とんま天狗は雲の上

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Jリーグワールドチャレンジ 川崎フロンターレ対チェルシー

 ヨーロッパの主要リーグは新シーズンに向けて、移籍選手も含めた準備期間。各地でプレシーズンマッチが行われている。日本にはこの夏、チェルシーバルセロナ、マンCが来日する。その初戦、フロンターレチェルシーを迎え打つゲーム。前節は首位FC東京を3-0で破り、好調のフロンターレチェルシー相手にどこまでやれるか。会場には6万人を超す観客が詰めかけた。

 フロンターレはOH中村憲剛に代えて家長、右SBに守田を起用した他はFC東京戦と同じ先発。CH田中碧やCH下田らの若手もいて、経験を積ませたいという意図も見える。対するチェルシーはベチュアイをワントップに、右SHペドロ、左SHケネディ。トップ下には20歳のマウントとこちらも若手のプレーを確認したいといった布陣。一方、中盤から後ろはコバチッチとジョルジーニョのダブルボランチに、右SBアスピリクエタ、左SBマルコス・アロンソ。CBにはダビド・ルイスとズマ。GKはカバジェロ。守備陣は昨季までの慣れたメンバーが顔を揃えた。アザールが移籍した後の攻撃陣はどうなるのか。ランパード新監督の采配が最大の見ものかもしれない。

 序盤はお互い攻め合うが、シュートまでは行けない。フロンターレが組織的に守り、また攻めるのに対して、チェルシーの攻撃は個の能力頼みという感じ。10分、フロンターレは左SB登里の落としからCH田中碧が縦に送ると、登里が走り込んで、クロスのこぼれをOH家長がボレーシュート。GKカバジェロがキャッチする。チェルシーも15分、CHジェルじーにょのフィードに走り込んだ右SHペドロがシュート。これはGKチョンソンリョンがキャッチ。17分、OHマウントの縦パスからCFバチュアイがミドルシュートを放つと、29分には右SHペドロのミドルシュートがわずかにバーの上。やはり個々の能力は高い。

 そして39分、CHコバチッチのサイドチェンジに走り込んだ右SBアスピリクエタがクロス。CFバチュアイの落としをOHマウントがシュートするが、CBジェジエウがブロックする。45分には左SH齋藤学のパスからOH家長がミドルシュートを放ったが、GKカバジェロがセーブ。前半は緊張感ある互角の展開。スコアレスのまま折り返した。

 ところが何とこのゲーム、最大9人まで選手交代が可能。後半最初からフロンターレはCF小林とOH家長を下げて、知念とレアンドロ・ダミアンの2トップ。両SHも下げて右SH脇坂、左SH長谷川。さらに右SBに馬渡を入れて守田をボランチに上げ、下田をベンチに下げた。一方、チェルシーも5人の選手交代。CFはバチュアイに代えてジルー。ケネディを右SHに回して、左SHにマウント。トップ下にバークリーを投入する。また両SBも交代。右SBザッパコスタ、左SBエメルソン。CBズマを下げてクリステンセンを投入した。

 この選手交代でゲームはいよいよ大味になる。4分、OHバークリーの縦パスから左SHマウントが切り返してミドルシュートフロンターレも10分、FW知念のクロスにFWレアンドロ・ダミアンがヘディングシュートを狙うが、ポスト右に外した。チェルシーは11分、ダブルボランチもバカヨコとドリンクウォーターに交代。14分にはOHバークリーのパスから右SHケネディがシュート。19分には右SBザッパコスタが仕掛けてミドルシュートを放つ。

 20分、フロンターレも選手交代。CH田中碧に代えて山村。GKも新井に交代する。一方、チェルシーも左SHマウントに代えてプリシッチを投入。バークリー、ケネディ、そしてプリシッチの攻撃陣はなかなか面白そうだ。25分、右SHケネディの縦パスをCFジルーが落とし、OHバークリーのスルーパスに右SHケネディが抜け出してシュート。GK新井がナイスセーブを見せる。27分にはCBダビド・シルバのFK。だが壁に当たる。29分にはPA右隅からFWジルーが直接FKを狙うが、これもGK新井がファインセーブした。

 チェルシーは26分、右SHケネディに代えてパルマーを投入。これで9人目の交代。一方、フロンターレも39分、左SB登里に代えてCH中村憲剛を投入する。守田を左SBに回す。40分、右SHパルマーのクロスにCFジルーがヘディングシュート。しかしあまり強くは叩けず、GK新井がキャッチした。フロンターレはCH中村憲剛の投入が大きかったようだ。40分、CH中村の縦パスに右SB馬渡が走り込んで、クロスにFWレアンドロ・ダミアンがヘディングシュート。これはバーを叩く。そして41分、CH中村の縦パスに走り込んだ右SH脇坂のクロスを左SH長谷川が落とすと、CH山村がミドルシュート。GKカバジェロがナイスセーブ。しかし続くショートCKから脇坂がクロスを入れると、DFがはね返す。これを拾ったCH中村がフワッと逆サイドへクロス。FWレアンドロ・ダミアンがヘディングシュートを叩き付け、何とフロンターレが先制点を挙げた。

 その後はCKからCFジルーのヘディングシュートをあったが、枠には入らず。そのままタイムアップ。1-0でフロンターレが勝利した。所詮は親善試合。特に後半はお互い選手を激しく交代させて、ゲームコントロールが難しくなっただろうが、それでも中村憲剛の存在感は光った。一方、チェルシーも中盤から後ろの守備は健在。攻撃は後半の方が本命だったかもしれないが、まだこれから連携を作っていく段階。アザールが抜けて、バークリー中心のチームにしていくのだろうか。ランパード監督がカンテをどう使っていくかも気になる。23日にはチェルシーバルセロナの対戦も組まれている。少しずつ今季への期待が高まっていく。