とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第17節 ヴィッセル神戸 対 名古屋グランパス

 5戦勝ちなく、7位まで順位を落としたグランパス。いよいよ昨季の再演をしそうな勢いだ。左SB太田宏介の加入が伝えられるが、金井、吉田といる中で、また左SBの選手を加えてどうするつもりなんだろう。このゲームからエドゥアルド・ネットが復帰して米本とボランチを組んだが、丸山がケガでシミッチをCBで起用。吉田を休ませて、和泉が左SBに入り、前田が左SH、シャビエルが右SHで先発した。対するヴィッセルは一時の不調を脱して、このところ2勝2分。フィンク監督になってまた勢いが出てきた感じだ。布陣は4-4-2。ダビド・ビジャウェリントンの2トップに、右SH古橋、左SH郷家とサイドには若くて速い選手が入る。中央にはイニエスタと山口。山口がアンカー気味に控え、イニエスタがゲームを作る。DFは右から右SB西、CBダンクレー、CB宮、左SB初瀬。GKにはキムスンギュが入る。

 開始2分、右SH古橋がミドルシュートを放つと、グランパスも5分、FWジョーがミドルシュート。さらに7分にはFW長谷川がミドルシュート。序盤からお互い積極的に攻めていく。そして10分、左SB和泉のパスをFW長谷川がつなぎ、FWジョーのスルーパスに左SH前田が抜け出してシュート。ゴールを揺するが、判定はオフサイド。でもビデオで見直すと、ちゃんとラインの後ろから飛び出ている。気が付けば主審はあの山本雄大。このゲームでも山本主審の判定が結果に大きく影響した。

 13分にはCHエドゥアルド・ネットと左SH前田のパス交換から、FWジョーがシュート。ヴィッセルも14分、CHイニエスタのスルーパスに抜け出した左SH郷家の戻しをFWビジャがシュート。DFがブロックした。その後、グランパスは左右のSHを入れ替えて攻勢をかける。23分、CH米本のクロスをFWジョーがポストになって、キープから落としを右SH前田がミドルシュート。24分には右SH前田がカットインからミドルシュートを放つが、DFに当たる。

 そして27分、左SB初瀬がドリブルで上がると、グランパスのマークが甘い。FWビジャが仕掛け直して走り込むと、絶妙のスルーパス。そのまま抜け出して、CBシミッチをかわしてシュート。ヴィッセルが先制点を挙げた。FWビジャは31分にも飛び出したGKの上を狙うロングシュート。いつでもゴールを狙っている。前半終了間際の44分にはGKキムスンギュのフィードをFWウェリントンがフリック。FWビジャが抜け出してシュートを放つが、わずかにポスト右に外れた。

 後半、グランパスが必死に反撃する。11分にはFWジョーがPA手前で倒され、FKのチャンス。左SHシャビエルが蹴るが、壁に当たった。ヴィッセルは13分、右SH古橋を下げて小川に交代する。その直後、CHエドゥアルド・ネットの縦パスをFWジョーが収めて左に流し、左SB和泉がシュート。グランパスが同点に追い付いた。16分には左SHシャビエルのFKにFWジョーがヘディングシュート。しかし18分、左SN初瀬のクロスがゴール前へ。FWビジャは届かず、GKランゲラックがパンチングでクリアするが、これを拾ったCHイニエスタが狙い澄ましたミドルシュート。再びヴィッセルが勝ち越し点を挙げた。

 グランパスは20分、前田に代えて左SH相馬を投入する。すると21分、左SB和泉の縦パスに抜け出した左SH相馬がカットインしてスルーパス。走り込んだCH米本の戻しを受けてもう一度クロスを入れると、DFに当たってGKの前に落ちる。左SB初瀬がその手前でスルーすると、GKキムスンギュとタイミングが合わず、右SB宮原が奪ってシュート。グランパスが再び同点に追い付いた。ところが24分、CHイニエスタからのスルーパスに左SH郷家が走り込むと、右SB宮原が身体を入れてボールを奪う。倒れる郷家。山本主審がPKを宣告する。えっ、それはないでしょ。郷家とボールの間が離れていた。でも講義は認められず、PKをイニエスタが落ち着いて決めて、三度ヴィッセルが勝ち越した。

 26分、グランパスはFWジョーに代えて左SB吉田を投入。和泉を右SHに回し、シャビエルをFWに上げる。30分には左SH相馬がカットインからミドルシュート。GKキムスンギュがナイスセーブする。そして32分、左SH相馬のクロスをFWジョーがヘディングで落とし、CB中谷がヘディングシュート。何とグランパスがまたまた同点に追い付いた。しかし35分、CBシミッチが自陣でボールを持つと、FWウェリントンのプレスを受けて、FWビジャに奪われると、ビジャはそのままゴールへ一直線。堪らず飛び出したGKランゲラックが足元を払い、PKを宣告される。これをビジャが決めて、4度目、ヴィッセルがリードする。シミッチはいかにもCHの選手らしい軽いプレー。本職だったらもっと安全にプレーしただろうに。

 もう一度追い付きたいグランパスは39分、和泉を下げて左SH金井を投入。相馬を右SHに回す。しかし42分、右SB西のパスを受けた右SH小川がワントラップでCBシミッチを置き去りにしてゴールへ迫り、シュート。ダメ押しの5点目を挙げる。その後、グランパスも45分、FWシャビエルの落としから左SH家内がシュート。45+2分にはシャビエルのCKにCBシミッチがヘディングシュートを放つが、枠を捉えられない。そしてタイムアップ。5-3。主審の不審な判定もあって大味になったゲームは5-3。ホームのヴィッセルが勝利した。

 グランパスはこれで8位転落。6試合勝利がない。千葉をベンチに置きながらシミッチをCBで起用した攻撃偏重の風間采配が裏目に出たゲームだった。次節の相手は5連敗中のベルマーレ。相手も必死に戦うだろう。ここで負けたらどうなってしまうのか。風間体制になって3年目。毎回夏前には勝利に見放される時期を迎える。これまではその度に大幅な選手補強をしてきたが、さすがにもうそれはないだろう。観客動員が多ければいいというものではない。いい加減、勝てるチームを作ってほしい。