代表戦もJ1リーグも、ヨーロッパ主要リーグも開催されていない週末でもJ2リーグはやっている。2位松本山雅と4位アビスパ福岡の上位対決。トリニータ、アルビレックスとJ1経験のあるチームに2連勝して4位に上がってきたアビスパに対して、山雅はこのところ2敗1分。首位もゼルビアに明け渡してしまった。アビスパは4-4-2の布陣。ドゥドゥと石津の2トップに、右SHユインス、左SH松田力。中盤は鈴木惇と枝村で構成。左SB輪湖、右SB古賀。CBは篠原とFC東京から移籍してきた吉本。GKは圍（かこい）だ。対する山雅はいつもの3-4-3の布陣。高崎のワントップにセルジーニョと山本大貴がシャドー。WBには左に若い石原、右はベテランの田中隼磨。ボランチを岩間と藤田で組んで、CBには右から飯田、櫻内、浦田が並ぶ。GKは守田が守る（こうやって書いてみると、二人のGKの名前、すごいな）。
前半2分、アビスパの右SHユインスがミドルシュート。4分にはFWドゥドゥが仕掛けてゴールに迫る。山雅も6分、CF高崎のミドルシュートはポスト右に外れる。お互い序盤は互角の展開。だがお互い負けられないゲームという気迫が伝わってくる。序盤はアビスパがやや優勢と思ったが、8分、左FWセルジーニョを起点に左WB石原がカットインからミドルシュートを放つと、次第に山雅のペースになってくる。18分、左FWセルジーニョのFKのクリアをCH藤田がミドルシュート。23分にはCH岩間がヘディングで前に送ったボールを左FWセルジーニョが胸トラップからボレーシュート。30分、左FWセルジーニョのFKは壁にブロックされる。
しかし30分過ぎるとまたアビスパが押し返していく。33分、左SH松田がドリブル突破からクロスをFWドゥドゥが落とし、CH鈴木惇がミドルシュート。続く鈴木のCKにCB吉本がシュート。GK守田がラインぎりぎりでファインセーブする。35分にはカウンターでFWドゥドゥが前に運び、FW石津がシュート。こぼれ球を拾ったCH鈴木惇がクロスを入れるが、走り込んだ左SH松田にわずかに合わなかった。39分、FW石津のミドルシュートはFWドゥドゥに当たりはね返る。44分には左SB輪湖のフィードに走り込んだFWドゥドゥが切り返してシュート。だがこれもDFがブロック。山雅の守備は堅い。アディショナルタイム、左FWセルジーニョのミドルシュートがあったが、これも枠を捉えられない。前半はスコアレスで折り返した。
後半1分、右SB古賀のアーリークロスのクリアをFW石津が収めてクロス。だがこれもはね返されると、今度は左SB輪湖のクロスからCH枝村、FW石津とつないで、左SH松田がシュート。しかしこれもDFがブロック。山雅の守備を崩せない。4分にはCH鈴木惇のCKのこぼれを右SHユインスがミドルシュート。後半序盤からアビスパが積極的に攻めていく。山雅も8分、左FWセルジーニョのCKにCF高崎がヘディングシュートを放つが、枠の外。後半は押し込まれる展開が続く。
アビスパは17分、FW石津に代えてレオ・ミネイロを投入。すると20分、左WB石原のバックパスに対してFWレオ・ミネイロの方が速い。何とかDFがブロックした。27分にはCH鈴木惇のCKのこぼれ球をFWドゥドゥが蹴り込んでネットを揺する。だが、直前にCB吉本が競り合ってDFを倒しファール、ゴールは認められない。28分には山雅も右FW山本に代えて中美を投入。さらに32分、アビスパは左SH松田に代えて右SH城後。ユインスを左SHに回す。山雅もCF高崎に代えてジネイを投入する。
34分、左SB輪湖のクロスに左SHユインスがヘディングシュート。ポストのわずか右に外れる。37分、CH鈴木惇の縦パスを左SHユインスが落とし、FWドゥドゥがシュート。しかし枠を捉えられない。山雅は41分、左FWセルジーニョに代えて岩上を投入する。残り時間も少なくなって、守りを意識した交代か。しかしアビスパの攻撃は続く。42分、FWドゥドゥのクロスのクリアをFWレオ・ミネイロがシュート。GK守田がはね返す。左SHユインスのシュートもDFがブロック。さらに左SB輪湖がシュートを放つが、これもGK守田がファインセーブ。ゴールを許さない。
そしてアディショナルタイム46分、自陣からの長いFKを岩上が蹴ると、これにCFジネイが競り勝ってのヘディングシュート。これが決まり、ついに山雅がリードした。その後はアビスパも必死の反撃。だが時間はあっという間に過ぎていく。最後、FWレオ・ミネイロのロングスローから47分に投入されたCH山瀬がシュートを放つが、GK守田がセーブ。そしてタイムアップ。1-0。後半アディショナルタイムのゴールで山雅が勝利した。
上位チーム同士らしい気迫のこもったゲーム。アビスパは攻守にバランスが取れた好チームで、CHキャプテンになった鈴木惇を中心によく山雅を攻めていたが、最後まで山雅の守備が堅かった。ミッドウィークには3位横浜FCとのゲームがある。今度こそ勝利して、昇格圏内に食らいついていきたい。積極的に補強して、いいチームになってきたという印象。今季のJ2は各チームに特色があって面白い。そして上位は団子状態。どのチームが抜け出しても不思議ではない。残り10試合を切って、J2もいよいよ昇格を目指したリーグ終盤に入っていく。
