いよいよ今週末には女子ワールドカップが始まる。既に現地入りしているなでしこジャパンの大会前最後の強化試合。相手はFIFAランキング13位のスペイン。だが、TVでは優勝候補という呼び声もあると言っていた。本当かな。調べると、確かに13位というランキングにしては高いオッズが付いている。それでも日本よりは下なんだけど。ということで、当然勝利してもらわねば困るのだが、先日の強化試合ではそうはならなかった。確かにスペインは強い。いや、日本が弱いのか？ メンバー的にも市瀬のボランチでの起用など、まだお試し中という感はある。日本の布陣は4-4-2。横山と籾木の2トップに、右SH中島、左SH長谷川。ボランチは市瀬と杉田。清水と鮫島の両SBにCBは熊谷と南。GKは山下。ボランチのコンビやCB南などは本番ではどうするんだろうか。対するスペインは4-3-3の布陣。トレシーリャがアンカーに入り、CFのエルモソは長身で技術と速さもあるストライカーだ。
序盤からスペインのプレスが高く、スペインが積極的に攻めていく。日本のクリアはことごとくスペインに拾われ、2次攻撃・3次攻撃を受ける展開。そして22分、右IHロサーダのアーリークロスをCFエルモソが受けると、弾んだボールがチェックに入ったCH市瀬の手にわずかに当たる。すると主審はPKを宣告。これをエルモソが決めて、スペインが先制点を挙げた。
日本は27分、CBレオンからのパスをCH杉田がカットすると、FW籾木が受けてミドルシュート。これは日本の初シュート。だがポスト右に外れた。しかしこの時間帯あたりからボランチの左右を入れ替え、杉田を右サイド、市瀬を左サイドに置くと、ようやく日本のプレスもかかり始める。32分にはCH市瀬のパスカットから左SH長谷川が右に展開。右SH中島が切れ返してミドルシュートを放つが、わずかにポストの右、サイドネットに外れた。前半はこのまま終了。
後半はまたボランチの位置を元に戻した日本。だが3分、スペインはCFエルモソのCKに右SBトレホンがヘディングシュート。GK山下が正面でキャッチする。その後もスペインのプレスが早く、日本は守勢に回る。13分、CFエルモソのFKはゴール左上へ。しかしパンチ力はある。スペインは11分、さらに19分までに5人を選手交代。日本も15分、FW横山に代えて菅澤、CH市瀬に代えて三浦を投入する。28分、CB熊谷のところでボールを奪われ、FWナヒカリ・ガルシアがミドルシュート。29分にも右SBコレデラのフィードをFWナヒカリ・ガルシアが胸トラップからシュートを放つ。CB熊谷がブロック。
日本は31分、右SB清水に代えて三宅、FW籾木に代えて左SH遠藤を投入。長谷川をトップ下に移す。すると34分、中盤でボールを拾ったCF菅澤がドリブルで持ち上がり、ミドルシュートを放つ。そして40分、左SH遠藤の縦パスにCH杉田が走り込み、クロスにCF菅澤がシュート。日本がようやく同点に追い付いた。43分には右SH中島のミドルシュートもあったが、GKパニョスがキャッチ。逆に45+2分、スペインの右IHの選手（ルシア・ガルシア？）が強烈なミドルシュート。GK山下がキャッチしたが、掴み切れずこぼしたところに左FWカルデンティが詰めてシュート。だがこれもGK山下が触って弾き出す。スーパーセーブ。結局、ゲームはこれでタイムアップ。1-1のドローで終わった。
しかし内容的には圧倒的にスペイン。日本はスペインの厳しいプレスの前になかなか思うようにパスを回せず、前後半の終盤では何とかペースを取り戻し、同点ゴールもあったが、全体的には終始スペインのプレスに苦しめられるゲームだった。もちろんこのゲームでは日本もまだベストメンバーではなく、テストを繰り返していた印象がある。最終盤には宇津木も出場したが、阪口夢穂や岩渕などのベテラン勢の起用法も気になる。今回、植木理子の離脱に伴い、19歳の宝田を招集した。普通に考えれば田中南美でいいように思うが、このあたりに高倉監督の意図が見えるような気がする。すなわち、ワールドカップは通過点だと。それでも本番で酷いゲームは観たくない。若い選手たちの気持ちの入ったプレーを見たい。次はもう本番だ。どんなメンバーで、どんなプレーを見せてくれるのか。楽しみにしたい。
