とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

トーナメント・オブ・ネイションズ アメリカ対日本

 昨年に続いてアメリカで開催されるトーナメント・オブ・ネイションズに参加したなでしこジャパン。初戦の相手は開催国アメリカ。この強国を相手に、日本は熊谷、阪口夢穂、宇津木、猶本、市瀬が欠場。CBには三宅と鮫島が入り、左SBは本来CHの阪口萌乃が務めた。一方、本来SBの有吉をCHで起用したのは、一緒に組む若い21歳CH三浦のサポートの意味か。攻撃陣は田中南美と岩渕の2トップ。SHには右SH中島、左SH長谷川が先発した。対するアメリカはモーガンをワントップに、左WGラピノ、右WGプレス。アーツをアンカーに右IHブライアン、左IHホラン。左SBにはダンが入り、左SHラピノが中に絞って、再三の上がりを見せる。

 序盤から攻め立てるアメリカ。7分には左サイドを駆け上がった左SBダンのクロスに、左IHホランがヘディングシュートを放つ。序盤の攻勢をしのいだ日本は、次第に前からプレスをかけて押し返す。11分には左SH長谷川のスルーパスにFW岩渕が抜け出すが、オフサイドの判定。微妙なタイミングだった。アメリカも16分、左WGラピノのスルーパスに左SBダンが走り込み、クロスに右SHプレス。だがその前でDFがクリアする。日本も17分、FW田中がミドルシュートを放つが、DFに当たって、GKネアーが抑えた。

 互角の展開と思ったが、18分、右SHプレスの中へのドリブルからスルーパスに左WGラピノが抜け出し、クロスにCFモーガンが走り込んでシュート。見事に先制点を挙げた。しかし日本も20分、CH有吉の縦パスから左SH長谷川がスルーパス。FW田中が抜け出し、シュート。これがDFに当たってループシュートになり、ゴールに飛び込んだ。すぐに日本が同点に追い付いた。

 その後はまた互角の展開。と思ったが、26分、左IHホランの縦パスに左SBダンが走り込むと、クロスを右SBソネットが折り返しのクロス。これにFWモーガンが走り込み、ヘディングシュート。すぐにアメリカが勝ち越し点を入れた。左右に振られたことで、CB三宅のモーガンに対するマークが甘くなり、フリーにしてしまった。35分には中盤右サイドでIHホランがフリー。余裕でクロスを入れると、FWモーガンが胸トラップからシュート。ポストの左に外れて助かったが、中盤のプレスが遅れている。40分にも右IHホランの縦パスに走り込んだ右WGプレスが切り返してミドルシュート。さらに42分、CBデビッドソンのフィードをCFモーガンがヘディングで落とし、CHアーツがシュート。GK山下がファインセーブ。終盤はアメリカに再三チャンスを作られたが、何とか1-2のまま折り返した。

 アメリカは後半頭に左IHゼルボーニを投入する。5分、CH三浦の横パスを右IHホランがカットすると、右WGプレスが左IHゼルボーニとのワンツーで抜け出して、クロスにホランがシュート。これはGK山下がファインセーブ。8分にはラピノのCKのこぼれを右WGプレスがシュート。FW田中がライン上でクリアした。高さのあるアメリカに対して、クロスに対する守備が課題だ。そして9分、アメリカが右WGプレスに代えてヒースを投入すると、11分、そのヒースが右サイドを仕掛けて、左SB阪口萌乃を振り切り、クロスのこぼれをCFモーガンがシュート。見事ハットトリックアメリカが3-1とリードする。14分にも右WGヒースのパスからCFモーガンのクロスに左IHゼルボーニがヘディングシュート。なかなか修正ができない日本。

 するとその直後、日本はFW田中とFW岩渕に代えて、横山と菅澤。そして右SH中島に代えて川澄を投入する。アメリカも19分、CHアーツに代えて右IHラベルを投入。ゼルボーニをアンカーに下げる。そして21分、ピッチ中央で左WGラピノがCH有吉の裏を取ってドリブルを始めると、右IHラベルとのワンツーからシュート。4点目を挙げた。

 日本も22分、長谷川に代えてFW菅澤を投入。横山を左SHに下げる。するとようやく日本が前線でボールを収めることができるようになる。24分、CH有吉の縦パスをOH増矢がヒールで落とし、CF菅澤がシュート。しかしGKネアーがファインセーブ。25分にもCH有吉の縦パスをOH増矢が落とし、CF菅澤とのワンツーで抜け出して、増矢が切り返しからシュート。さらに25分、OH増矢の縦パスをCF菅澤が収めて、縦パスに右SH川澄が走り込んで、クロスに左SH横山がボレーシュート。だがわずかにバーの上を越えた。

 28分には左SH横山からサイドチェンジ、右SH川澄のクロスにCF菅澤がヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。直後、アメリカは3人を選手交代。CFロイド、左IHメウィス、そして左SBにショートを入れて、ダンを左WGに上げる。この時間帯、攻め込んだ日本は31分、左サイドで左SB阪口が右WGヒースを抜いて、ミドルシュートを放つと。これがそのままゴールに飛び込んだ。日本が1点を返す。2-4。しかしその後は両者、チャンスをつかむことができない。41分にはCH有吉に代えて隅田を投入。しかしゲームはそのままタイムアップ。4-2。アメリカが勝利した。

 日本は力負け。球際やクロスに競り勝てなくては、勝利は難しい。それでも後半22分、菅澤を投入して以降は次第に前線でボールが収まるようになって、連続してチャンスをつかんだ。田中と岩渕のコンビではアメリカのDF陣を崩すことができなかった。その中でもCH三浦が堅実なプレーを見せていたことが目を惹いた。しかし隅田が使えるなら、次戦は隅田と三浦のベレーザ・コンビに任せてもいいのではないか。問題はCB。三宅も堅実なプレーを見せていたが、ここ一番ではやはり弱い。鮫島のCBは足も速く、読みもいいのだが、ヘディングの競り合いでは本職のCBに一日の長がある。次は誰を先発させるのだろうか。土光や國武の先発はあるのだろうか。また課題を一杯見つけ、糧にしていってほしい。次のブラジル戦も楽しみにしよう。