とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子ワールドカップ 準決勝 イングランド対アメリカ

 準々決勝でFIFAランキング2位のドイツがスウェーデンに負けてしまった。このイングランドアメリカが事実上の決勝戦になるかもしれない。アメリカはラピノーがケガで代わりに左SHプレスが先発。左IHにはホランが先発した他はフランス戦と同じメンバーだ。対するイングランドグループリーグの日本戦とは大きく変えてきた。まず布陣はボランチにスコットとウォルシュが並ぶ4-4-2。FWにホワイトとパリスが並び、右SHデイリー、左SHミード。DFは日本戦と変わらないが、GKにはテルフォードが先発した。

 4分、右IHラベルがCBブラントと左SBストークスを抜いてシュート。GKテルフォードが弾き返すが、左SHプレスが拾って、クロスにCFモーガンボレーシュート。枠は外したが、いつものように序盤からアメリカが攻勢をかける。それでもイングランドは当然それを想定してしっかりとした守り。このまま守り切れるかと思った10分、右SHヒースがドリブルで仕掛け、右へのパスを右IHラベルがスルー。これで対応が遅れたイングランドのDFに対して、右SBオハラがクロスを入れると、ファーサイドから左SHプレスがヘディングシュート。やっぱりまたもアメリカが前半序盤で先制点を挙げた。16分には右IHラベルがミドルシュート。このまま押し込まれるイングランド

 と思ったら、19分、CHウォルシュから大きく左へサイドチェンジ。左SHミードの絶妙なクロスにFWホワイトが抜け出してシュート。FWホワイトの抜け出しも見事。イングランドが最初のチャンスをモノにして同点に追い付いた。28分には右SBブロンズがドリブルからカットイン。左サイドに流して左SHミードがフリーになるが、足を滑らせて絶好のチャンスを逃した。さらに直後にはCHウォルシュのクロスをCBソーアーブランがクリアするが、あわやオウンゴールイングランドが盛り返してきた。

 ところが31分、アメリカが左IHホランのクロスにCFモーガンがヘディングシュート。イングランドと似たような形で、今度はCFモーガンがDFラインを抜け出して勝ち越し点を挙げた。さすがアメリカ。しかしイングランドも負けてはいない。33分、CHウォルシュのミドルシュートが枠に飛ぶ。しかしGKネアがファインセーブで弾き出した。アメリカも36分、CHアーツがミドルシュートを放つが、これは枠の外。しかしお互い力強い戦い方で前半は2-1。アメリカのリードで折り返した。

 後半5分、CHウォルシュが中盤右サイドからFKをアメリカのゴール前に入れると、CBブラントがヘディングで折り返し、こぼれ球をFWホワイトがオーバーヘッド。でもGKネアがキャッチする。その後はなかなかイングランドの攻撃が機能しない。そこで13分、左SHミードを下げてOHカービーを投入。パリスを右SHに移し、デイリーを左SHに回す。14分、GKテルフォードからCBブライトへのパスをCFモーガンがカット。シュートを打たれるが、枠は外れた。

 アメリカは20分、右IHラベルをミュウィスに交代する。そして22分、イングランドはCHウォルシュからの縦パスをCHスコットがアウトサイドでワンタッチ・スルーパス。これにCFホワイトが抜け出してシュート。一瞬の隙を突いて、またもイングランドが同点に追い付いた。と思ったが、主審がVARで確認。わずかにオフサイドでゴールが取り消された。惜しい。きれいなゴールだったのに。するとアメリカはフランス戦同様、アーツをDFラインに下げ、5バックにして守備を固める。

 26分、イングランドはCHウォルシュに代えてムーアを投入。すると34分、CHムーアの縦パスをOHカービーが左に展開。左SBストークスのクロスにCFホワイトが走り込む。だがPA内で空振り。チャンスは潰えた。かと思った。しかし主審が時間をかけてVARを確認。シュートの直前、CBソーラーブランに押されたとしてPKが与えられた。これをキャプテンのCBホートンが狙うが、GKネアがナイスセーブ。アメリカが同点を許さない。35分には右SHヒースを下げて、ベテランのCFロイドを投入。さらに守備を固めていく。モーガンは右SHへ。

 その後も必死に攻め続けるイングランドだったが、41分、CBブライトが深いタックルで2枚目のイエローカードを受けて退場。イングランドが一人少なくなってしまう。それでも3バックのまま攻め続けるイングランド。45+1分にはCHムーアがミドルシュートを放つが、アメリカが選手交代やケガ、そしてコーナー付近でのボールキープなどで巧みに時間を使い、そのまま逃げ切った。2-1。アメリカが決勝進出を決めた。

 実力的にはアメリカの方が圧倒的に上。だがイングランドの攻撃にも一瞬の切れ味があって、勝てるチャンスはあった。後半22分のオフサイドは本当に惜しかった。そしてPKを決めていれば。それでもしっかりと勝ち切るところがさすがアメリカ。先制した後の緩みが若干気になるが、W杯連覇に向けて死角はない。この勢いで優勝を決めるだろうか。相手はオランダ。日本との実力差も間接的に測ることができるだろう。決勝戦も楽しみだ。