とんま天狗は雲の上

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クラブワールドカップ準々決勝 鹿島アントラーズ対グアダラハラ

 勝てばレアル・マドリードとの対戦が期待されるアントラーズだが、今季のアントラーズACLでは優勝したものの、Jリーグ等で圧倒的な強さを見せてきたわけではない。巧さや強さではなく、勝負強さ、粘り強さでここまで来た。そしてそれを象徴するようなゲームとなった。アントラーズは鈴木優磨と三竿がケガで出場できず、FWにはセルジーニョと土居。ボランチは永木とレオシルバが入り、左SHにはケガから癒えたレアンドロが先発した。右SBは内田篤人。対するグアダラハラも4-4-2の布陣。メキシコ代表が多い在籍しているとのこと。両SHブリスエラとロペス、そして2トップはサルディバルとブリード。いずれも速く巧く、攻撃力が高い。

 序盤、メキシコのグアダラハラが積極的に攻めていく。そして3分、右サイドハーフライン付近から右SHブリスエラがDFをかわして前を向きドリブル。左SB山本もかわしてクロスにFWサンディバルがヘディングシュート。グアダラハラが先制ゴールを挙げた。速い。巧い。アントラーズが慌てて寄せていっても、グアダラハラの選手はヒラリとかわしパスをつなぐ。ドリブル突破を見せながらのパスは効果がある。アントラーズは序盤から受けに回った。9分、CHペレスのミドルシュートはCB昌子がブロック。アントラーズも13分、右SH遠藤のクロスから左SHレアンドロミドルシュートを放つが、GKグディーニョがキャッチ。前半はなかなか攻めていけない。

 32分、FW土居のミドルシュートもDFがブロック。前半終盤にはさらにグアダラハラの攻勢が強まる。33分、左SHロペスのCKにCBマリンがヘディングシュート。34分、左SHロペスのクロスにFWサンディバルが飛び込むが、ぎりぎりDFがクリア。CBチョンスンヒョンが再三の攻撃をはね返す。40分には左SBポンセのロングスローを左SHロペスが落とし、FWサンディバルがシュート。GKクォンスンテがファインセーブ。42分、右SHブリスエラがDFをかわしてシュート。だがサイドネットに外す。アディショナルタイムにもGKクォンスンテのフィードを左SHロペスがカットし、クロスにCHビネダがミドルシュート。わずかにバーの上。45+4分にも右SHブリスエラがドリブルからミドルシュート。サイドネットを叩いた。前半は圧倒的に押されたが、CBチョンスンヒョンとGKクォンスンテの韓国勢コンビの奮闘もあって、何とか1点だけで前半を折り返した。

 アントラーズは後半頭から左SHレアンドロに代えて安部を投入する。しかし後半序盤はグアダラハエラの勢いが止まらない。4分、左SHロペスがミドルシュート。しかしこれをGKクォンスンテがキャッチすると、GKクォンスンテのフィードをFWセルジーニョがポストになって左に展開。FW土居が走り込み、クロスにCH永木がシュート。グアダラハラのゴールネットを揺らした。アントラーズが同点に追い付いた。

 だがグアダラハラもすぐに反撃する。10分にはFWブリードのFKにCBマリンがヘディングシュート。12分にも左SHロペスのFKにCBペレイラがヘディングシュートを放つ。さらに16分、右SHブリスエラのパスからFWブリードがミドルシュート。GKクォンスンテがナイスセーブで弾き出す。すると24分、右CB内田の縦パスを右SH遠藤が落とし、右SB内田の縦パスにFW土居がPA内に侵入。ドリブルでDFをかわそうとしたところを、後ろから走り込んできたCHペレスが足を蹴って倒してしまう。PK。これをFWセルジーニョが決めて、なんとアントラーズが逆転した。

 前半あれだけ押しながら逆転されたグアダラハラは26分、左SHロペスに代えてサンドバルを投入。アントラーズも35分、FW土居に代えて左SH安西を投入。安部をFWに上げた。そして39分、左SB山本が自陣で相手パスをカットすると、左SH安西がドリブル。左サイドに下がったFW安部とのワンツーでさらに前進すると、内側に走り込んだFW安部にパス。安部が狙い澄ませたミドルシュートを決めた。アントラーズが3点目。この時間帯、グアダラハラの寄せが緩く、フリーになったFW安部にCBペレイラが慌てて寄せていったが、間に合わなかった。

 直後の40分、グアハラダラはCHビネダに代えてゴディネスを投入。アントラーズも42分、右SH遠藤に代えて西をFWで投入。安部が右SHに回った。45分、右SH安部がDFに囲まれながらも中へパス。FWセルジーニョが走り込み戻すと、左SH安西がミドルシュート。GKグディーニョがナイスセーブ。さすがに4点目は許さない。アディショナルタイム1分にはFWブリードのクロスにCHゴディネスがヘディングシュート。GKクォンスンテがビッグセーブ。クリアを再びFWブリードが拾うと、CHペレスがミドルシュート。だがGKクォンスンテがキャッチした。

 粘り強く守るアントラーズ。だが45+4分、FWサンディバルの仕掛けにCBペレイラが上がってドリブルで進むと、左SB山本がPA内で倒してしまう。いったんは流した主審だが、VARを要求。確認の上、PKを宣告した。これをFWブリードが蹴る。だがGKクォンスンテがセーブ。はね返りにブリードが走り込むところにCB昌子が飛び込む。だが自陣ゴールへ蹴り込んでしまった。オウンゴール。3-2。45+5分にもグアハラダラ中盤からのヘディングにFWサンディバルがPA内に走り込んだが、CBチョンスンヒョンがブロック。これで得たCKにGKグディーニョがヘディングシュートするも、わずかにバーの上。そしてタイムアップ。最後はグアダラハラの反撃を浴びたが、粘り切っての勝利。アントラーズが準決勝進出を決めた。

 内容的にはグアダラハラの方が上回っていたかもしれない。特に前半。しかし先取点を与えた後はしっかりと対応し、粘り強く守り、グアダラハラのプレスが弱くなった後半に隙を狙っての組織的なカウンター。結果的に安部の3点目のミドルシュートが勝利を呼び込んだ。その点では前半粘り強く守りながら相手を観察し、後半、若い安部や安西投入してゲームを決めた大岩監督の采配も功を奏した。次はいよいよレアル・マドリード。一昨年のCWC決勝以来の再戦の機会がやってきた。雪辱というのも難しいだろうが、一昨年の経験もあるから、今さら気後れすることもないだろう。思い切ってプレーして面白いゲームを見たい。楽しめ、アントラーズ