とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア杯 ベスト16 日本対サウジアラビア

 グループリーグを1位通過したものの、決勝トーナメント初戦の相手は早くもサウジアラビア。オーストラリアとどちらがよかったかはわからないが、日本にとって幸いなのはグループリーグ第3戦でターンオーバーの選手起用をし、中7日と十分休養をとることができたこと。武藤以外はオマーン戦先発の選手が先発した。気温も23度。もっと楽なゲームになるかと思ったが、豈計らんや、実に苦しいゲームだった。しかしよく戦った。よく守った。実に熱いゲームだった。サウジアラビアの布陣は4-1-4-1。オタイフをアンカーにワントップはムワラド。ちなみにサウジアラビアの選手名はNHKに合わせて記載した。

 序盤、サウジアラビアが攻勢をかけてくる。1分、FKのクリアから左IHムガフィのクロスにCBファティルがヘディングシュート。その後もサウジがパスをつないで攻めてくる。日本も7分、GK権田のフィードをFW武藤が落として、左SH原口がクロス。FW南野の落としから右SH堂安がボレーシュートを放つ。しかしサウジの勢いは止まらない。12分、左SBシャハラニのクロスのクリアを右IHビシがミドルシュート。CB吉田が身体を張ってはね返す。14分には右IHビシのFKに左IHムガフィがヘディングシュート。枠を外す。

 押し込まれた日本だったが、落ち着いて対応すると、20分、CH柴崎のCKにCB冨安がヘディングシュート。これが決まり、日本が先制点を挙げた。その後は日本がペースを取り戻す。29分、CB冨安から右に展開。右SB酒井のクロスははね返されたが、すぐにCH柴崎が奪い返し、右に流して、右SH堂安がクロス。DFに当たってゴール前に流れたボールにFW武藤が飛び込む。ここはGKオワイスがキャッチしたが、日本も積極的な攻め。だがまたサウジアラビアが攻め返す。35分、CFムワラドの仕掛けからこぼれ球を右SHバヘブリが落として右IHビシ。だがFW南野が戻ってきてカットする。しかしこのボールがバヘブリのところへこぼれて、バヘブリがミドルシュート。わずかに左に外れた。その後もサウジの攻勢をCB冨安と吉田がことごとくはね返す。前半は1-0のまま折り返した。

 しかし後半も序盤、サウジが攻めてくる。2分、左SHドサリがミドルシュート。日本も3分、CH柴崎のFKにCB吉田がヘディングシュート。13分にはCH柴崎のCKにCH遠藤がニアに走り込みヘディングシュートを放つ。さらに15分、右SH原口の逆サイドへのフィードにFW武藤が走り込み、切り返しからシュート。だがDFにブロックされた。南野も走り込んだが、パスコースが開かなかった。

 するとサウジも17分、CFムラワドがドリブルでCB吉田を抜いて、クロスに左SHドサリがシュート。ふかしてくれた。その後もサウジが攻める。20分、右SHバヘブリのミドルシュートはわずかにポストの右。助かった。日本は暑さのためか次第に足が止まり始める。一方的にサウジが攻めて、日本はひたすら耐える展開。26分、左IHムガフィのFKをCB吉田がはね返すも、CHオタイフが拾いクロス。CBブライヒがヘディングシュート。枠を外す。28分にも右サイドからのクロスに左IHムガフィがヘディングシュート。しかしこれも枠を捉えられない。

 なかなかゲームが切れず、選手交代もできない中、日本は必死に守る。ようやく32分、疲れ切ったFW南野に代えて右SH伊東純也を投入。堂安をFWに上げる。だがその後も守る時間が続く日本。それでもFW武藤が足を攣りながらも頑張る。42分、左SHドサリのパスから右SHバヘブリがシュート。CB吉田がブロック。はね返りをドサリがシュート。CH柴崎が身体に当てる。44分、FW堂安に代えてCH塩谷。さらに45+2分にはFW武藤に代えて北川。選手全員の気持ちと体力を一つにして、最後まで守り切った。1-0。日本が必死の守りで準々決勝進出を勝ち取った。よくやった、日本。

 冨安の守り、武藤のがんばり、吉田の統率力、長友が気合を入れる。最後まで走り切った原口。柴崎も遠藤も酒井も堂安も、みんな最後までがんばった。実にいいゲームだった。それにしても、数年前だったら日本とサウジの対戦は、日本が攻めてサウジが守りからカウンターを狙うという内容だった。それがこのゲームでは攻めるサウジに対して守る日本。まさに隔世の感。だがそれでも勝てるサッカーをしている。サッカーの内容自体が進化していると思いたい。

 さて、次の準々決勝の相手はベトナム。はっきり言って格下。そして勝ち上がればイランか中国が待っている。とすれば、当然、ベトナム戦はターンオーバーを考えるべき。武藤は出場停止だが、北川を始め、この日、ベンチを温めた選手に期待したい。日に日に集中力と団結力が高まっている。この勢いで決勝まで勝ち上がれ。