とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ネガティブに保険

 先日の大迫なおみの試合。第2セットのマッチポイントになって、それまで観ていなかった娘が「最後くらい観るか」とTVの前に座った。ところが、そこから5ポイント連続で奪われてゲームを落としてしまう。「お前が観ていると勝てん」とか、失礼なことを言って、娘も「観るのやめた」とTVの前を去った。結局、第2セットはそのままクビトバに奪われてしまう。第3セットも2ゲーム目までは観ていたが、このまま逆転負けするゲームを観ているのも嫌だなと、私もTVの前を離れて、8時過ぎに再びTVを付けた。すると大迫なおみの表彰セレモニーをやっていた。おお、勝ったんだ! それからダイジェストで放送される勝利の瞬間を何度も観ることになったが、第3セットを通して見ることはなく、ブレイクした第3ゲームもフルでは観ていない。あのまま我慢して観ていればよかった。

 アジア杯のイラン戦のあった月曜日の夜は、あいにく呑み会があり、録画をしておいた。呑み会の席で、どちらが勝つかという話になり、「イランでしょ」という私に対して、「日本が勝利する。気持ちで勝つと思えば勝てるのだ」という友人がいた。正直、ゲーム前はどちらが優勢か、五分と五分。日本は大迫の出来次第だと思ったが、今大会イマイチ攻撃に冴えが見られない中で、イランの攻撃をどこまで耐えることができるかがカギ。しかし厳しい状況にあると思っていた。

 その時に、「いや、勝利を信じよう」とポジティブに考えるか、「負けだろう」とネガティブに考えるか。日本の勝利を願っていることは同じでも、「勝利を信じて負けたら精神的に辛い。負けると思っていれば、勝利した時にはうれしいし、たとえ負けても精神的ショックは小さい。ゲーム前から予想していたことだから」とネガティブに考えることで精神的に保険をかける。

 本当はどちらがいいのか、わからない。私自身も、いつもネガティブに保険をかけるわけではなく、極力、予断なく結果を受け入れるようにしたいと思っているが、あの日はそんな気分だった。そして帰宅後、寝る支度を整えてから録画を追いかけ再生する。途中で眠くなり、「続きは翌日ビデオで」と思いつつ布団はいるが眠れず。また起き出して追いかけ再生を観る。それを二度ほど繰り返した後に、あきらめて最後まで観終わった。時刻は既に2時を過ぎていた。やれやれ。

 翌朝は仕事があるのでいつものように起床。眠い。「ネガティブに保険」したからこそ眠れなかったのか。勝利を信じていれば眠くなることなく観られたのか、それとも信じてさっさと眠れたか。翌日、後悔することしきり。やはり「ネガティブに保険」よりも「ポジティブに信じる」方が精神的にいいような気がする。そんなことを眠い頭で考えた。