とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア大会ベスト16 マレーシア対日本

 グループリーグでベトナムに敗戦し、グループ2位通過。決勝トーナメント1回戦の相手は韓国になるはずが、その韓国もグループ2位。結局、相手は韓国を下したマレーシアとなった。ついていると言っていいのか? グループリーグで課題だった引かれた相手に対する攻撃の連携だったが、結局、このゲームでもそれが解決される様子は見られなかった。辛勝で何とか準決勝進出。森保監督の3-4-3のサッカーが機能するメンバーではないのではないか。布陣に囚われると、代表での戦い方にも不安を覚える。

 日本の先発は、前田をCFに岩崎と旗手の3トップ。CHの松本と渡辺、WBの長沼と杉岡もほぼレギュラー定着。そしてCBは立田を中に、右CB原、左CBには板倉が入った。マレーシアも同じ3-4-3。アハマドをCFに右FWラシッド、左FWアブドゥル・ラシドの3トップはなかなか強力だ。ザカリアを中に、タンとアズリンの3バックもしっかり守っている。中盤はバクティアとサファリ。右WBムハンマド・ガザリ、左WBイシャク。組織はしっかりしている。ピッチが悪い。

 日本は8分、左FW岩崎が仕掛けから気r返してミドルシュートを放つ。マレーシアも11分、右FWラシッドがうまく左WB杉岡をかわして前を向き、縦パスに走り込んだ左FWアブドゥル・ラシドが横に流して、ラシッドがミドルシュート。さらに14分、CBザカリアのFKを左CB板倉がヘディングではね返したボールを拾って、CHバクティアがミドルシュート。GK小島がナイスセーブする。

 パスはつなぐもののなかなか決定的なチャンスが作れない日本。それでも31分、右FW旗手のスルーパスにCF前田が走り込み、切り返しからシュートを放つが、枠の外。35分にはCH松本のスルーパスに走り込んだ右FW旗手がDFをかわしてシュート。しかしこれはGKナズリがファインセーブする。右FW旗手はアディショナルタイム47分にもドリブルからミドルシュートを放つが、枠を捉えられない。前半はスコアレスで折り返した。

 後半もパスをつなぐも、なかなか決定機が作れない日本。逆にマレーシアが守ってからのカウンターで攻めていく。12分、CFアハマドのドリブルから左に流して、FWラシッドがミドルシュート。わずかにポストの右。13分にも左FWアブドゥル・ラシドが中盤でドリブル。CH渡辺とCH松本をかわしてミドルシュートを放つ。局面ではテクニックもしっかりしているマレーシア。

 日本は次第に攻撃も停滞する。後ろでパスを回しても、マレーシアが前からプレスをかけてくる。15分にはFWラシッドが左サイドを駆け上がり、クロスを入れるが、ここは走り込む選手がいなかった。日本も16分、右WB長沼がゴール前にクロスを入れるが、走り込んだFW岩崎がうまくボールをコントロールできず。シュートも打てなかった。20分には左WB杉岡のクロスに右FW旗手が飛び込むが、届かない。ファーへ流れたボールを右WB長沼がシュート。DFのブロック。そしてGKナズリがボールをこぼすと、左FW岩崎がシュート。しかし枠を捉えられない。28分、左サイドをFW旗手が持ち上がり、クロスをCF前田が落として、駆け上がった左WB杉岡がシュート。しかしこれもGKナズリがナイスセーブした。

 31分、後半運動量の落ちたCF前田に代わり、高さもあるCF上田を投入する。直後のショートCKからCH渡辺のクロスに左CB板倉がシュート。GKナズリがセーブする。しかしこの後はマレーシアがペースを握る。32分、CFアハマドのスルーパスに左FWアブドゥル・ラシドのクロスにFWラシッド、さらにCBザカリアが滑り込むが、届かない。ファーに流れたボールをWBイシャクが拾って、クロスにCFアハマドがヘディングシュート。枠を外した。

 36分には右FWラシッドがFK。GK小島がファインセーブ。37分、右WBムハンマド・ガザリのミドルシュートはわずかにポストの左。38分、右FWラシッドのミドルシュートはポストを叩く。押し込まれる日本。攻撃陣の足が止まり出す。それでも39分、CH渡辺のCKのクリアをFW旗手がミドルシュートバーの上を越えた。日本はCKの精度も悪すぎる。ほとんどいいチャンスを作れない。このまま延長戦かと思った45分、CH松本からのスルーパスにCF上田が走り込むと、後ろから追いかけたCBタンが上田の背中を押す。バランスを崩して倒れる上田。笛が鳴った。PK。これをCF上田が決めて、ようやく日本が勝ち越した。

 アディショナルタイム、必死に反撃するマレーシア。46分、右FWラシッドがミドルシュート。47分、左FWアブドゥル・ラシドのスルーパスにCHサファリが走り込み、戻しのパスを右FWラシッドがミドルシュート。これはGK小島がナイスセーブ。さらに続くCKからCBザカリアがヘディングシュート。わずかにバーを越える。50分、右FWラシッドのFKも枠を捉えられない。そしてタイムアップ。1-0。主審の笛にも助けられて、何とか日本が勝利。準々決勝への進出を決めた。

 それにしてもゴールが遠い。左FW岩崎も右FW旗手も積極的に仕掛けたし、CF前田もよく走った。ピッチの悪さもボールコントロールに影響してシュートが打てない場面もあった。だが、やはり中盤からパスが出ない。マレーシアの守備の堅さもあったが、中盤とFWとの連携がもう一つできていない。早い時間にゴールが生まれれば、その後は守り切るだけの力はあるが、ゴールがないと厳しい。森保監督の3-4-3の場合、シャドーや中盤からのパス、WBからの仕掛けが重要になるが、どれもできていない。というか適性を持った選手が配されていないのではないか。次はサウジアラビア戦。中国相手に4-3で勝ち上がったサウジアラビアの勢いの前に撃破されてしまわないかと心配になる。