同点に追い付いたコロンビアが調子を上げて攻勢をかけていく。11分、右SHクアドラードのクロスにFWバッカがヘディングシュート。続くクアドラードのCKにCBダビンソン・サンチェスがヘディングシュート。14分には左SBモヒカのクロスにFWファルカオがヘディングシュート。だが枠を捉えられない。延長前半12分には左WBヤングに変えてローズを投入する。延長も後半に入ると、再びイングランドが息を吹き返した。お互い中盤がルーズになって攻めの応酬。7分にはCHヘンダーソンのスルーパスに左WBローズが走り込んでシュートを放つが、わずかにポストの右。8分には足を攣った右CBウォーカーに代えてラッシュフォードを投入。ダイアーを右CBに下げる。10分には右SHトリッピアのCKにCBダイアーがヘディングシュート。しかし枠を捉えることはできず、結局このままタイムアップ。勝敗はPK戦に委ねられることになった。

 PK戦はコロンビア先行。ファルカオ、ケイン、クアドラード、ラッシュフォード、ムリエルとここまでは全員性向。イングランド3人目のヘンダーソンがGKオスピナのファインセーブで弾かれると、続くコロンビアの4人目、ウリベがバーに当てる。そして5人目、バッカのPKはGKピックフォードがナイスセーブ。イングランド5人目、ダイアーも落ち着いて決めた3-4。イングランドPK戦に勝利し、ベスト8進出を決めた。

 イングランドはケインの決定力が際立つが、身体の大きい選手が多く、堅守速攻型のチーム。次の相手のスウェーデンも守り重視のチームだけに、内容的には重たいゲームになりそうだ。リンガードやラッシュフォード、スターリングといった若くて速い選手が活躍してくれるとうれしいのだが。