とんま天狗は雲の上

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W杯準々決勝 ロシア対クロアチア

 開幕戦サウジアラビア戦を最高の結果でスタートした開催国ロシアは、その後、ウルグアイには完敗したものの、2位でグループリーグを通過。決勝トーナメント初戦には優勝候補のスペイン相手にPK戦で勝ち上がってきた。場内を埋め尽くすロシア・サポーターの応援を受けて、失うものは何もない、無欲の勢いでベスト4進出を狙う。対するクロアチアはグループリーグこそ3連勝で首位通過したものの、ベスト16のデンマーク相手に苦戦。何とかPK戦を乗り切って、準々決勝にコマを進めた。

 ロシアは開幕戦途中出場から勢いに乗っているCFジュバと左SHチェリシェフが先発。ゴロビンをトップ下に、右SHにはベテランのサメドフが入る。ボランチはクジャエフとゾブニン。一方のクロアチアはCFマンジュキッチ、左SHペリシッチ、右SHレビッチの前線は変わらない。トップ下にクラマリッチが入り、モドリッチラキティッチボランチに置いたのは攻撃的布陣で勝ち切ろうと考えたか。

 開始2分、CHゾブニンの縦パスからCFジュバのスルーパスに左SHチェリシェフが走り込み、シュート。5分にもOHゴロビンのクロスのこぼれをCFジュバがボレーシュート。序盤はロシアが積極的に攻めていく。しかし7分、クロアチアもCHモドリッチのCKをCBロブレンがヘディングで落とし、右SHレビッチがヘディングシュート。次第にクロアチア攻勢の時間が長くなってくる。11分には右SBブルサリコのクロスにCFマンジュキッチがシュート。しかしこれはミス。大きくふかした。クロアチアが攻め切れずにいると、次第にゲームは膠着状態に。

 そして31分、中盤のルーズなボールを左SHチェリシェフが受けると、選手の間をドリブルで抜けて、CFジュバとのワンツーからミドルシュート。これがネットに突き刺さる。何とロシアが先制点を挙げた。39分にもCBクテポフのFKをCFジュバがポストになって、左SHチェリシェフがシュート。ロシアはこの二人がノリにノッている。しかし39分、左SHペリシッチの縦パスからCFマンジュキッチがドリブル。クロスにOHクラマリッチがヘディングシュート。これが決まり、前半のうちにクロアチアが同点に追い付いた。前半は1-1で折り返す。

 後半になるとクロアチアペリシッチとレビッチの左右を入れ替えて、積極的に攻めていく。5分にはCHモドリッチミドルシュート。7分、CFマンジュキッチから右に展開。CHラキティッチのクロスのこぼれをOHクラマリッチがオーバーヘッドでゴールを狙う。15分には左SBストリニッチのクロスをOHクラマリッチが折り返して、SHペリシッチミドルシュート。しかし左ポストに当たってラインを割った。

 ロシアは9分、右SHサメドフを下げて、エロヒンを投入。クロアチアも18分、右SHペリシッチに代えてCHブロゾビッチを投入。ブロゾビッチをアンカーに置いて、モドリッチラキティッチが前目のIH。レビッチを左SHにして、4-3-3に布陣を変更する。この段階ではマンジュキッチが右SHに入って、クラマリッチがCFになったが、この二人は適宜、位置を入れ替える。ロシアも22分、左SHチェリシェフに代えて右SHスモロフを投入。エロヒンを左SHに回す。

 27分、右SHスモロフから右に流すと、右SBフェルナンデスが上がって、クロスに左SHエロヒンがヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。クロアチアは29分、左SBストリニッチに代えてピバリッチを投入。31分、右IHモドリッチから右へ大きくサイドチェンジ。右SHクラマリッチの折り返しをCFマンジュキッチが落とし、右IHモドリッチミドルシュート。DFブロックのはね返りを右SBブルサリコがミドルシュートするが、これもDFがブロックした。

 ロシアは34分、CFジュバを下げて、CHガジンスキを投入。スモロフがCFに入って、クジャエフが右SHか。クロアチアも43分、右SHクラマリッチを下げてコバチッチを投入する。しかし直後の44分、GKスバシッチがゴール横のボールをキャッチした際に、右腿裏を抑えてうずくまる。ハムストリングの肉離れか。しかし既に3人の交代は終えた後。残り6分間を耐える。アディショナルタイム49分にはCFスモロフのミドルシュートが襲うが、GKスバシッチがキャッチ。しかし腿のケガが大丈夫か。何とかアディショナルタイムを終えて、延長戦に入ることになった。

 延長戦もGKスバシッチはそのままゴール前に立つ。だが延長前半7分、右SBブルサリコが左膝を抑えて倒れ込む。GKスバシッチも心配だが、ブルサリコもプレーが困難。やむなくCBチョルルカを投入し、ビダを右SBに回す。10分、CBロブレンの横パスをOHゴロビンに奪われ、スルーパスにCFスモロフが走り込む。が、CBロブレンが何とか追い付いてクリア。PKにはならない。そして11分、右IHモドリッチの縦パスに右SBビダが走り込むと、そのクロスで得たCKをモドリッチが蹴り込む。右SBビダがヘディングシュート。コロコロと弾み、CBチョルルカもスルーしてそのままゴールに転がり込んだ。クロアチアが勝ち越し点を挙げた。直後の12分、ロシアはOHゴロビンに代えてジャゴエフを投入する。15分、OHジャゴエフのCKを左SHエロヒンがヘディングシュート。しかし枠を外した。

 エンドが代わって、延長後半が始まる。7分、OHジャゴエフのCKをGKスバシッチがパンチング。これを右SHクジャエフがボレーシュート。しかしGKスバシッチが正面でキャッチ。足は大丈夫か。そして10分、OHジャゴエフのFKに右SBフェルナンデスがヘディングシュート。これが決まり、ロシアが再び追い付いた。14分にはCHゾブニンのミドルシュートがゴールを襲うが、GKスバシッチがファインセーブ。延長30分も1点ずつ取り合って、合計2-2。勝敗はPK戦に委ねられることになった。

 GKスバシッチの足が心配だったが、先行ロシアの1人目スモロフのシュートはGKスバシッチの動きが悪かったのが幸いしたか、左手でクリアする。これでクロアチアが優位になったと思ったら、クロアチア二人目のコバチッチが失敗。しかしロシア3人目、フェルナンデスのPKはポスト左に外す。その後は2人ずつ成功。クロアチア5人目のラキティッチも決めて、4-3。クロアチアPK戦を制して、準決勝進出を決めた。

 それにしても激戦。マンジュキッチも延長に入って以降は足を痛めたか、ほとんど動けていない。右SBブルサリコとGKスバシッチの足も心配だ。モドリッチは最後まで走り回っていたが、ラキティッチは後半、運動量が落ちた。クロアチアイングランドは、普通にやればクロアチアが優勢だと思うが、2試合連続の延長PK戦。これが準決勝にどう影響するか。目が離せないゲームとなった。個人的にはフランス対クロアチアの決勝戦を観てみたいのだが。