とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子ワールドカップ グループD 日本対スコットランド

 グループリーグ初戦をグループ最弱のアルゼンチンに守り切られて引き分け。第2戦は初戦イングランドに敗戦し、こちらも後がないスコットランドが相手だ。日本にとってもこのゲームに勝てなければグループリーグ敗退の恐れも高まる。絶対勝利が必要なゲームだ。先発は第1戦で気負いが目立ったFW横山と左SH長谷川に代えてFW岩渕と左SH遠藤が出場。CBには南に代えて市瀬が先発した。CB熊谷と組むには市瀬の方が安定感で勝ると思う。他は第1戦と同じメンバー。布陣は4-4-2。対するスコットランドも4-4-2。カスバートとロスの2トップに右SHエバンス、左SHアーノット。リトルとウィアがダブルボランチだが、ウィアの方が下がり目で、中盤の底でゲームを作る。DFは右から右SBスミス、CBコーシー、CBビーティー、左SHローダー。GKはアレクサンダーだ。

 序盤から日本が高い位置からプレスをかけて、積極的に攻めていく。1分、FW菅澤のクロスに左SH遠藤が走り込み、ヘディングするが、当たり損ねてGKアレクサンダーがキャッチ。7分には左SB鮫島の縦パスに走り込んだFW菅澤からのクロスを右SH中島がミドルシュート。ポスト右に外す。スコットランドも11分、左SBローダーのフィードにFWロスが走り込み、戻しを左SBローダーがミドルシュート。GK山下が正面でキャッチするが、スコットランドのFWとSHは足が速い。

 攻める日本だが、なかなかゴールが入らない。17分にはFW岩渕が仕掛けてシュートを放つが、GKアレクサンダーにセーブされる。このまま行ってしまったらアルゼンチン戦の二の舞と心配し出した23分、CH杉田のクロスがDFに当たってこぼれたところを左SH遠藤が拾い、DFの股下を抜く横パス。これをFW岩渕が豪快にミドルシュートを放ち、ゴールに突き刺した。日本、先制。

 これで気が楽になったか、その後は日本選手の動きもよくなり、パスも回るようになってくる。27分、CH杉田の縦パスをFW菅澤が落とし、FW岩渕、左SH遠藤とつないで左に流すと、左SB鮫島がクロス。いったんはDFにはね返されたが、もう一度左SB鮫島がダイレクトで中へ折り返すと、FW岩渕がヘディングでつないで、FW菅澤の落としをFW岩渕がシュート。さらにはね返りを左SH遠藤がミドルシュートするが、DFに当たってGKにセーブされた。しかしCH杉田が攻撃参加すると、必ず日本にチャンスが訪れる。そして37分、右SB清水のフィードにFW菅澤が走り込むと、たまらずCBコーシーが肩に手をかけて倒してしまう。PK。これを菅澤がしっかり決めて、日本が追加点を挙げた。

 42分、FWカスバートのミドルシュートがバーのわずか上を通過しヒヤッとしたが、43分には右SH中島もミドルシュート。45+1分にはFW岩渕のスルーパスに左SH遠藤が走り込み、クロスにCH杉田がシュート。バーにはね返される。こぼれ球を右SB清水がミドルシュートを放つが、これは大きく枠を外した。前半を終えて2-0。何とかこのゲームはモノにできそうだ。

 後半に入っても日本がしっかりゲームをコントロールしている。6分、CHウェアのミドルシュートはGK山下ががっちりとキャッチした。逆に9分にはCH三浦の縦パスをFW菅澤が落とし、CH杉田がミドルシュート。11分、左SH遠藤のCKにCB熊谷がシュートを放つが、うまく当たらなかった。スコットランドも12分、FWカスバートのドリブルからスルーパスにSHエバンスが走り込むが、CB市瀬がしっかりと対応しクリアする。CB市瀬は小柄ながら読みが良く、相手のチャンスもしっかりと対応できる。

 13分、FW菅澤の落としからCH杉田が右斜めにパスを送ると、右SH中島が切り返してミドルシュート。GKアレクサンダーのファインセーブで弾かれた。スコットランドは15分、左SHアーノットに代えてエムズリーを投入する。21分、スコットランドのCKをGK山下が飛び出してパンチング。こぼれ球をDFが大きくクリアするが、右SHエバンスがミドルシュート。枠は外れた。その直後、日本は左SH遠藤に代えてFW小林里歌子を投入。岩渕を左SHに下げる。すると22分、左SB鮫島のパスにFW小林が走り込む。GKアレクサンダーがクリアするが、これを拾った左SB鮫島がミドルシュート。GKアレクサンダーがキャッチする。

 31分にもFWカスバートのシュートをCB市瀬がブロック。ここまで日本のDF陣が完璧に守って不安感はない。その直後、スコットランドはFWロスに代えてクレランドを投入する。33分、CHウィアのFKにFWカスバートがシュート。ポストに当たった。38分、右SHエバンスがミドルシュート。これはGK山下がナイスセーブ。日本は37分、左SH岩渕に代えて長谷川を投入する。だがスコットランドの攻勢が止まらない。そして43分、CB市瀬の横パスをFWクレランドに奪われ、ミドルシュートで1点を失い。その後もスコットランドの攻勢が続いたが、日本も45+2分、左SH長谷川のパスからFW小林がクロス。CH杉田がミドルシュートを放つが、GKアレクサンダーがファインセーブ。これ以上、追加点は奪えなかったが、そのままタイムアップ。2-1。日本がようやくグループリーグで勝利を挙げた。

 初戦と違ってダントツの出来。中でもCH杉田が攻撃に絡むと必ずチャンスになる。一方、左SHに長谷川を起用すると、スルーパスに走り込む選手がおらず、また長谷川自身もまだタイミングが合っていないのか、外国人選手の足に引っ掛かってしまうことが多い。左SH長谷川とFW小林のコンビならいいかもしれないが、CH杉田の存在を考えると、今はまだ遠藤の方が安心できる。そしてCBはやはり市瀬がいい。失点は市瀬のミスからだが、それで引き摺ることはないだろう。補って余りあるプレーを見せてくれた。

 もう一つ行われたイングランド対アルゼンチンはアルゼンチンの守備に手こずりつつもイングランドが1-0で勝利した。これでイングランドはグループリーグ突破が確定。第3戦、メンバーを落としてくれないだろうか。日本もスコットランド対アルゼンチンの結果次第だが、大敗しなければたぶん決勝トーナメント進出は可能だろう。決勝トーナメントにつなげるためにも第3戦イングランド戦には勝利をめざして思い切ってぶつかってほしい。ようやくなでしこのワールドカップが始まったような気分だ。