とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ゴメンと言った方が勝ち?

 「施す愛、受け取る愛」では、「『受け取る愛』に専念しよう」と宣言したわけだが、その後の状況に特に変化はない。この記事では、お見舞いを「受け取ることで、彼女らの自己満足に貢献している」とも書いた。「受け取るよりも与える方が幸せ」なのは当たり前。だが、ただ受け取ってばかりだと「弱者に押し込められるような気持になって」辛い。「自己満足に貢献している」とは要するに、彼女らに優越心を「与えている」。受け取るもの、与えるものは、目に見える「モノ」だけではなく、負い目や優越心などの「ココロ」もやり取りをしているのだ。

 先日、妻と喧嘩をした。また、と言ってもいい。ちょっとした勘違いや行き違いがあって、「ゴメンネ」と声高に言うと、「心からゴメンとは思ってない。口先だけ」と言う。「ホントに謝っているんだけど」と思いつつ、いやこれは、「謝罪という気持ちを押し付けようとしている」のかもと思った。謝ることで相手よりも優位に立とうとしている。でも、謝られた側がうっかりその謝罪を受け入れてしまったら、今度は受け取った側が弱者になる。だから「それは本当の意味の謝罪ではない」。

 娘とはしばしば、「ゴメン」「私の方がゴメン」「なんでゴメンって言うの。私の方がゴメン」とお互いに謝罪をしつつ、いつしか喧嘩になり、お互い不機嫌になるということがしばしばある。これも同様。ゴメンは相手を優位に立たせるようでいて、実は精神的には劣位に立たせる言葉かもしれない。よく自動車事故などで、「先に謝ってはダメ」と言うけれど、「先に謝られてもダメ」なんじゃないか。褒めるというのも実は同じことかもしれない。褒めることで相手の上位に立つ。褒められた側は「ほめてんじゃねえよ」と悪口を叩く。これもよくあるシチュエーション。コミュニケーションって、難しい。