とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第19節 セレッソ大阪 対 名古屋グランパス

 最近2勝1分、昇り基調のセレッソに対して、グランパスは9位。3連敗中。5月になって以降、7試合勝ちなし。うーん、これって私の体調不良と一緒じゃないか。セレッソは第13節、サガン戦から奥埜をFWで起用。さらに第17節のベルマーレ戦からは木本をCHに上げて、19歳瀬古をCBで起用にしている。FW奥埜と組むのはブルーノ・メンデス。ボランチは藤田と木本。右SH水沼、左SH清武。他もいつものメンバー。右SB松田、左SB丸橋。CBヨニッチ。GKはキムジンヒョン。一方グランパスはCB丸山の負傷で布陣もメンバーも変えてきた。FWには長谷川が戻り、ジョーとコンビを組む。右WBにマテウス、左WBは和泉。中盤はエドゥアルド・ネットをアンカーに、右IHシミッチ、左IH米本。DFは右から右CB宮原、CB中谷、左CB吉田。そしてGKはランゲラック。エドゥアルド・ネットが下がって守備ラインに入るとはいえ、やはり超攻撃的なことは変わりない。

 6分、グランパスがFW長谷川の落としから左IH米本がミドルシュートを放つと、これをキャッチしたGKキムジンヒョンが大きく左サイドにフィード。左SH清武が右サイドに大きくサイドチェンジすると、右SH水沼のクロスにFW奥埜が走り込む。わずかに届かなかったが、その後の失点を予感させるようなサイド攻撃を見せる。グランパスは相変わらず中央突破。11分、FWジョーが縦パスを右IHシミッチに入れると、こぼれ球を拾った左SH和泉のクロスにFWジョーがシュート。だが枠を捉えられない。15分には左SB丸橋のクロスにFW奥埜が滑り込むが、シュートはわずかに届かなかったのか、身体の下に入ってしまい、DFにクリアされる。

 そして22分、右SB松田の縦パスをFW奥埜がつないで右に流すと、右SH水沼が切り返しでDFをかわし、ファーサイドへのクロスに左SB丸橋がフリー。ボレーシュートを決められ、セレッソが先制点を挙げた。グランパスは中央こそ、シミッチや米本、エドゥアルド・ネットと守備にも強い選手が揃っているが、サイドは右WBマテウス、左WB和泉。DF陣にも攻撃参加を要求する一方、守備は中盤の選手たちが対応せざるを得ない。しかし届かない。攻めればいいと言うもんじゃない。

 24分には左SB丸橋のクロスにFWブルーノ・メンデスが走り込んでボレーシュート。29分、FWブルーノ・メンデスから左に展開。左SH清武の縦パスを右SH水沼が落とし、清武がシュート。DFがブロックする。グランパスも36分、左CB吉田のクロスに右IHシミッチとDFが競ったこぼれ球をCHエドゥアルド・ネットが拾い、クロスを入れるが、GKキムジンヒョンがナイスセーブする。38分にはCHエドゥアルド・ネットのヒールパスから右WBマテウスミドルシュートを放つが、枠を外す。続くゴールキックをFWブルーノ・メンデスが収めて、右SH水沼のクロスからブルーノ・メンデスがミドルシュート。GKからの攻撃もきちんと整理されている。42分には左SH清武のクロスに右SH水沼が抜け出してシュート。GKランゲラックがナイスキャッチした。

 前半はここで折り返す。守備も攻撃もきちんと整理され、組織的に戦うセレッソに対して、グランパスは即席の場当たり的。敵も戸惑いが、味方も戸惑う。だからミスが多い。難しく動いて何とか相手を崩しても、いざシュートの場面では既に力が残っていない。楽にシュートが打てるシーンが少ない。一方、セレッソはシュートに至る前にしっかりと崩せているので、シュートチャンスでのストレスも少ないのではないかな。

 グランパスは黄斑最初からFW長谷川を下げてCB櫛引を投入。米本をFWに上げる4-4-2。なぜ米本を下げない? 無理に米本にFWをやらせる意味が分からない。それでも4バックにしてようやくDFも落ち着いたか、セレッソが攻め込む場面は少なくなった。9分、左SH和泉の縦パスに走り込んだ左SB吉田のクロスに右SHマテウスがヘディングシュート。しかし枠は捉えられない。ゴール前まで入れなくなったセレッソは10分、CH木本がミドルシュート。さらにFW奥埜もミドルシュートを放っていく。

 なかなかチャンスが作れないグランパスは13分、右SHマテウスに代えて前田を投入。個人突破に期待する。それでも16分、セレッソは左SH清武がミドルシュートグランパスも17分、CHシミッチの縦パスを左SH和泉は落とし、FW米本がミドルシュート。しかしGKキムジンヒョンがキャッチする。27分、右SH前田が中へカットインしていくが、DFがよく付いて、なかなかシュートが打てない。ようやく放ったシュートも枠は捉えられない。直後にはCHエドゥアルド・ネットを下げて左SH相馬を投入。米本をCHに下げて前田をFW。和泉を右SHに回す。セレッソも30分、FW奥埜に代えて高木を投入する。

 するとこれが功を奏する。33分、グランパスDFからのクリアをFWブルーノ・メンデスが拾うと、スルーパスにFW高木が抜け出してシュート。いったんはGKランゲラックがはね返すが、こぼれ球をさらに高木がシュート。セレッソが試合を決める追加点を挙げた。39分には左SH清武に代えて田中亜土夢を投入。機動力を加えて守備を固める。40分過ぎ、CH米本が左SH田中と頭をぶつけて、しばし中断。米本に痙攣的な動きが見えて心配したが、何とか復帰。しかし米本にとっては散々なゲームだった。

 7分という長いアディショナルタイムに、CB中谷のクロスからFWジョーのヘディングシュート。45+4分にはFW前田のクロスをFWジョーが落とし、左SH相馬がシュートしたが、DFがブロック。逆に45+6分、直前に投入されたCH片山のフィードにFWブルーノ・メンデスが抜け出し、ドリブルからGKランゲラックの股下を抜くシュートを決めて3点目。セレッソが快勝。監督の差も露わになったゲームだった。

 これで4連敗。もういい加減、風間監督は代えてもいいのではないか。結局、毎年リーグ序盤こそは勝てても、相手チームが研究し対策を講じてくると、それを突き破る戦術がない。ゲーム途中の布陣変更も突発的で功を奏することは少ない。ゲーム後の監督コメントを見ても、毎回、最後は選手の気持ちの問題を指摘しているが、難しいことをやらされ、挙句の果てに精神面を指摘される選手もかわいそうだ。米本を褒めていいのではない。謝るべきではないか。理論や理想は高いかもしれないが、それが選手のポテンシャルに合っていない。プレミアリーグブンデスリーガなどもっと選手レベルの高いクラブで監督をやってくれ。もっとも今のサッカーを続けることで、より高いレベルのチームから監督オファーがあるとも思えないのだが。