とんま天狗は雲の上

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UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2レグ マンチェスター・シティ対トッテナム

 第1レグを1-0で勝利したトッテナム。マンCのホーム、エティハド・スタジアムに乗り込んだ。今季、リーグ戦では10月に0-1で敗れ、今季の勝敗は1勝1敗。リーグでは勝ち点で大きく離されているが、このゲームは負けられない。しかし、1点を守って逃げ切れる相手ではないと考えたのだろうか。ケインがケガで欠場する中、トッテナムは4-3-1-2と攻撃的な布陣を布いてきた。FWにはソンフンミンとルーカス・モウラの二人。トップ下にエリクセンを置いて、中盤はワニャマをアンカーに右IHシソコ、左IHデリ・アリ。ウィンクスもケガで欠場している。

 対するマンCはリーグでは9連勝中。第1レグは公式戦14連勝後の不覚だったが、ホームで同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。マフレズ、フェルナンデス、オタメンディをベンチに置いて、CBにはコンパニーが先発。ギュンドアンがアンカーに入り、ダビド・シルバとデブルイネが前目のIH。FWはアグエロをセンターに右WGベルナルド・シウバ、左WGスターリングが先発した。

 トッテナムは少しでも長く1点のリードを守りたかったはずだが、開始4分、右IHデブルイネから左に展開して、左WGスターリングがシュート。あっという間にマンCが先制点を挙げて、勝負を振り出しに戻した。これで気落ちするかと思ったが、すぐに7分、OHエリクセンが左から中へドリブルをして、縦に走り込んだ左IHデリ・アリにつなぐと、縦パスをCBラポルテがカット。横にこぼれたボールをFWソンフンミンがミドルシュートトッテナムが同点に追い付いた。

 さらに10分、CBラポルテのトラップが長くなったところをFWルーカス・モウラに奪われ、OHエリクセンが左に流して、再びFWソンフンミンがミドルシュートトッテナムが追加点。第2レグも2-1とリードした。これでマンCが勝ち抜くにはあと3点が必要な状況。これでトッテナムの勝ち抜きが決まったかと思ったが、すぐに11分、今度はマンCが左SBメンディのパスから左IHダビド・シルバが縦パス。CFアグエロがドリブルから右に流すと、右WGベルナルド・シウバがミドルシュート。左SBローズの足に当たってコースが変わり、ゴールに飛び込んだ。これで再び同点。だが、マンCが勝ち抜きにはまだ2点が必要だ。

 さすがにその後は少しゲームが落ち着く。18分、左IHダビド・シルバのFKはバーの上。20分、OHエリクセンミドルシュートも枠を捉えられない。しかし21分、マンCが中盤やや深い位置でFKを得ると、早いリスタートから左IHダビド・シルバが右に流す。右IHデブルイネが走り込み、クロスに左WGスターリングがシュート。マンCが勝ち越し点を挙げた。これで合計ゴールは3-3。あと1点取ればマンCが逆転で勝ち抜きとなる。

 もう1点もやれないという状況で、トッテナムはシソコをCHに下げて、デリ・アリを左SH、エリクセンを右SHにする4-4-2の布陣に変更する。32分、マンCは右IHデブルイネの落としから右SBウォーカーが右に流し、右WGベルナルド・シウバがミドルシュート。37分には右WGベルナルド・シウバの縦パスに右IHデブルイネが走り込んで、CFアグエロがシュート。CBアルデルウェイレルトがブロックした。

 しかし41分、トッテナムはCHシソコが足の付け根を痛めて退場。代わりにFWジョレンテを投入。デリ・アリをCH、ソンフンミンを左SHに下げる。43分には右SHエリクセンのサイドチェンジから左SHソンフンミンが縦に切り込んでミドルシュート。わずかにファーに外れた。マンCも45分、右IHデブルイネが切り返しからミドルシュート。GKロリスがナイスセーブ。その後のアディショナルタイムもマンCの攻勢が続くが、トッテナムが守り切り、前半はマンCの3-2。2戦合計では3-3の同点で、アウェイゴールの差でトッテナムがリードしている。

 しかし後半に入って、さらにマンCの圧力が増してくる。4分、右IHデブルイネのFKはバーの上。5分、CHギュンドアンから左に流して、左IHダビド・シルバのクロスにWGスターリングがシュート。9分には右SBウォーカーがボールを奪い、右WGベルナルド・シウバがドリブルで運ぶ。いったん左サイドに振るが、左WGスターリングが折り返して、CFアグエロの落としから右IHデブルイネがミドルシュート。GKロリスがファインセーブで弾き出す。11分にはベルナルド・シウバのFKに左IHダビド・シウバがニアに走り込んでヘディングシュート。だが枠を捉えられない。そして14分、CHギュンドアンの縦パスから右IHデブルイネがドリブルで仕掛けると、最後は右に流して、CFアグエロがシュート。GKロリスの肩口を抜いてゴールに突き刺した。マンC、4点目。ついに合計でもマンCがリードした。

 するとマンCはダビド・シルバに代えてCHフェルナンジーニョを投入。ギュンドアンを左IHに上げて、守備を固める。その後は互角の展開が続く。このままマンCが守り切るかと思ったが、28分、左サイド、トリッピアのCKがCBアルデルウェイレルトの頭を越え、CBコンパニーも触れず、FWジョレンテの腰に当たってゴールに転がり込んだ。トッテナムが再び合計点で勝ち越した。

 その後はマンCが必死に攻める。33分、右WGベルナルド・シウバがミドルシュート。34分には左IHギュンドアンミドルシュート。さらに35分、右WGベルナルド・シウバの縦パスに走り込んだ右SBウォーカーのクロスにCFアグエロがヘディングシュート。だがGKロリスがファインセーブでキャッチする。37分、トッテナムはFWルーカス・モウラに代えて左SBデイビスを投入。ローズを左SHに上げて、エリクセンがトップ下。ソンフンミンは右SHに回る。

 マンCも39分、左SBメンディに代えて左WBサネを投入。布陣も3-5-2にして攻めていく。スターリングがアグエロと並んで2トップ。41分、CHフェルナンジーニョから左に展開。左WBサネがヘディングで折り返すと、左IHギュンドアンがシュート。これはオフサイドトッテナムは45+1分、ローズを下げてCBサンチェスを投入。こちらも3バックで守る。そして45+3分、マンCのプレスに囲まれた左SHエリクセンがバックパスをすると、これが右WBベルナルド・シウバの足に当たって前にこぼれる。FWアグエロが拾って、クロスにFWスターリングがシュート。マンCが土壇場で再び逆転! かと思ったら、主審がVARを確認。ベルナルド・シウバの足に当たった時点でFWアグエロの位置がオフサイド。ゴールは取り消された。そしてタイムアップ。第2レグは3-4。第1レグと合わせて4-4の同点で、アウェイゴール数の差でトッテナムが準決勝進出を決めた。二転三転、まさにすごいゲームだった。

 トッテナムの準決勝の相手はアヤックスに決まった。CLになって初。前身のチャンピオンズカップ時代から数えると実に57年振りのベスト4進出となる。一方のアヤックスも22年振りの準決勝進出。オランダサッカー協会アヤックスを支援するため、準決勝第1レグの前に予定されていたリーグの試合をすべて延期することに決めた。オランダ中の人々がイングランドトッテナム・スタジアムに押し掛けるんじゃないか。しかもトッテナムはソンフンミンがこのゲームで2枚目のイエローカードをもらい、第1レグは出場停止。さてどんなゲームになるのか。4月30日が楽しみだ。