とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア大会女子準々決勝 日本対北朝鮮

 不甲斐ないゲームを重ねる男子に対して、女子なでしこはタイ戦、ベトナム戦と順調に勝利を重ね、決勝トーナメントに進出した。初戦の相手は何と北朝鮮。前回4年前のチャンピオン。昨年のE-1選手権でも敗戦した相手だ。しかしこの大会ではグループリーグで中国に負けて2位通過。決勝トーナメント初戦で日本と対戦することになった。日本は岩渕と田中の2トップ。右SH中島、左SH長谷川。この間のアメリカ遠征と同様、有吉をボランチに置き、左SBには阪口萌乃。CBは鮫島が三宅とともにコンビを組んだ。GKは山下。対する北朝鮮も4-4-2の布陣。FWはリヘヨンとキムユンミが並ぶ。

 序盤2分、左SBリウニョンのクロスのクリアをCHユジョンイムがミドルシュート。3分にはFWキムユンミがミドルシュート。前から積極的にプレスをかけてくる。日本も10分、PA手前で得たFKを左SB阪口萌乃が蹴るが、GKキムミュンスンが正面でキャッチする。日本はDFラインではパスをつなげるが、なかなかゴール前まで入っていけない。17分、FWリヘヨンから右に流し、右SHリヒャンシムがクロス。だがGK山下がキャッチした。21分には左SB阪口に右SBウィジョンシムがプレスをかけてボールを奪い、ドリブルからクロス。FWキムユンミがポストになって落としたボールをCHユジョンイムがミドルシュート。しかし枠を外した。

 25分過ぎてようやく日本が前に攻め込んでいく。26分、CH隅田のパスを受けて、左SH長谷川がドリブルからミドルシュート。そして40分、CH有吉のスルーパスに走り込んだ右SH中島がクロス。これはDFがヘディングでクリアしたが、続く中島のCKをファーサイドでFW田中南美がDF二人と競り合いながら折り返し、FW岩渕がシュート。日本が先制点を挙げた。43分にはFWリヘヨンがミドルシュート。前半は北朝鮮のプレスに苦しみつつも、冷静にゲームを作って、好機を決めた。技術的には日本の方が上。北朝鮮、恐れずに足りず。前半は日本の1点リードで折り返した。

 後半頭に日本はFW田中南美に代えて菅澤を投入する。北朝鮮もFWキムユンミに代えてソンヒャンシム。3分、FW岩渕がドリブルで駆け上がる。並走したFW菅澤に最後はパス。しかしシュートは右サイドネットに突き刺さった。惜しい。北朝鮮も4分、CHキムウンハがミドルシュート。7分には左SHキムピョンハに代えて右SBリキョンヒャンを投入。ウィジョンシムをCHに上げて、キムウンハが左SHに上がる。すると北朝鮮がさらに攻勢を強めてくる。11分、CHキムウンハのスルーパスにFWリヘヨンが走り込んだところを左SB阪口がナイスカバー。先に身体を入れてクリアする。そして17分、左SH長谷川の縦パスをFW菅澤が落とし、走り込んだ長谷川がミドルシュート。ネットに突き刺さる。日本が追加点を挙げた。

 北朝鮮もあきらめない。21分、右SBリキョンヒャンのパスからFWリヒャンシムのスルーパス。リキョンシムが走り込んでニアサイドにシュート。GK山下がファインセーブでストップした。さらに攻める北朝鮮。そして25分、PA内で競り合っていた左SB阪口の手が絡み、右SHリヒャンシムを倒してしまう。主審はPKを宣告。これをCBキムナムフィが決めて、北朝鮮が1点を返す。その間に日本は左SH長谷川に代えて籾木を投入した。

 28分、右SBリキョンヒャンのスルーパスにCHウジョンシムが抜け出してシュート。わずかにポストの左に外れる。日本も34分、左SH籾木の落としから左SB阪口がクロス。FW菅澤がシュートするも、GKキムミュンスンがセーブ。37分には左SB阪口のフィードにFW岩渕が抜け出して、最後はDFをかわしてループシュート。だがゴールに入らない。42分、右SHリヒャンシムのパスからFWソンヒャンシムがシュート。しかしふかしてしまう。日本もFW菅澤がミドルシュートを放つが、GKキムミュンスンがセーブ。2分のアディショナルタイムもしっかりと守り切り、2-1。日本が勝利。準決勝進出を決めた。

 アメリカ遠征ではひ弱さも感じた日本だが、この大会、このゲームではしっかりとゲームをコントロールしている。北朝鮮は寄せが早く、しかも手を使うことが多くて、何度も倒されそうになったが、それでも負けない読みとダッシュでパスカットをして奪い返していた。力強さを感じる。次の準決勝は韓国。次もしっかり勝利して、8年ぶりのアジア大会優勝を目指したい。