とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

コパ・アメリカ グループC エクアドル対日本

 グループBで3位のパラグアイが勝ち点2で終わったため、ここまで2敗のエクアドルもこのゲームに勝てば、決勝トーナメントに進出できることとなった。一方、日本は引き分けでは得失点差でパラグアイを上回ることができない。ともに決勝トーナメント進出をかけた真剣勝負となった。日本の先発はFWに岡崎と久保を並べ、SHには右SH三好、左SH中島。ボランチに板倉と柴崎を並べ、DFは右から右SB岩田、CB植田、CB冨安、左SB杉岡。GKには川島が入り、ウクライナ戦からはFW安倍と久保を入れ替えただけの布陣で臨んだ。対するエクアドルは4-3-3の布陣。エネル・バレンシアをワントップに、右WGメナ、左WBイバーラ。中盤はグルエソをアンカーに右IHオレフエラと左IHメンデス。DFが右から右SBベラスコ、CBミナ、CBアルボレダ、左SBラミレス。GKはドミンゲスが守る。

 序盤からエクアドルが積極的に攻めてくる。対して日本は落ち着いて対応。パスを回す。先にシュートを放ったのは日本。右SH三好がミドルシュートを放った。エクアドルも12分、CFエネル・バレンシアミドルシュートを放つ。13分にはFW久保のドリブルから左SH中島がミドルシュート。そして15分、FW久保のドリブルから左SH中島がスルーパス。FW岡崎が抜け出すが、先にGKドミンゲスがクリア。しかしこれを中島がシュート。岡崎の飛び出しが早くVARとなったが、ぎりぎりオフサイドは認められず、ゴールが認められた。日本が幸先よく先制点を挙げた。

 しかし23分、エクアドルの前線からのプレスが早く、GK川島からCB冨安へのパスは弱く、右WGミナにカットされる。クロスをCF江ネル・バレンシアがシュート。しかしGK川島がナイスセーブ。26分にはCB冨安からCH柴崎へのパスをCFエネル・バレンシアに奪われ、危うくGK川島がセーブした。さらに28分にはCBミナからのフィードにCB冨安があたまの上を越えられ、右WGメナのクロスにCFエネル・バレンシアと右SB岩田が競って、バレンシアガ倒れる。これもVAR判定になったが、岩田の手が顔を叩いてはおらず、PKは取られなかった。それでもエクアドルの前線からのプレスに、DFから前へのパスがうまく回らない。そうこうしているうちに、ゲームはエクアドル・ペースになってくる。

 そして35分、CKの流れから、いったんクリアされたボールを左IHメンデスがクロス。CBミナが肩で落とすと、CBアルノレダがシュート。GK川島がファインセーブするが、はね返りを右WGメナがシュート。エクアドルが同点に追い付いた。日本もようやく37分、右SH三好のパスにFW久保がミドルシュートを放つが、GKドミンゲスがナイスセーブ。40分、左SH中島の戻しをCH柴崎がつないで、FW久保のスルーパスに左SH中島が抜け出して、GKと一対一。だがループシュートはバーの上を越えていった。

 エクアドルも42分、右サイド中盤からのメンデスのFKをCBミナがヘディングで落とし、CBエルボレダがヘディングシュート。エクアドルのCBは共に高さがある。日本も45分、左SH中島のFKのクリアからFW久保がミドルシュートを放つがGKドミンゲスがキャッチ。45+1分、右SH三好のミドルシュートも枠を外した。前半は1-1で折り返した。

 エクアドルは後半最初から左IHメンデスを下げて、左SHプレシアードを投入。布陣も4-4-2に変更し、FWはエネル・バレンシアと並んでメナを上げる。中盤はグルエソとオレフエラのダブルボランチ。イバーラが右Sに回る。3分、右SHイバーラから右に流して、右SBベラスコがミドルシュート。5分にもショートCKからFWメナのクロスにCBミナがヘディングシュートを放つ。その後も後半序盤はエクアドルが積極的。攻勢をかけてくる。守る時間が長い日本は21分、FW岡崎に代えて上田綺世を投入する。するとその直後、左SH中島のFKにCB植田がヘディングシュートするが、GKドミンゲスが正面でキャッチした。エクアドルは23分、CFエネル・バレンシアが力強いドリブルで左SB杉岡を抜き、クロスはファーに流れたが、左SHプレシアードが折り返しのクロス。CFエネル・バレンシアが走り込む前にGK川島が何とか抑えた。

 日本も24分、左SB杉岡のアーリークロスにFW上田がシュート。枠を捉えられない。エクアドルは29分、FWメナに代えてチカイザを投入する。32分右SBベラスコ、33分右SHイバーラとミドルシュートを放つ。日本は右SH三好が疲れて、ミスも多い。ようやく38分、右SH安倍と交代する。エクアドルも右SHイバーラに代えて、いよいよアントニオ・バレンシアを投入する。

 41分、日本はFW久保とFW上田のパス交換から、久保が左に流し、左SH中島がミドルシュート。だがGKドミンゲスがしっかりキャッチした。43分、日本はCH板倉を下げてFW前田大然を投入。柴崎のワンボランチにして勝負をかける。45分、CH久保のスルーパスにFW前田が抜け出すが、シュートはGKドミンゲスがセーブ。はね返りをFW上田も狙うが、枠を捉えられない。エクアドルも45+2分、FWエネル・バレンシアのスルーパスに左SHプレシアードが走り込み、シュートを放つも、わずかにポストの右。日本は45+4分、FW前田がドリブルからシュートを放つが、GKドミンゲスがセーブ。45+4分、左SH中島から左に展開。OH久保がクロスに中島がミドルシュート。DFがブロックしてこぼれたボールを久保がシュート。ネットを揺らしたが、久保の位置がオフサイド。最後までお互い追加点を挙げられず。1-1。痛み分けのドローに終わった。

 日本はグループリーグ3戦して2分1敗。勝ち点2で惜しくも決勝トーナメント進出はならなかった。だが負けたチリ戦も含めて、若い選手が多い中、非常によくやった。岩田と杉岡のSBコンビは地味ながら終始落ち着いてプレーをしていたし、久保はさすがのプレー。三好も良さを発揮していた。CH板倉はミスも多かったが、CHとしては十分使える。一方、上田綺世や初戦のみの出場となった中山、原などは悔しい思いもしただろう。五輪世代には他に堂安もいれば、トゥーロン国際で活躍した相馬や田中碧などもいる。できればエクアドルに勝って、ブラジルに挑戦して帰ってきたかったが、それでもコパ・アメリカ出場は五輪世代にとって大きな経験になったし、オーバーエイジを考える上でも参考になることも多かっただろう。東京五輪まであと1年と少し。さらなる成長と融合を期待したい。