とんま天狗は雲の上

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UCLグループH第3節 マンチェスター・ユナイテッド対ユベントス

 プレミアリーグでは10位ながら、ニューカッスル戦の逆転勝利、前節のチェルシー戦も土壇場で引き分けに持ち込まれたが、次第に調子を上げている様子がわかる。UCLで迎え撃つのはユベントスユベントスは今季、クリスティアーノ・ロナウドを迎えて絶好調。前節、ジェノアと引き分けるまではセリエAで7連勝。今季も早くから首位を独走している。クリスティアーノ・ロナウドが加入してチームはどうなったのか。今季初めてユベントスのゲームを観る。

 マンUの先発と布陣は前節のチェルシー戦と全く同じ。ルカクのワントップにマタがトップ下、マティッチとポグバは横並びのダブルボランチで先発した。対するディバラはマンジュキッチケディラがケガで欠場。ディバラのワントップに、右SHクアドラードクリスティアーノ・ロナウドは左SHで先発した。中盤はピアニッチをアンカーに、右IHベンタンクール、左IHマテュイディ。CBはボヌッチキエッリーニのベテランに、右SBジョアン・カンセロ、左SBアレックス・サンドロ。GKにはパリ・サンジェルマンに移籍したブッフォンに代わり、シュチェスニーが先発した。

 序盤、マンUが積極的に攻めていったが、ユベントスがうまく攻撃をかわすと、次第にユベントス・ペースになっていった。13分、CFディバラから右に展開し、右SGクアドラードのクロスにディバラがヘディングシュート。マンUも16分、右SBアシュリー・ヤングのFKからCHポグバがヘディングシュートを放つが、GKシュチェスニーが難なくキャッチする。そして17分、CHピアニッチから右に展開すると、右SBカンセロの縦パスに、右サイドに走り込んでいたクリスティアーノ・ロナウドがクロス。右SHクアドラードが走り込んで、こぼれ球をCFディバラがシュート。ユベントスが先制点を挙げた。

 ユベントスはCFディバラが自由に動き、クリスティアーノ・ロナウドクアドラードも頻繁にサンドチェンジする。流動的に動いて、かつバランスを崩さない。マンUルカクのがんばりやマタの技巧、ヤングの駆け上がり、ポグバの強さなどで攻めようとするが、ユベントスはそれほどがんばるでもなく、バランスよくかわし、パスをつないでいく。22分、右SBカンセロの縦パスをSHロナウドが落とし、カンセロがミドルシュート。GKデヘアがナイスセーブ。30分にはCHピアニッチのCKに右IHベンタンクールがヘディングシュートを放つ。

 30分過ぎ、攻めるマンUに対して、ユベントスのCBキエッリーニボヌッチが読みよく、クリアする。38分、左SHクリスティアーノ・ロナウドのブレ球FKをGKデヘアが弾くと、左IHマテュイディボレーシュート。これもGKデヘアがナイスセーブで弾き出すと、右SHクアドラードのクロスに左IHマテュイディがヘディングシュート。41分にはCBボヌッチの縦パスのクリアを右IHベンタンクールがミドルシュート。さらに42分にはCFディバラがミドルシュート。前半はユベントスの1点リードで折り返した。

 後半はマンUが前半以上に積極的に攻め上がる。4分、OHマタのフィードに左SHマルシャルが抜け出すが、CBボヌッチがクリア。7分、右SHクアドラードのクロスから左SHクリスティアーノ・ロナウドミドルシュート。だがこれをGKデヘアがビッグセーブ。弾き出す。その後もマンUが攻めるが、ユベントスの守りは堅い。30分、CHポグバのミドルシュートが左ポストに当たり、横っ飛びしたGKシュチェスニーの肩に当たってラインを割った。ユベントスは33分、CFディバラに代えてベルナルデスキ、36分には右SHクアドラードに代えて右SBバルザーリを投入する。39分、CFルカクのシュートはDFがブロック。40分、OHマタのFKにCHマティッチがヘディングシュート。だがGKシュチェスニーがキャッチする。

 42分には右SHカンセロに代えてFWドウグラス・コスタを投入。クリスティアーノ・ロナウドと並べて4-4-2。ベンタンクールとピアニッチを並べてダブルボランチ西、マテュイディは左SHに出す。45分、左SHマルシャルがドリブルからミドルシュートを放つも、GKシュチェスニーがナイスセーブ。そしてタイムアップ。ユベントスが前半の1点を守り切り、1-0と勝利した。これでUCLも3連勝。全く危なげのない勝利。完勝だった。

 ユベントスの完成度は高い。クリスティアーノ・ロナウドがどんなプレーをするかと期待したが、すっかりチームに溶け込んで、けっして一人目立ちすることなく、一つの駒としてプレーしていた。FWとしてはディバラやクアドラードの方が目立っていたくらい。そしてキエッリーニボヌッチのCBコンビが効いている。常に先読みして落ち着いてプレーし、危なげない。アンカーのピアニッチも幅広く展開するだけだが、ピッチ全体を使ってマンUにサッカーをさせなかった。なるほど。今季公式戦無敗もむべなるかな。ユベントスの勝利の哲学を堪能したゲームだった。