とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第20節 FC東京対ヴィッセル神戸

 首位サンフレッチェがリーグ前半ほど勝ち点を積み重ねられていない中、FC東京は中断明け後、3勝1敗。第18節ベガルタ戦では苦汁をなめたが、前節アントラーズ戦も終了間際のリンスのゴールで勝利。このゲームも着実に白星を重ねたいところ。相手はヴィッセルイニエスタの出場を期待してか、前売り完売の大盛況だが、残念ながらイニエスタはまだ欠場。ウェリントンをワントップに郷家がトップ下。右SHに増山が入り、左SHには大槻が先発した。FC東京は永井、東らをベンチに置いて、ディエゴ・オリベイラと富樫の2トップ。中盤は高萩と米本のダブルボランチ。橋本はベンチにもいない。

 前半から両者、素早い攻守の切り替えで、激しいゲームが続く。5分、ヴィッセルはCH三田がFKを蹴るが、GK林がキャッチ。FC東京も11分、左SB太田のCKにCBチャンヒョンスがヘディングシュート。互角の展開が続く。21分、ヴィッセルは右SB三原の縦パスを受けた右SH増山がドリブルでPA内まで持ち込んでシュートを蹴るが、空振り。FC東京も23分、CH高萩の縦パスに右SB室屋が走り込むが、届かない。

 お互いシュートは少ないが、決定的なパスがゴール前に出て、見て楽しいゲームが続く。35分、FWディエゴ・オリベイラの縦パスから左SH田邉がスルーパス。FW富樫が戻したボールを左SB太田がクロス。しかしDFがクリアする。36分にはFWオリベイラのスルーパスから右SB室屋がミドルシュート。GKキムスンギュがナイスセーブで弾き出す。ヴィッセルも41分、CH藤田の縦パスからCH三田が右に流し、OH郷家のパスを右SH増山がシュート。しかしDFがブロック。43分にはFC東京の右SH大森が強烈なミドルシュート。きれもGKキムスンギュがファインセーブ。前半はスコアレスで折り返した。

 イニエスタがいたら、ヴィッセルはいったいどんなゲームを見せただろうか? 左SH大槻がイマイチ活躍できなかった。そこで後半頭、ヴィッセルは左SH大槻に代えて古橋、右SH増山に代えてFW渡邉千真を投入。郷家を右SHに回す。4-4-2の布陣。すると3分、CH藤田の縦パスからFW渡邉がシュート。5分には右SB三原のクロスをFW渡邉が落とし、CH三田がミドルシュートを放つ。GK林がファインセーブでキャッチした。

 FC東京も6分、左SH田邉に代えて右SH東を投入。大森を左SHに回す。すると10分、左SH大森のスルーパスにCH高萩が走り込む。CB大崎が倒したように見えたが、廣瀬主審はPKを取らない。このゲーム、あまりファールを取らないジャッジが目立ったが、この場面でも大崎の足が高萩と絡みはしたが、意図的ではない。的確な判定だったと思う。ヴィッセルは13分、CH藤田の縦パスに走り込んだ左SH古橋が切れ込んでの縦パス。FW渡邉千真が落としたパスをFWウェリントンがシュート。だがポスト左に外れる。

 押し込まれたFC東京は15分、FW富樫に代えてリンスを投入する。すると16分、左SB太田のCKにCB森重がヘディングシュート。GKキムスンギュがファインセーブ。DFのクリアをCH米本がミドルシュートを放つが、枠を外す。ヴィッセルも20分、左SH古橋がドリブルからミドルシュート。GK林がファインセーブ。古橋は今月になってFC岐阜から移籍してきたばかりの選手。ヴィッセルはいい補強をした。22分にはCH藤田のCKからFWウェリントンがヘディングシュートを放つ。

 23分、FC東京はFWディエゴ・オリベイラから右に流し、右SH東のクロスに左SH大森がシュート。DFがブロック。ヴィッセルも25分、右SB三原のクロスから右SH郷家が右に流し、CH三田がミドルシュート。しかしこれもDFがブロックした。FC東京は28分にも左SB太田のFKのクリアをCH米本がミドルシュート。しかしこれも枠を捉えられない。

 ヴィッセルは30分、CH藤田を下げて、松下を投入。FC東京も33分、CH米本に代えて右SH永井を投入。東をCHに下げた。その後はFC東京が押し込む展開が続く。40分、FWディエゴ・オリベイラのドリブルからFWリンスがシュート。しかしこれはDFがブロック。ヴィッセルも41分、FWウェリントンのサイドチェンジから左SH古橋がミドルシュート。枠を捉えられない。そして45分、FWディエゴ・オリベイラがドリブルで運ぶと、右に流して、FWリンスがシュート。ついにFC東京が先制点を挙げた。アディショナルタイムは5分。しかし途中でCH高萩が長い時間倒れていたため、7分を越えるアディショナルタイム。しかしFC東京が冷静に時間を使い守り切った。1-0。FC東京が地力を見せた。

 しかし内容的にはほぼ互角。イニエスタがいたら、ヴィッセルが勝利してもおかしくない。ヴィッセルは現時点で優勝を狙うということはないだろうから、たとえ敗戦でもそれほど気落ちはない。それ以上に来シーズンにつながる内容。イニエスタが復帰する次戦以降がさらに楽しみになる。そしてFC東京サンフレッチェが引き分けて、これで勝ち点差5と迫り、いよいよ首位も射程圏内に入ってきた。リンス、永井をベンチに置く長谷川監督の采配は今後、他チームにとって大いに脅威になる。優勝争いが楽しみになってきた。