とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

改元騒ぎ

 新元号が「令和」に決まった。高齢者の印象として報道されているように、命令の「令」で始まる言葉は、私も「冷たい」という印象を持った。若者には「クール」という印象になるのも理解できる。「ラ行」にはそんな印象がある。「令」には「令嬢」などのように「優れた」「よい」という意味もあると安倍首相が説明していたが、辞書などで最初に出てくるのは「命ずる」であり、「命じて和せよ」という意味だと思ってしまう。翌日の羽鳥慎一モーニングショーでは本郷和人が「『万和』など他の候補の方が元号らしい」と言っていたが、それは同感。

 また、新元号発表に浮かれている人が多くいたことも印象的だった。号外を奪い合う姿が放送されていたが、翌日、わが家には号外も一緒に配達されてきた。ネットで売ればカネになるかな。朝の有識者懇談から始まって、マスコミが煽りモード全開の中で、元号発表と安倍首相の会見があったが、まさに政治ショー。世間的には4月1日は新年度の始まりであり、入社式などもあって、バタバタした中での元号発表は少し慌ただしかった。内田樹はブログで「今回の『改元騒ぎ』がいくたりかの人々の『元号離れ』を加速したことを私は悲しむ」と書いている。

 「令和」と公表された直後のワイドショーで、ドイツ人のコメンテーターがやや口ごもりながら、「外国人には発音しにくい」と話していた。「『REIWA』はドイツ人だと『ゥライヴァ』と読むのではないか」と。ネットでは明治乳業の「R-1」が注目を集め、「令和18年はR18(18禁)か!」と騒いでいた。私は最初「令和」の文字を見た時、「りょうわ」と読むのかと思ったし、「れいわ」なら頭文字は「L」ではないかと思った。娘の職場でも「『L』か『R』か」は話題になっていたとか。

 うちの会社では3月31日の休日当番の担当者が休日業務報告に「平成31年度も今日で終わり」と書いていたが、平成30年度の間違い。4月1日から新たな年度、平成31年度がスタートした。でも5月になると元号が「令和」に変わる。すると今年度は令和元年度になるのだろうか。それとも平成31年度のまま? 平成の時は1月に元号が変わったので、新年度は平成元年度だった。令和元年度はあるのか、ないのか。

 まだ始まってもいない新元号「令和」だが、なじむまでにはまだ少し時間がかかりそうだ。でも「平成」を初めて聞いた時も「なんかボヤっとした言葉だな」と感じたような気がする。30年を経て、結果的に戦争もなく、「平らかに成す」という時代だったのかもしれない。「令和」の時代が終わる時、僕らは何を感じるだろうか。「独裁の時代にふさわしい年号だった」なんて思わなければいいけれど。