前日、首位のFC東京に初黒星が付いた。勝ち点差を縮めるためにも絶対に勝たなくてはいけない試合。グランパスはここまでホームで5連勝、無失点。対する13位山雅は4試合勝ちなく、しかもこの間ノーゴール。よもや負けるとは思わなかった。決勝トーナメント進出に向けてほぼベストメンバーで戦ったルヴァン杯から中3日。選手交代はわずか2人。しかもそのゲームでジョーが負傷し、代わりに赤崎が先発した。対する山雅は3-4-3の布陣。レアンドロ・ペレイラをワントップに前田大然と杉本太郎がシャドーに入る。中盤は宮阪と藤田息吹。右WB田中隼磨、左WB中美。CBは右から今井、飯田、橋内。GK守田がゴールを守る。
序盤、山雅が攻めるが、グランパスが高い位置からのプレス。10分過ぎからはグランパスがパスを回すいつもの展開になっていく。ジョーがいない中、なかなか前線で収まらないが、CHシミッチからの鋭い縦パスで何度かチャンスを掴んでいく。しかし16分、グランパスが押し込んだ状況から中盤にボールがこぼれると、右FW前田大然が拾って猛然とドリブル。CHシミッチをかわし、左SB吉田をかわすと、CB中谷が当たって倒れる。こぼれたボールを左FW杉本がシュート。何とロングカウンターから山雅が先制点を挙げた。
これで山雅に勢いが出る。22分、CH宮阪のCKのこぼれを右WB田中隼磨がミドルシュート。これはGKランゲラックがファインセーブで弾き出す。24分にもCH宮阪のCKからCB飯田のヘディングシュートはドンピシャ。わずかにバーの上に外れる。これで救われたグランパスはその後もパスを回して隙を窺うが、ゴール前のようにはなかなかチャンスが作れなくなる。35分過ぎ位にはシャビエルと赤崎のポジションをチェンジするが効果なし。前半はこのまま1-0と山雅のリードで折り返した。
グランパスは後半頭、右SH赤崎に代えて前田直輝を投入する。しかし勢いがあるのは山雅。3分、GK守田のフィードにCFレアンドロ・ペレイラが競り勝って、右FW前田が走り込みシュートを放つ。後半も山雅の寄せが早い。それでもグランパスも右SH前田直輝の仕掛けからチャンスを掴んでいく。8分、グランパスが押し込んだ展開から左SB吉田がミドルシュート。これがようやくこのゲーム、グランパスの初シュート。15分には右SH前田直輝のドリブルからクロスにFW長谷川が戻して、前田直輝がミドルシュート。DFに当たる。
山雅は17分、CFレアンドロ・ペレイラに代えて永井龍を投入する。19分、CH米本の縦パスを左SH和泉が戻し、右SH前田直輝がクロス。FW長谷川はヒールで狙ったか。だがうまく合わずゴールラインを割った。22分、FWシャビエルのFKはDFに当たってあわやゴールかと思ったが、わずかにバーの上。31分には右FW前田大然からCH米本がボールを奪い、FW長谷川が右に展開。右SH前田直輝がミドルシュートを放つが、わずかにバーの上。直後、グランパスは右SB宮原に代えて左SH榎本を投入。和泉を右SBに回す。山雅も33分、左FW杉本に代えて岩上を投入する
35分、CB丸山の縦パスをFWシャビエルが落とし、CHシミッチが縦パス。FW長谷川が受けてスルーパスにCB丸山が走り込む。しかしシュートはGK守田に当てた。攻めるグランパス。だが山雅も37分、右WB田中隼磨のパスをCF永井が落とし、左FW岩上の縦パスからCF永井がシュート。41分にはGK守田のフィードに右FW前田大然がうまくCB丸山をかわして前を向くと、詰めたCB中谷を切り返しでかわし、ミドルシュート。前田大然にシュートの決定力が付くと、もっと怖い選手になる。
必死に攻めるグランパスは38分、FW長谷川に代えてマテウスを投入。45分、CHシミッチのミドルシュートはわずかにポストの右。45＋2分、シャビエルのCKにCB中谷がDFと競り合ってヘディングシュートするが、枠に飛ばない。45＋3分、CHシミッチのクロスをCB丸山が落とし、これをDFがクリアするが、FWシャビエルの背中に当たってゴールへ。だがGK守田がキャッチ。そして45＋6分、右SH前田直輝が仕掛けて、クロスに左SB吉田がボレーシュートを放つも、DFがブロックする。そしてタイムアップ。1-0。前半のゴールを最後まで守って、山雅が5試合ぶりに勝利した。グランパスは今季ホームで初黒星。かつ初失点。
やはりジョーの不在が痛かったか。それもあるが、山雅の守りの意識が最後まで途切れなかった。攻撃だけでなく、守備でもよく走る前田大然の貢献は大きい。山雅はこれでリーグ戦では対グランパス初めての勝利だそうだが、勝利に値する内容のゲームだった。一方、グランパスはジョーがいない中、最近の決定力不足を露呈してしまった。次節は最下位ベガルタ。慢心することなく、連敗しないよう必死で戦ってほしい。
