とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

トーナメント・オブ・ネイションズ 日本対ブラジル

 なでしこアメリカ遠征第2戦。初戦、アメリカ相手に完敗だった日本は、攻撃陣を中心に先発を6名変えてきた。FWは初戦後半好調だった菅澤と横山が組み、岩渕を左SHで起用。右SHには籾木が先発。CHには初戦の終了間際で組んだベレーザのコンビ、三浦と隅田を起用。CBには三宅に代えて、代表初先発の國武を起用した。ブラジルはベテランのマルタと高さのあるベアトーリスの2トップ。他のメンバーは知らないので敢えて書かないが、一応、4-4-2のように見える。4-3-3かもしれない。カメラアングルが通常のゲームよりもかなり高い位置からピッチを捉えるが、その割には、視野は狭い。慣れるまで誰がどこでプレーしているのかわかりづらかった。

 序盤は日本が積極的にプレスをかけていく。しかし3分、FW横山の横パスをCHタイサがカットして、左SHデビーニャがミドルシュート。GK池田がナイスセーブ。その後はブラジルが攻勢をかけるが、日本も負けず、プレスをかける。8分にはFW菅澤の落としから左SH岩渕がミドルシュート。さらに10分、右SH籾木から大きくサイドチェンジしたパスを左SH岩渕がシュート。GKアリーネがナイスセーブで弾き出す。

 20分にはFW横山がミドルシュートを放つ。22分、右SB清水のフィードにFW菅澤が抜け出すが、DFに寄せられ、シュートが打てない。21分にはCH三浦がFWマルタに寄せて守り切るシーンがあったが、この時間帯、日本は攻守の切り替えが速く、寄せも厳しく、ブラジルの攻撃をまったく自由にさせない。31分、左SBジョイセがミドルシュートを放つが、これもどこか苦し紛れな感じ。

 38分、FW横山がドリブルを止められて得たFKを自ら蹴るが、GKアリーネがナイスセーブする。ブラジルも40分、CHアンドレシーニャのサイドチェンジから、右SHタイースの縦パスに右SBハヤンネが駆け上がり、クロスをFWマルタが反転シュート。しかしGK池田がナイスセーブ。日本は41分、左SB阪口のクロスにFW菅澤がシュート。だがうまく当たらない。42分、左SH岩渕の落としからCH隅田が縦パスを入れると、FW横山が抜け出す。が、シュートは空振り。前半は日本が高いプレスからゲームを支配したが、決定機を決めきれず、スコアレスのまま折り返した。

 後半に入ると、ブラジルは左SBタミレス、CHカミーラ、右SHアドリアーナを投入。日本も左SH岩渕に代えて長谷川を投入した。2分、左SBタミレスのクロスをFWベアトーリスが落とし、左SHデビーニャがシュート。だがCB國武がブロックする。CB國武は代表初先発とは思えないほど落ち着いたプレーぶりを見せていた。しかし後半はブラジルが積極的に攻める。5分、CB鮫島からCH隅田へのパスにCHタイサがプレスをかけて奪い、FWベアトーリスが反転からシュート。これはCB鮫島がブロックする。

 日本も7分、FW横山のクロスのこぼれを右SH籾木がミドルシュート。さらに8分、右SBハヤンネのドリブルにCH三浦が対応して奪い取ると、FW菅澤がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。ブラジルも11分、FWベアトーリスが右サイドをドリブルで突破し、切り返してミドルシュート。GK池田がナイスセーブする。

 お互い攻め合うが、なかなか決めきれない展開。日本は13分、FW菅澤、右SH籾木に代えて、田中と増矢を投入。その後、ブラジルのクロスにCB國武とGK池田が交錯。頭を打って倒れ込んだCB國武は、一度は立ち上がってプレーをするが、途中で座り込み、23分、土光に交代した。ブラジルは28分、左SHデビーニャに代えてハケル、CBダイアーネに代えてカテレンを投入した。29分、FWマルタのドリブルから、左SHハケルが戻して、CHタイサがミドルシュート。そして31分、CH三浦のバックパスを受けたCB鮫島がトラップミス。これを左SHハケルに奪われ、FWマルタがシュート。ついにブラジルが先制点を挙げた。

 日本は32分、CH隅田に代えて右IH中島、FW横山に代えて右WG川澄を投入。三浦をアンカーにする4-3-3に布陣を変更し、日本が必死に反撃する。41分には右WG川澄のクロスにCF田中がボレーシュート。しかし枠を捉えられない。逆に45分、左SHハケルのスルーパスにFWベアトーリスが抜け出して、スライディングしたCB土光をかわしてシュート。追加点を挙げる。日本もアディショナルタイム48分、ショートCKから中島が戻したボールを左SB阪口がクロス。左WG増矢がダイビングヘッドでネットに突き刺し、1点を返した。その後も攻める日本。だがアディショナルタイム5分、CKを取ったところでタイムアップ。2-1。アメリカ遠征第2戦目も黒星で終わった。

 しかし前半だけ見れば、ブラジルを圧倒するいいサッカーを展開していた。特に代表経験の少ないCH三浦やCB國武、左SB阪口萌乃らが落ち着いたプレーを披露。菅澤や横山にもう少し決定力があれば・・・。ところで高倉監督は永里優季をもう代表へは呼ばないのだろうか。川澄はアジア杯で招集した。若手の成長を期待したいのもわかるが、そろそろ永里を招集して、若いMFたちを合わせることも必要ではないだろうか。このゲーム、再三、FW陣がシュートを外すのを見ると、永里であれば何とかしてくれるのではないかという気がしてならない。今のなでしこには前線で収められる軸となるFWが必要ではないだろうか。