とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

コパ・アメリカ 3位決定戦 アルゼンチン対チリ

 コパ・アメリカも残すところ2試合。チリが準決勝でまさかの敗退。ペルーに0-3で屈し、アルゼンチンと3位を争うことになった。南米のチームにとって3位とはどうなんだろうかと思ったが、両チームともベストなメンバー。これは面白いゲームが観られるぞ。と思ったが、結果的には主審が壊したところもあるが、それでもまあ面白いゲームだった。

 アルゼンチンはCFディバラが今大会初先発。左FWアグエロ、右FWメッシと3トップを組んだ。中盤はパでレスをアンカーに、右IHデパウル、左IHロチェルソ。DFは右から右SBフォイス、CBペッツェーラ、CBオタメンディ、左SBタグリアフィコ。GKはアルマーニ。若いフォイスが準決勝に続いて先発した。対するチリは3-5-2の布陣。バルガスとサンチェスの2トップの下に、右IHアランギス、左IHビダル。プルガルがアンカー。WBは右にイスラ、左にボーセジュールが上がり、3バックはハラをセンターに右CBメデル、左CBディアス。GKはアリアスだ。

 アルゼンチンが序盤からうまくパスをつないで攻めていく。7分、FWアグエロミドルシュートはわずかにポストの左。そして12分、右FWメッシの仕掛けからFKを得ると、メッシが速いリスタート。FWアグエロがしっかり反応して抜け出すと、GKをかわしてシュート。アルゼンチンが先制点を挙げた。15分にはFWアグエロの落としから右FWメッシがドリブル。DFに止められたが、こぼれ球を左IHロチェルソがミドルシュートを放つ。そして17分、チリはFWサンチェスが太もも裏の痛みを訴え、フェルナンデスへの後退を余儀なくされる。これは痛い。

 20分、右IHデパウルの落としから右FWメッシがミドルシュート。GKアリアスがナイスセーブで弾き出すが、アルゼンチンは中盤のバランスが良く、ディバラの入った3トップもうまく連携が取れている。そして22分、左IHロチェルソのスルーパスにCFディバラが抜け出すと、GKをかわしてシュート。追加点を挙げた。31分には右FWメッシのクロスにCFディバラがボレーシュートを放つ。これは左に外したが、メッシとディバラの関係も悪くない。このまま二人の連携をもっと見たいと思った矢先、37分、CFディバラのスルーパスに右FWメッシが走り込むが、CBメデルがカバー。うまくエンドラインを割らせるが、その時のプレーに腹を立てたCBメデルがメッシの胸に身体をぶつける。胸を張ってぶつかり返すメッシ。二人の間に入った主審がレッドカードを提示した。二人とも退場になってしまった。メッシには少しかわいそうな判定。観客にとっても残念な判定だ。前半はこのまま終わった。

 両チーム、4-3-2の布陣にしたが、後半もアルゼンチンが攻める。4分、左サイドでFWアグエロのキープから、戻しを左SBタグリアフィコが中へつなぐと、左IHロチェルソがFWディバラに向けてスルーパス。これはCBディアスがブロックするが、こぼれ球をロチェルソがシュート。GKアリアスが顔面でブロック。これを拾ったFWディバラのクロスをGKアリアスが弾くと、こぼれ球をCHパレデスがミドルシュート。DFブロックのこぼれ球もFWアグエロがキープ。右IHアランギスが倒したように見えたが、主審はファールを取らず。チリは何とかクリアした。

 5分、チリはCBハラがケガでCBマリパンに交代する。その後もお互い攻め合う場面が続くが、14分、ボールがサイドを割ったタイミングで主審が突然VARを要求。少し前にチリが攻め込んだ際に、右IHアランギスに対して左IHロチェルソがタックル。倒していた。しかしビデオで見る限り、PAのわずかに外と思ったが、主審はPKを宣告する。これをビダルがど真ん中に決めて、チリが1点を返した。メッシがいなくなったゲームを盛り上げようという意図でもあったのか。これで勢いの出たチリは15分、FWフェルナンデスがミドルシュートを放つ。

 アルゼンチンも22分、FWディバラに代えてディマリアを投入。もう少しディバラを観たかった。1点を返したチリは27分、FWアグエロからボールを奪い、右IHアランギスがスルーパス。FWバルガスが抜け出してシュートを放つが、GKアルマーニがキャッチする。32分にはFWディマリアがドリブルでDFを二人かわし、横パスにFWアグエロがシュート。だがGKアリアスがブロック。後半はアルゼンチンのシュートもなかなかゴールに入らない。35分にはFWディマリアのスルーパスに反応し抜け出したFWアグエロがシュート。だがわずかに右に外した。

 36分、アルゼンチンはFWアグエロに代えてマルティアス・スアレスを投入する。チリも38分、右IHアランギスに代えてカスティージョを投入。バルガスが下がって中盤でプレーする。アルゼンチンも45分、左IHロチェルソを下げてCBフメス・モリを投入。5バックにして守る。結局、チリのシュートは後半の3本のみ。2-1でアルゼンチンが勝利した。

 メッシが途中で退場してしまい、チリのPKも主審が与えたような判定で、あの後、チリが同点に追い付いてしまったらどうなるんだろうかと心配したが、アルゼンチンが踏ん張ってそのままゲームを終えてもらってよかった。アルゼンチンにとって3位は不本意だろうが、初戦コロンビアとの不甲斐ないゲームを思えば、その後よくチームがまとまり、戦えるチームになっていった。特にパレデスをアンカーに右IHデプル、左IHロチェルソの中盤が確立したのは大きい。またFWもディバラを加えた3トップでいいのではないか。

 来年もまたコパ・アメリカが開催されるという。しかもアルゼンチンとコロンビアでの南北分散開催。次回は日本の参加はないが、アルゼンチンには次回こそ優勝を狙いたいのではないか。さて残るは決勝戦のみ。ペルーはどんなサッカーをしているのだろうか。ブラジルの優位は変わらないだろうが、いいゲームを観たいものだ。