とんま天狗は雲の上

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ACL準決勝第1レグ 鹿島アントラーズ対水原三星ブルーウィングス

 Jリーグではやや苦戦してきたアントラーズだが、このところ3連勝。ついに3位まで上がってきた。一方、ACLは順調に勝ち上がり、準決勝まで上がってきた。土曜日のJリーグ第28節ではコンサドーレを5-0と一蹴。その勢いで水原三星に挑む。実はこの2チーム、グループリーグでも同じグループで、水原が1位抜け、アントラーズが2位抜け。だがお互いの対戦結果は1勝1敗。いよいよ準決勝で勝負をつける。

 アントラーズコンサドーレ戦から先発を6人入れ替えて臨んだ。FWは鈴木優磨とセルジーニョ。中盤は右SH遠藤に左SH安倍。ボランチは永木と三竿。そしてDFは右から内田、チャンスンヒョン、犬飼、山本と並べる。ACLにレギュラー陣を揃えてきた。一方の水原は4-3-3の布陣。中盤はチョソンジンをアンカーに右IHパクジョンウと左IHサリッチ。FWはダムヤノビッチをワントップに、右FWイムサンヒョプ、左FWヨムギフン。

 水原が序盤から積極的に攻めてきた。2分、右からのCKにCBクジャリョンがニアでヘディングをすると、右SB内田篤人に当たって、ボールはゴールに転がり込んだ。オウンゴールで水原が先制点を挙げた。さらに攻める水原は6分、左SB山本修斗にプレスをかけると、クリアが右FWイムサンヒョプに当たり、中にこぼれる。これをCFダムヤノビッチが拾い、CH永木をかわしてシュート。GKクォンスンテがクロスを予想して前に出たところでニアを抜かれた。あっという間の追加点。アントラーズは前半6分で2点のビハインドを負うことになった。

 リードした水原は守備時にはアンカーのチョソンジンが下がって5バック気味になって守る。13分、FWセルジーニョアントラーズ最初のシュートを放つが、直後には水原の左FWヨムギフンのクロスからCFダムヤノビッチがシュート。これは右SB山本修斗がブロックする。そして21分、右SH遠藤康の落としをCH永木がドリブルから中へつなぎ、FWセルジーニョのクロスにFW鈴木優磨がヘディングシュート。しかしその前でクリアしようとした右SBチャンホイクがヘディング。オウンゴールアントラーズが1点を返した。

 27分にはFWセルジーニョのドリブルから左SH安倍がミドルシュート。しかしDFのブロックが入り、枠の外へ。30分にはCH永木のCKにFW鈴木優磨がヘディングシュートを放つが、これもわくを外す。その後も攻めるアントラーズだったが、水原の守備も堅い。なかなか決定機が作れないまま、時間が過ぎる。そして44分、右SBチャンホイクのクロスがこぼれたところを左FWヨムギフンがミドルシュート。GKクォンスンテと右SB内田が必死にクリア。こぼれたボールを追いかけてGKクォンスンテが何とか胸に収める。その競り合いの中でGKクォンスンテが右FWイムサンヒョプに頭突き。イエローカードをもらってしまう。前半はこのまま2-1、水原リードで折り返した

 後半1分、FW鈴木優磨のスルーパスに右SB内田が抜け出す。後ろから左SBイキジェが押して、内田が飛んだ。ように見えたが、主審はPKを取らない。微妙なプレーでシミュレーションを取られてもおかしくない。その後もアントラーズが一方的に攻めていく。9分、FWセルジーニョのスルーパスに走り込んだ右SB内田のクロスのクリアから、左SH安倍がミドルシュート。11分には左SH安倍を安西に交代する。

 20分、水原は右IHサリッチのパスに右FWヨムギフンが走り込み、クロスのこぼれがCFダムヤノビッチに当たってこぼれて左FWイムサンヒョプがオーバーヘッドシュート。しかしGKクォンスンテがナイスセーブする。26分、水原が左FWイムサンヒョプに代えてハンユキョンを投入すると、アントラーズも27分、CH永木に代わってOH土居を投入。中盤をダイヤモンド型にして攻めていく。27分、FWセルジーニョの落としから左SH安西がクロスを入れるが、右SH遠藤が今一つ間に合わない。36分、水原の左SBイキジェがミドルシュートを放つと、アントラーズもFWセルジーニョミドルシュートを放つ。

 38分にはミスが多く、今一つ乗り切れなかった右SH遠藤に代えて西を投入する。水原も右IHパクジュンウに代えてチェソングンを投入。すると直後の39分、FW鈴木がポストに入って右に落とすと、右SH西のクロスにFWセルジーニョがシュート。ついにアントラーズが同点に追い付いた。42分には左SH安西がFW鈴木とのワンツーからミドルシュート。だがバーに弾かれた。

 水原も44分、右IHハンユキョンミドルシュート。しかしCBチョンスンヒョンが足を伸ばして、わずかにポスト右に外れる。ナイスプレー。後半、CBチョンスンヒョンに存在感があった。45分には右SB内田のクロスにFWセルジーニョがオーバーヘッドシュート。だがこれは枠を捉えられない。そしてアディショナルタイム48分、中盤右サイド深い位置からのFKをFWセルジーニョが蹴ると、飛び出したGKシンファヨンのクリアしたボールを右SB内田が拾いミドルシュート。DFに当たって戻ってきたボールを再び内田がシュート。これがDFに当たってゴールに飛び込んだ。何と劇的な逆転ゴール。そしてタイムアップ。ACL準決勝第1レグはアントラーズが劇的な逆転勝利を挙げた。

 同点のまま終わっていれば、第2レグで勝利が必須なところ、これで引き分け以上なら決勝進出が可能となる。実に大きな逆転ゴール。しかも2点ビハインドからの逆転。これは大きな自信になる。そして逆転ゴールを挙げたのは内田篤人ACL勝利のためにドイツから帰ってきた男が大きな仕事をした。第2レクまでの間、アントラーズマリノスとのルヴァン杯準決勝とJリーグが2ゲーム。フロンターレ戦とレッズ戦。厳しいゲームが続くが、この勝利はそれらを振り払って余りある勢いを得た。Jリーグの戦いにも影響する勝利だ。