とんま天狗は雲の上

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自動車運転免許に定年制を導入すべきだ

 池袋で87歳の高齢男性の運転するクルマが暴走し、母子が死亡し、多くの人が事故に巻き込まれた。当初、男性の「アクセルが戻らなかった」という言葉が伝えられ、自動車の不具合かとも思われたが、その後は高齢男性が足を痛めていたなどの報道もあり、やはり高齢ゆえの運転ミスというところに落ち着きそうな雰囲気だ。

 こうした状況を受けて、ワイドショーなどでは、高齢者の運転について、講習制度や認知機能検査の仕組みについて議論がされていた。認知症だけでなく、機能的に衰えた人へは運転免許を取り上げる制度にすべきだといった意見があったり、一方で、最近のクルマは事故防止のための様々な機器が取り付けられたり、また自動運転の研究も進んでいることから、その進展にも期待したいなどといった意見もあった。また昨今では、自主返納に向けた様々な取組も行われており、ある程度高齢になったら自主返納しようという意識も一般的になりつつある。

 しかし、やはり私は、自動車運転免許については早急に定年制の導入を検討すべきではないかと思う。と、これを書いて検索したら、23日付の産経新聞に同じ趣旨のコラム「高齢者の重大事故 免許定年制の検討必要だ」が掲載されていた。産経新聞と同じ主張をするのはイヤだが、やはりこれは必要な提案だと思う。

 私事を言えば、私の父は88歳になるが、いまだに運転を続けている。自主返納を勧めてはいるが、別居していることもあり、また地方で公共交通手段がないこともあり、なかなか返納をしてくれない。ひょっとして父が事故をしたら、その賠償責任は私にも及ぶのかもしれない。それも覚悟はしているが、最後は運転者の自己責任に委ねる現制度は、ある意味、国も責任放棄をしているような気がする。

 最近は、運転免許の自主返納の高まりと並行して、高齢者の交通手段の問題がクローズアップされるようになってきた。私が住む春日井市でも、自動運転に向けた様々なバリエーションの実証実験を行うとともに、相乗りタクシー、ボランティア輸送の実証実験やタクシー定期券の導入なども検討しているようだ。このように高齢者が自動車を運転しなくても困らないような仕組みを整備していけば、運転免許の定年制の導入は難しいことではない。

 そう、85歳で定年制を導入し、一方で85歳以上の高齢者には月額一定の金額で自由にタクシーを利用できる制度を導入すればいい。月1万円程度徴収しても、自動車を維持していくことを思えばはるかに安いはずだ。警察で講習などを行う経費も節約できる。やはりここは一刻も早く定年制の導入について議論を始め、制度化すべきだ。何も迷うことなどないはずだ。