とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第29節 サンフレッチェ広島対柏レイソル

 ついに前節、首位から滑り落ちたサンフレッチェ。リーグ戦はこのところ2敗1分。天皇杯でも敗退して、4試合で得点はわずか1。深刻な得点不足に陥っている。そして今節の相手はレイソルレイソルもここ4試合、3敗1分。この間、毎ゲームでゴールを記録しているものの、3失点も3試合。こちらは失点が問題だ。だがこのゲームを左右したのは、台風25号による強風。コイントスに勝利したレイソルがサイドを変更して川上を選択した。この選択が功を奏した。クリスティアーノのナイスジョブ! サンフレッチェはパトリックと工藤の2トップ。あとはいつもの先発メンバー。対するレイソルはオルンガと瀬川の2トップ。クリスティアーノは左SHに入り、ボランチは大谷と小泉。CBに2年半ぶりにスペインから戻ってきた鈴木大輔が入った。GKは桐畑。

 ピッチに吹き付ける風がかなり強い。コーナーフラッグも傾いて、高いボールは途中で戻ってきてしまう。レイソルが攻めるが、思うようにならず、お互いミスが多い。19分、FWオルンガのグラウンダーのシュートはGK林がキャッチする。そして23分、左SHクリスティアーノのCKをGK林がパンチング。しかしこれを右SH伊東がスライディングしながらのダイレクト・ボレー。これがネットに突き刺さり、レイソルが先制点を挙げた。25分には右SB小池のクロスをFW瀬川がヘディングシュート。そして27分、サンフレッチェのゴール前でルーズになったボールをCB水本がヘディングクリア。しかしまたも右SH伊東がワンバウンドさせてのハーフボレー。レイソルが追加点を挙げた。

 31分、左SH柏のスルーパスにCH青山が走り込み、クロスを入れる。DFにクリアされたが、サンフレッチェがようやく初めて攻めの形を作った。しかし35分、CH青山の縦パスをDFがはね返すと、右SH伊東が受けて中へパス。左SHクリスティアーノのスルーパスにFWオルンガが抜け出してシュート。レイソルが3点目を挙げた。直後の36分、サンフレッチェはFW工藤に代えてティーラシンを投入する。

 サンフレッチェは押し込まれた状況から長いボールを前線に送るが、風の影響で正確にコントロールできず、FWに収まることなくDFがクリアする。その繰り返し。一方、レイソルはロングボールがFWに収まる。37分、FWオルンガの落としをFW瀬川がミドルシュート。DFがはね返したボールを右SB小池が拾い、つないでもう一度FW瀬川がシュート。GK林がナイスセーブ。40分にはCH青山のミスキックを拾ったFWオルンガの落としをFW瀬川が戻して、CH大谷がミドルシュートレイソルPA手前から積極的にミドルシュートを放っていく。アディショナルタイム47分、ようやくCH青山のフィードがつながって、FWパトリックの落としから左SH柏がミドルシュート。DFのブロックを今度はCH稲垣がミドルシュートを放つが、これもDFがブロックした。前半はこのまま3-0、レイソルのリードで折り返した。

 前半は風上に立ったレイソルが3点をリード。ではサンフレッチェも風上に立つ後半にゴールを重ねたい。5分には左SH柏のクロスのこぼれをFWティーラシンがミドルシュート。さらにDFのブロックをFWパトリックがシュートするが、これもDFがブロックした。レイソルがゴール前で密集を作る。そして押し込まれた状況からカウンター。FW瀬川がドリブルで運び、FWオルンガのクロスに右SH伊東がシュート。何とかGK林がナイスセーブではね返した。川下のレイソルはドリブルでボールを運び、パスも短い。一方、サンフレッチェはゴール前にクロスを放り込み、FWパトリック等が競り合う。8分にはレイソルゴール前の混戦からFWティーラシンが落とし、右SH柴崎がミドルシュートを放つがポスト左に外した。

 17分、サンフレッチェは右SH柴崎に代えて川辺を投入する。19分、右SB和田のクロスに左SH柏がヘディングシュート。しかしポストの右。21分には早くも3人目の交代。右SB和田に代えてFWベリシャを投入。柏が右SBに下がり、青山のワンボランチ。稲垣が右SHに上がり、川辺が左SH。ティーラシンがトップ下に入る4-1-3-2。22分には右SB柏のクロスにFWパトリックがヘディングシュートを放つが、GK桐畑がキャッチした。

 27分、FW瀬川に代えてCB中山を投入。CBを3人にして守備を固める。サンフレッチェはサイドチェンジでレイソルを崩そうとするが、これが風の影響でズレる。ゴール前に放り込んでもレイソルのDFが厚い。30分、CB水本に右SH伊東が競って、こぼれたボールをCFオルンガがつないで左SHクリスティアーノがシュート。GK林がナイスセーブした。残り10分、サンフレッチェが必死に攻める。37分、右SB柏のクロスをFWパトリックがヘディングで叩き付けるが、GK桐畑がセーブした。39分には右SB柏のクロスをFWパトリックがヘディングでつなぎ、右SH稲垣の落としから左SB佐々木がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。44分、FWパトリックのシュートはポストにはね返される。アディショナルタイムにも左SH川辺のクロスにFWパトリックがヘディングシュートを放つが、枠を外した。結局このままタイムアップ。レイソルが前半に挙げた3点を守り切って、3-0。久しぶりの勝利を飾った。

 風が大きく勝負に影響した。前半川上の選択が大正解だったが、風の中の戦い方でもレイソルの方が勝っていた。ドリブルでボールを運び、グラウンダーのパスでボールをつないで攻めたレイソル。もちろん伊東のボレーシュートも見事だった。一方、サンフレッチェはこれまで勝利を挙げてきた戦い方にこだわった。パトリックを狙う長いボール。サイドチェンジで相手を崩すはずが、風の影響でパスがずれてつながらず、攻撃を自ら寸断した。これでは勝利はない。首位にふさわしい戦い方でもない。結局そこまでの実力だったということか。ここからどう立て直していくか。城福監督の手腕が問われる。