とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア大会決勝 韓国対日本

 期待はしていなかった。何と言っても、韓国はU-21で構成する日本と違い、U-23に3人のオーバーエイジ枠も使用。トッテナムで活躍するOHソンフンミン、ガンバのCFファンウィジョ、そしてW杯3試合でゴールを守ったGKチョヒョヌがメンバーに入っている。布陣は4-2-3-1。ファンウィジョをワントップに、トップ下ソンフンミンの右にはファンヒチャン、左SHにはファンインボムが入る。一方、日本は上田のワントップに岩崎と三好がシャドー。右WBには長沼が戻り、ボランチは渡辺と松本。三好が久しぶりに戻ってきた。

 序盤から韓国のプレスが早く、日本が押し込まれる展開。6分、CB板倉がドリブルで持ち上がるが、中盤でCHイジンヒョンに奪われ、OHソンフンミンのスルーパスに左SHファンインボムが抜け出して、クロスにCFファンウィジョが走り込む。が、わずかに届かない。7分にはCFファンウィジョが右CB原をかわしてシュート。9分、OHソンフンミンの落としから左SHファンインボムがつないで、CHイジンヒョンがミドルシュート。わずかにバーの上で助かった。

 さらに攻め込む韓国。15分にはCKの流れから、左SHファンインボムのスルーパスに右SBキムムンファンが走り込んで、クロスにCBチョユミンがシュート。これも枠を外した。日本は何とかクリアしはね返していくが、それがことごとく韓国に渡る。21分にはスローインで抜け出したOHソンフンミンの落としから、右SBキムムンファンがミドルシュート。23分、CHキムジュンミンのフィードにOHソンフンミンが抜け出し、CFファンウィジョがシュート。GK小島がナイスセーブする。球際で当たり負け。ルーズボールへの出足も韓国の方が速い。

 日本は24分、左CB板倉がドリブルで持ち上がってミドルシュートを放つが、これが日本の初シュート。それでもその後は日本がようやくボールを持てるようになり、パスを回して攻められるようになってきた。28分にはスローインから右FW三好がドリブル。そのまま切れ込んでシュートを放つ。GKチョヒョヌがナイスセーブ。その後も攻めるが、韓国の寄せが早い。38分にはOHソンフンミンのスルーパスに左SHファンインボムが抜け出し、クロスにCFファンウィジョがシュート。しかしこれも決めきれなかった。前半はスコアレスで折り返す。

 後半も韓国の当たりが強く、日本がもっぱら守る展開が続く。10分には久しぶりに日本が攻め込むが、CF上田がボールを奪われると、CBキムミンジェがドリブルで持ち上がり、OHソンフンミンがシュート。だがこれもGK小島がセーブする。なかなかゴールが挙げられない韓国は12分、CHキムジュンミンに代えて、ヴェローナで活躍する20歳イスンウを投入する。直後の13分、右FW三好がドリブルで抜け出すと、ミドルシュートはDFがブロック。15分には右SB長沼がボール奪って抜け出すと、クロスに左FW岩崎が走り込むが、DFにクリアされた。

 後半にも中盤を過ぎ、監督のプレスが弱まって、ようやく攻められるようになってきた日本。だが韓国は守備も堅い。19分にはCBチョユミンの縦パスに右ファンヒチャンが抜け出して、クロスにCFファンウィジョがシュート。わずかにポストの右に外れた。その後は互角の展開。40分にはカウンターでCH松本がドリブル。ミドルシュートを放つ。韓国もアディショナルタイム47分、ソンフンミンのCKにCBショユミンがヘディングシュート。しかしポスト左に外す。結局90分戦ってなおスコアレス。勝負は延長戦に移った。

 延長頭に日本は左WB杉岡を遠藤渓太に交代する。しかし延長前半1分、右CB原がフィードを蹴ろうとして足を滑らせ、パスはOHソンフンミンがカット。そのままドリブルからシュートを打たれる。さらに2分には右SBキムムンファンのクロスがバーを叩く。さらに左FW岩崎がボールを奪われ、OHソンフンミンのスルーパスに右ファンヒチャンがシュート。そして3分、韓国のCKの流れからCBキムミンジェの縦パスにOHソンフンミンが仕掛けて右に持ち出したボールをCHイスンウがシュート。これが決まり、ついに韓国が先制点を挙げた。

 その後は時間を使う韓国。日本は9分、右WB長沼に代えて初瀬を投入する。そして11分、OHソンフンミンのFKをファーサイドで右SHファンヒチャンがヘディングシュート。これが決まり、韓国が追加点を挙げた。右WB初瀬の頭上を折り返された。他の選手に比べ、必死さが今ひとつ見られないのが残念。アディショナルタイム16分にはCBチョユミンのフィードにCFファンウィジョが抜け出してシュート。だが右に外す。

 延長後半頭、左FW岩崎に代えて旗手を投入する。しかし3分、CFファンウィジョがミドルシュート。4分にはCHイスンウがミドルシュートと韓国の勢いが止まらない。日本はその直後、CH渡辺に代えて神谷を投入。布陣を4-4-2に代えて、初瀬を左SB。その前に左SH遠藤を置き、攻める。すると10分、初瀬のCKにCF上田がヘディングシュート。1点を返した。さらに11分にはCH松本のスルーパスにCF上田が抜け出す。しかしトラップをCBキムミンジュがクリア。これを決めていれば同点だった。その後は韓国もうまく時間を使ってタイムアップ。2-1。韓国が2大会連続の優勝を決めた。日本は銀メダル。

 負けたけど、若い日本代表は気持ちを出したプレーで90分間守り切った。攻撃力の高い韓国に対して108分間、無失点に抑えたことは評価したい。しかし攻撃の場面は数少なかった。延長後半、4バックにしてから1点を返したのは、攻撃力に関しては示唆するものがあったのではないか。韓国相手に3バックだからこそ守り切れたとは思うが、今後を考えると、相手によって布陣を変えることも考えられる。また、今回召集できなかった選手も多くいた。今回の結果は若い選手にとって大きな糧になっただろうし、森保監督が今後、日本代表、そして五輪代表の各チームをどう作っていくのか。これからも代表のゲームに注目していきたい。