とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子ワールドカップ決勝 アメリカ対オランダ

 いよいよ女子ワールドカップも決勝戦を迎えた。もっとも対戦カードはFIFAランキング1位のアメリカに対して8位のオランダ。ゲームをする前からどちらが勝者か想像できる。それでもオランダがどんなゲームをするのか。8年前、日本が決勝に進出した時の、日本人以外の女子サッカーファンは同じような思いで観始めたのかもしれない。今回、オランダが予想以上に善戦した。その姿を見つつ、ふとそんなことを思った。

 アメリカは左WGラピノーが先発に戻って、ほぼベストメンバー。中盤はアーツをアンカーに、右IHミュウィス、左IHラベルが入った。対するオランダは日本戦とはかなりメンバーが違う。ベーレンスタインをトップにミーデマがトップ下に入る4-2-3-1。右SHにファンデドンク、左SHにはマルテンス。ボランチにスピツェとフルーネンが並び、DFは右からファンルンテルン、CBデッカー、CBファンデルフラフト、左SBブラッドワース。GKにはファンフェーネダールが入る。

 これまでの6試合、いすれも前半12分以内に先制点を挙げてきたアメリカが、このゲームでも積極的に仕掛けてくる。しかしオランダはしっかりと守備を固め、アメリカにシュートすら許さない。17分、左WGラピノーのCKから右WGヒースの縦パスを右IHミュウィスがDFと競って、子bれ球を拾った左IHラベルがクロス。だがGKファンフェーネダールがナイスセーブする。逆に26分、OHミーデマのスルーパスにCFベーレンスタインが走る。あわやのタイミングでGKネアがセーブしたが、ベーレンスタインの速さは脅威になる。

 それでも28分、左WGラピノーのCKをCHアーツがニアでフリックすると、DFのはね返りをアーツがミドルシュート。GKファンフェーネダールがファインセーブ。さらにアメリカの猛攻が続く。38分、左WGラピノーのクロスに右IHミュウィスがヘディングシュート。しかしGKファンフェーネダールがファインセーブ。さらに直後にもラピノーのクロスからCFモーガンのシュートをGKファンフェーネダールがナイスセーブする。さらに40分、今度はCHアーツの縦パスからCFモーガンが持ち出して、反転シュート。これもGKファンフェーネダールがファインセーブで弾き出した。GKファンフェーネダール、神懸り。オランダも43分、左SHマルテンスの縦パスに走り込んだCFベーレンスタインをCBダールケンパーが倒して得たFKをCHスピツェが直接狙うが、DFにクリアされた。その後もオランダが攻め続ける。45+3分にはOHミーデマがドリブルでDFを2~3人抜いて、クロスのこぼれをCHスピツェがミドルシュート。前半はスコアレスのまま折り返した。

 アメリカは後半最初から右SBオハラをクリーガーに交代する。後半1分、左WGラピノーのCKにCHアーツがニアに走り込んで、ヘディングシュート。3分、左WGラピノーのミドルシュートはGKファンフェーネダールがキャッチ。7分には左SNダンがミドルシュートを放つ。しかし後半もオランダが魂の籠った守備をして崩れない。このまま耐え続ければ何かが起きる。と期待したが、16分、右WGヒースのクロスがDFに当たってPA内に落ちてくる。これをクリアしようしたCBファンデルフラフトの足がCFモーガンの身体に当たる。いったんはCKに流した主審だったが、VARからの要請で確認後、アメリカにPKが与えられた。蹴るのは左WGラピノー。これが決まり、アメリカが先制点を挙げた。オランダにとっては惜しい失点。

 それでもしばらくはオランダも落ち着いて@うれーを続ける。20分にはOHミーデマがドリブルでDFを2~3人抜いて仕掛けたが、最後はDFに止められる。すると24分、アメリカは左IHラベルが中盤をドリブルで持ち上がると、マークがズルズルと下がる中、思い切ったミドルシュート。これが決まり、アメリカに追加点が入った。

 直後の25分、オランダは左SHマルテンスに代えてルートを投入する。26分、左WGラピノーのドリブルから右WGヒースが切り返してシュート。CHスピツェがブロックする。28分、オランダはCBデッカーに代えてファンデサンデンを投入。布陣は3-4-3か。ミーデマをトップ下にして、ベーレンスタインとファンデサンデン、左WGにはファンデドンクが入る。中盤はスピツェをアンカーにフルーネンとルートがIHに並ぶ。

 31分、左SBダンのシュートはGKファンフェーネダールがファインセーブ。オランダも32分、CFベーレンスタインがドリブルからミドルシュートを放つが、GKネアがキャッチする。35分、CHスピッァのFKはわずかにポストの左に外れる。アメリカは34分、左WGラピノーに代えてプレスを投入。アーツをCBに下げて3バックにして守備を固める。38分、CFモーガンのシュートはGKファンフェーネダールがナイスキャッチ。42分には右WGヒースに代えてCFロイドを投入。モーガンを右WGに下げる。この時間帯、オランダもさすがに疲れてオープンな展開が続く。44分にはOHミーデマの落としから左IHルートがミドルシュートを放つが、枠を外す。そしてタイムアップ。アメリカが2-0で勝利して、ワールドカップ2連覇を飾った。

 今大会、アメリカの圧倒的な強さが際立った。決勝トーナメントでは決勝以外、いずれも2-1のスコアだったが、内容的には圧勝。フランスもイングランドも寄せ付けなかった。それでも最後の決勝戦はオランダがよく抵抗。VARによるPKの判定がなかったらどうなっていたかわからない。オランダの健闘を称えたい。しかしアメリカの強さは別格。来年の東京オリンピックとの2冠も易々と達成してしまいそうな勢いがある。今回、直接対戦しなかったなでしこには、来年までに打倒アメリカの秘策を研究しておきたい。