とんま天狗は雲の上

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J1リーグ 開幕節 セレッソ大阪 対 ヴィッセル神戸

 いよいよ今年もJリーグが始まった。開幕ゲームは他よりも1日早く金曜日開催でセレッソヴィッセルダビド・ビジャも加入し、ますます戦力がアップしたヴィッセル。課題だった守備もセレッソから山口蛍を獲得。さらに両SB西と初瀬も開幕から高い位置を取って、ヴィッセルの攻撃サッカーを象徴した。対するセレッソは杉本と山口、さらには山村も抜けて、代わりに加入したのは都倉と奥埜。やや戦力ダウンかと心配したが、新加入選手が期待以上の活躍をして、今後に向けて好印象を持った。開幕戦にふさわしい好ゲームだった。

 セレッソの布陣は3-4-3。柿谷をワントップに清武と水沼がシャドーに入る形。WBは右に舩木、左は丸橋。ソウザと奥埜でダブルボランチを組み、DFは右から山下、ヨニッチ、木本。GKはいつものキムジンヒョンだ。対するヴィッセルは4-3-3。大崎と渡部のCB。中盤は三原がアンカーに入って、山口と三田がIH。ポドルスキとビジャはワイドに開き、イニエスタがフリーポジションで動き回る。

 ファーストシュートはCF柿谷。6分、ロングボールに走り込み、シュートを放つがGKキムスンギュがキャッチした。しかしその後はヴィッセルがパスをつないで押し込む展開。両SBが高い位置をキープして、両WGと連携し、サイドで起点を作る。9分、右WGポドルスキのクロスのクリアをCH三原がミドルシュート。しかしDFにはね返された。セレッソは自陣に引いて守備を固めながら、ロングボールでCF柿谷がDFラインの裏を狙う。15分、右WB舩木のフィードにCF柿谷が走り込むが、わずかにGKキムスンギュの方が早かった。

 17分には左WGビジャがその実力を見せる。左サイドからドリブルを始めて中央まで持ち込みミドルシュート。しかしシュートはうまく当たらず、GKキムジンヒョンにキャッチされた。セレッソはトップ下で清武のセンスが光る。20分には左SS清武のスルーパスにCF柿谷が抜け出すが、これもわずかに届かない。左WGビジャは21分にもサイドから中へドリブルで持ち込むが、シュートは打てず。セレッソも24分、CB山下の縦パスを右WG舩木がワンタッチで前につなぐと、右SS水沼が抜け出してシュート。しかし枠を外した。

 その後はますますヴィッセルが押し込んでいく。30分、PA左手前のFKのチャンスにCFイニエスタが縦パス。左SB初瀬が走り込み、クロスにCB渡部がヘディングシュート。しかしGKキムジンヒョンがキャッチ。34分、CFイニエスタの縦パスから右WGポドルスキミドルシュート。しかしこれもシュートが弱い。GKキムジンヒョンが難なくセーブする。38分、CFイニエスタのスルーパスに左SB初瀬が走り込み、クロス。GKキムジンヒョンがわずかに触り、ファーに逃がすと、右SB西が拾って右WGポドルスキへパス。しかしこれが合わない。こうした場面が多かった。

 44分、左WGビジャのスルーパスに左SG初瀬が走り込み、シュート。だがこれもDFがブロック。アディショナルタイムにはCHソウザがFKを狙うが、バーの上。前半はスコアレスのまま折り返した。

 後半になるとセレッソが前半よりは高い位置からプレスをかけるようになる。だがそれもハーフラインまで。持ち込まれれば守備を固め、ヴィッセルの攻撃を待ち構える。攻めるヴィッセルもあくまでパスをつないで隙を窺う形。ゴール前までドリブルで走り込むような場面はほとんどなく、途中でスピードダウンして後続を待つ間にもセレッソが守備を固めてしまう。9分にはCF柿谷がPA手前でボールキープ。DFに囲まれながら右SS水沼にスルーパスを出すが、オフサイドヴィッセルは12分、CFイニエスタのスルーパスに右SB西が走り込み、クロスのこぼれを右WGポドルスキミドルシュート。しかし枠を捉えられない。セレッソも13分、CHソウザの縦パスを右SS水沼がワンタッチで縦へ。左SS清武もワンタッチでつなぎ、CF柿谷がミドルシュート。だがGKキムスンギュにセーブされた。

 ヴィッセルは押し込んでパスを回して隙を窺うが、セレッソの守備がなかなか崩れない。19分、右WGポドルスキが下がりながらファーサイドへクロス。左WGビジャが走り込んでヘディングシュートするも、これも枠の外。セレッソはその直後、水沼に代えてCF都倉を投入。さらに25分には左SS清武を下げてCHデサバトを投入。ソウザを左SSに上げ、柿谷は右SSに下げる。都倉のワントップは高さもあり、存在感がある。

 すると27分、CF都倉がポストになって、落としたボールを右SS柿谷がドリブル。DFを抜いてスルーパスにCF都倉が抜け出す。飛び出したGKをよく見てシュートを放ったが、わずかにポストの左に外れた。この直後、ヴィッセルは三原を下げてCF古橋を投入。山口をアンカーに下げて、イニエスタも左IHの位置に下げる。30分、左SB初瀬のクロスに右SB西がヘディングシュート。GKキムジンヒョンがキャッチしたが、両SBが高い位置を取るヴィッセルならでは攻撃。しかし直後にはセレッソも右SS柿谷の絶妙なクロスに左SSソウザがシュート。わずかにポスト右に外した。

 そして31分、右SS柿谷の縦パスをCF都倉が落とし、左SSソウザがシュート。DFが触りCKにすると、32分、左SB丸橋のCKをCB木本とGKキムスンギュが競って、こぼれたボールをCB山下がヘディングシュート。セレッソが先制点を挙げた。ゴールが欲しいヴィッセルは38分、左WGビジャのFKは壁に当たる。右WGポドルスキのCKのこぼれからCF古橋がシュートを放つが、GKキムジンヒョンがセーブ。アディショナルタイムには右IH三田がCKからヘディングシュートを放つが、これも枠を捉えられない。攻め続けたヴィッセルだったが、最後までゴールならず。1-0。守り切ったセレッソが開幕戦勝利を挙げた。

 しかし今年のJリーグは面白そうだ。戦力ダウンかと思ったセレッソだったが、都倉の高さがセレッソのサッカーを変えそうな雰囲気。清武もイキイキしている。奥埜も中盤で存在感のあるプレーを披露した。一方のヴィッセルは細かい連携ミスが多く、そこが決まれば爆発する可能性は秘めている。しかし相手チームもしっかり3人の外国人封じを徹底してくるはず。古橋や三田、小川慶治朗、郷家らがいかに活躍できるかがカギを握るかもしれない。西と初瀬が非常に高い位置をキープするのも興味深い。その代わり、常時実質2DFの状態。三原や山口らの守備能力が問われる。ヴィッセルのサッカーを観ていると、グランパスのサッカーを思い出す。攻撃第一。だが攻めきれない時にどうするか。リージョ監督の采配が楽しみだ。