とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第27節 浦和レッズ対ヴィッセル神戸

 日曜開催のJ1レッズ対ヴィッセル戦を観た。イニエスタの出場を期待して完売・超満員となった埼玉スタジアムだが、残念ながらイニエスタは体調不良で欠場。だがまだポドルスキがいる。3連敗というこのところの不振を受けて、吉田前監督からリージョ新監督に交代。と思ったら、今節は林コーチが代行すると言う。それでもスタジアムにはリージョ新監督が三木谷社長と並んで観戦している。グアルディオラが師と仰ぐというリージョ監督はどんなサッカーを見せてくれるのか。その片鱗でも見られればと期待した。布陣は3-5-2。FWは長沢とウェリントンと高さのある二人を並べ、トップ下にポドルスキと郷家。左右のWBに高橋峻希と三田が開き、3バックは右から渡部、大崎、橋下が並ぶ。対するレッズはいつもの3-4-3。ボランチに青木と長澤が入り、シャドーに柏木と武藤。ワントップは当然、興梠。

 序盤、レッズがボールを支配して攻めていく。対してヴィッセルは5バックにして落ち着いた守り。レッズもヴィッセルの新布陣に戸惑いつつ、様子を探った。そして19分、CB槙野が積極的にドリブルで上がると、右WB高橋峻希に倒されて、PA前でFKを得る。左IH柏木のFKにCB槙野がヘディングシュート。だが左に外す。ヴィッセルも21分、右WB高橋のクロスから右IH郷家がシュート。しかしDFがブロックする。そして23分、左FW柏木のクロスのクリアを左IHポドルスキとCH長澤が競って、こぼれたところをCH青木がミドルシュート。レッズが先制点を挙げた。

 ヴィッセルも反撃する。32分、CH藤田のロングスローでゴール前の混戦。FW長沢がキープするが、クロスはクリア。ゴール前にいい形で入っていけない。するとゲームは再びレッズのペースへ。36分左FW柏木の落としを左WB宇賀神が縦へ。右FW武藤のスルーパスに左FW柏木が走り込んでクロス。DFにブロックされて帰ってきたボールを切り返しからシュート。これもDFにブロックされゴールはならなかったが、自陣からきれいな形でパスをつないで、シュートまで持っていく。40分には右CB岩波のクロスにCF興梠がヘディングシュート。そして42分、左FW柏木の絶妙の縦パスにCF興梠がCB渡部をかわして、足を伸ばしてシュート。まさにホットライン。二人だけの芸術的なプレーで追加点を挙げた。2-0。前半はこれで折り返した。

 後半もレッズがゲームを支配する。そして8分、右WB橋岡のミドルシュート。DFのブロックをいったんは右FW武藤が拾ったが、すぐに右WB高橋峻希に奪い返され、しかし切り返したところで痛恨のミス。武藤に奪われ、ループシュート。これが決まり、レッズが早くもダメ押しの3点目を挙げた。その後はレッズのプレスも早く、ヴィッセルは何もできない状況が続く。

 9分、ヴィッセルはFW長沢に代えて左SH古橋を投入。布陣も4-2-3-1に変更。三田をCHに移し、ポドルスキがトップ下。郷家は右SHに移る。18分、CH藤田のCKに左SB橋本がヘディングシュート。20分、CH三田のCKにCFウェリントンがヘディングシュート。だがいずれも枠を外す。ポドルスキが中盤まで下がってパス回しに参加するが、レッズのプレスに前線までボールを運べない。28分には右SB高橋峻希に代えて藤谷を投入。30分、CH藤田のCKにOHポドルスキがヘディングシュート。これもポスト右に外す。

 すると31分、右FW武藤の縦パスにCH長澤が走り込む。DFがブロックしたこぼれ球を左FW柏木が拾って、右サイドからクロス。これに長澤が走り込んでヘディングシュート。レッズが4点目。あとはレッズが守備固め。32分、CH長澤に代えて阿部。36分、左FW柏木に代えて柴戸。39分にはCF興梠に代えて李忠成を投入する。38分にはCB槙野が強烈なミドルシュート。GKキムスンギュがファインセーブする。アディショナルタイム46分にはOHポドルスキのFKにCFウェリントンが飛び込み、ヘディングシュートを放つが、これもポストの右。結局このままタイムアップ。4-0。レッズの完勝だった。

 2点目のCF興梠のゴールなど、レッズの攻撃が見事だったということもあるが、ヴィッセルに元気がない。イニエスタの不在も大きいが、戦術イニエスタ以外に見るべき攻撃がない。だからこその監督交代なのだろう。すぐに結果が出るとは思わないが、次節はホームに戻ってのアントラーズ戦。リージョ新監督がどんなサッカーを見せてくれるのか。今節のゲームがあまりに不甲斐なかっただけに、リージョ監督への期待がさらに高まる。