とんま天狗は雲の上

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J2リーグ第22節 FC岐阜 対 ジェフ千葉

 グランパスがあまりに情けない。風間監督と同じようなパスサッカーを展開するが結果が出ず、ついに大木監督を解任したFC岐阜。その後任には前カマタマーレ讃岐の北野監督が就任した。「監督の異常な愛情」の中でも最もチームへの愛情を感じさせてくれた監督。カマタマーレ退任後はしばらくフリーだったが、その間のTwitterにもサッカー愛があふれていた。最下位のFC岐阜をどう立て直していくのか。興味を持ってこのゲームを観戦した。

 北野監督が就任して4試合目。就任直後は連敗スタートだったが、前節ようやくアビスパ相手に初勝利を挙げた。それも3ゴール。8連敗中はなかなか得点が少なく悩んでいたようだが、これはだいぶ期待できるか? 対する相手は18位ジェフ。ジェフもハイプレス・ハイラインのエスナイデル監督で結果が出ず、わずか第5節で江尻監督に交代した。その後は5勝6敗とまずまずの成績を上げてはいるが、依然18位は物足りない。このところ2敗1分と調子を落としている。

 FC岐阜の布陣は4-4-2。前田遼一とライアン・デ・フリースの2トップに、右SH川西、左SH山岸。ボランチに宮本と市丸が並び、DFは右から右SB藤谷、CB阿部、CB竹田、左SB甲斐。GKにはドイツ人のヤン・オレ・ジーバースが入る。右SH川西は前節2ゴールの活躍だ。対するジェフも4-4-2。船山とクレーベが2トップに入り、右SDH堀米、左SH為田。ボランチに矢田と熊谷アンドリュー。DFは右から右SBゲリア、CB鳥海、CB増嶋、左SB下平。GKは鈴木椋大

 開始13秒、ジェフが攻め込む。FWクレーベから左に展開すると、左SH為田のクロスに右SH堀米がシュート。入ったかと思ったが、わずかにポストの左を通過した。右SH堀米は積極的に左サイドまで入ってきてプレーする。しかし4分、FC岐阜はCH市丸の縦パスをCH宮本が落とすと、FW前田が縦に入れて、FWフリースの落としをFW前田がミドルシュート。きれいにゴール左隅に決まった。FC岐阜が幸先よく先制点を挙げた。6分には右SH川西がドリブルで持ち上がりミドルシュートを放つ。

 しかし13分、ジェフも右SH堀米のCKから左SB下平がアウトサイドでシュートを放つと、16分には左SH為田のパスを右SH堀米が縦パス。FW船山が持ち出してミドルシュートを放つ。GKジーバースの正面に飛んでセーブされるが、お互いよく攻め合って面白いゲームが続く。だが、右SH川西が中に絞りがちなFC岐阜の右サイドを突いて、右SH堀米がよく走り、ジェフが左サイドから攻めていく。すると25分、左サイドに回ったSH堀米のクロスにFWクレーベが飛び込んでシュート。ジェフが同点に追い付いた。右SH川西の寄せが甘い。

 するとその後はジェフがペースを握る。30分、FW船山のFKをGKジーバースがパンチングでクリア。これをCH矢田がミドルシュート。GKジーバースが弾いたボールに左SB下平がヘディングシュート。だがバーに当たってはね返される。31分にはFW船山から右に展開。右SH堀米のクロスにFWクレーベがシュート。ポストの右に外れる。34分、FW船山の縦パスに走り込んだ右SH堀米のクロスをFWクレーベがヘディングシュート。だが枠を捉えられない。さらに37分、右SBゲリアのパスをCH熊谷がスルーパス。右SBゲリアが走り込み、クロスに左SH為田がフリーでシュート。しかしふかしてしまった。25分以降はジェフが圧倒したが、ゴールならず。前半は1-1の同点で折り返した。

 攻めるジェフは後半3分にもCH熊谷のクロスにFW船山が飛び込むがわずかに届かない。続く船山のCKはサインプレーからCH矢田がミドルシュート。DFがブロックした。6分、FC岐阜もカウンター。FW前田が縦に送ると、左SH山岸が左に展開。FWフリースのクロスはDFがクリアした。しかしこれで攻め込んだFC岐阜は7分、CH市丸がサインプレーのCK。これにCH宮本が合わせてミドルシュートを放つ。ゴール。FC岐阜が勝ち越し点を挙げた。

 するとこれを守り切ろうとしたのか、12分、FC岐阜はFWライアン・デ・フリースに代えてフレデリック。17分にはCH市丸に代えてハムヨンジュンを投入する。一方、ジェフも13分、右SH堀米に代えて見木、20分には左SH為田に代えて佐藤寿人を投入する。おお、寿人! 当然FWに入り、見木は左SH、船山が右SHに下がる。しかしこの選手交代でゲームは膠着する。24分、FW前田のパスから左SH山岸がシュートを放つが、その後はお互いシュートがない。ジェフが基本、攻めていくが、FC岐阜もしっかりと守る。

 すると33分、ジェフは右SBゲリアに代えて安田理大を投入。このままFC岐阜が勝利するかと思った後半45分、左SH見木のパスに左SB下平が走り込み、クロスをFW佐藤寿人がスルー。FWクレーベのシュートはGKジーバースがファインセーブ。こぼれ球にゴール前で密集ができるが、こぼれ球をFW船山が拾うと、落としを右SB安田がミドルシュート。これが決まり、ジェフが土壇場で同点に追い付いた。アディショナルタイムはジェフが攻勢。45+5分にはFW船山のCKからCH矢田がミドルシュートを放つが、DFがブロック。そしてタイムアップ。J2降格圏の争いは2-2の引分けに終わった。

 しかし面白いゲームだった。お互いJ2で低迷してきたチーム同士ということでもっとグズグズのゲームも覚悟したが、十分に楽しめる。いやグランパスのゲームよりも精神衛生的によいかもしれない。FC岐阜も戦えるチームになって、きっと最下位を脱してくれるだろう。ジェフもこんな順位にいるチームではない。というか今年のJ2はJ1同様、下位が混線。最下位FC岐阜と15位レノファまでの勝ち点差はわずか10。まだ20試合もあるので、これからどうなるか全く予断を許さない。上位も首位サンガと11位ヴォルテスとの勝ち点差はわずか9。そして各チームそれぞれ個性的な戦い方をしているようだ。これからも機会を見てJ2のゲームを観てみよう。まずはFC岐阜を追いかけようかと思う。