とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第27節 サンフレッチェ広島 対 名古屋グランパス

 ついに、ようやく、風間監督を解任したグランパス。遅すぎるという気もするが、2週間のインターバルがあり、16位との勝ち点差はわずか4ながら11位という順位。監督交代をするためのランスチャンスというタイミングでようやく英断。新聞によれば、大森統括スポーツダイレクターは早くから風間監督解任を主張していたが、小西社長が固辞していたとのこと。観客動員数を大幅に伸ばしたことを評価される小西社長だが、しょせんサッカーについては素人。大森統括の進言を入れて、もっと早く決断してほしかった。

 とは言っても、5位サンフレッチェ相手にフィッカデンティ新監督が選手たちにどんな指導をし、どんなサッカーを展開するのか。まずはそこに興味を持って観戦した。グランパスの布陣は4-3-3。CFジョーを下に右FWシャビエル、左FW前田を並べ、中盤はシミッチを中央に右MF米本、左MF和泉。そしてDFは右から右SB吉田、CB中谷、CB丸山、左SB太田宏介。GKはランゲラック。中盤をしっかりと固めてきた。対するサンフレッチェはいつもの3-4-3。渡をCFに、右FW川辺と左FW森島の2シャドー。中盤は稲垣と青山がボランチに入り、右WBハイネル、左WB柏。CBは右から野上、荒木、佐々木。そしてGKは若い大迫。

 グランパスは3ボランチがしっかりとポジションを守って、守備バランスを崩さない。攻撃はジョーにめがけて早いタイミングで縦パスを入れて、FW3人に任せる感じ。10分には右MF米本のパスからCFジョーがドリブル。右に流して、右FWシャビエルの縦パスにCFジョーが走り込む。前をふさがれるとクロス。しかしつながらない。シュートを打てないところがジョーの不調を思わせる。ジョーは17分にもCB丸山のフィードからヘディングシュートを放つが、力なくGK大迫にキャッチされた。

 一方、サンフレッチェもしっかりと守備を固めるグランパスの前になかなかチャンスを作れない。15分、左FW森島がFKから後ろにも野地s手、CH青山がミドルシュートを放つが、GKランゲラックがキャッチ。28分、CB野上のパスを受けた右FW川辺がミドルシュートを放つが、ナーのはね返された。これが両チーム、初めてのチャンスらしいチャンス。グランパスも31分、左SB太田のクロスをCFジョーがしっかり収めて、左FW前田の落としから右MF米本がつなぎ、右FWシャビエルがシュート。だがDFにブロックされた。

 そして33分、左FW森島のCKにCB野上がフリーでヘディングシュート。これが決まり、サンフレッチェが先制点を挙げた。右MF米本がマークしていたはずが、選手が重なる中でマークを外してしまった。痛恨の失点。守りを固めても勝てないのか。するとグランパスは40分過ぎ位からMF米本とMF和泉の左右を入れ替える。そして44分、CHシミッチの中へのパスを左MF米本が縦へ。CFジョーが収めて縦に送ると、走り込んだ左FW前田が右に持ち出してシュート。グランパスが同点に追い付いた。その後はグランパスが前田を左SHに下げて布陣を4-4-2に変更。やり慣れた布陣でイキイキとプレーを始める。しかしすぐにホイッスル。前半は1-1で折り返した。

 後半も4-4-2でスタートしたグランパスだったが、サンフレッチェの攻勢に押される展開が続く。7分、右WBハイネルの斜めのパスを左FW森島がスルー。CF渡が受けて、反転からミドルシュートを放つが、枠を外す。10分にはCH青山がミドルシュートグランパスは最終ラインを固めるものの中盤のプレスが機能せず、DFラインの前で、フリーでボールを持たれる場面が続く。12分にはCF渡を下げて、ドウグラスヴィエイラを投入。15分、右WBハイネルの縦パスを左WB柏が落とし、ハイネルがシュート。GKランゲラックがセーブしたが、サンフレッチェの両WBは怖い。

 24分には右WBハイネルのクロスから右FW川辺がシュート。DFに当たってはね返ったボールをもう一度川辺がミドルシュート。だが枠を捉えられない。その後も攻め続けるサンフレッチェ。28分にはFKのチャンスにCH稲垣と左FW森島がジャンケンしてキッカーを決めるシーンが映し出された。ジャンケンに勝った稲垣だが、FKはグランパスDFにはね返された。そして29分、左FW森島を下げて左WB清水を投入。柏を右WBに回し、ハイネルをシャドーに上げる。グランパスも31分、左SH前田を下げてFW赤崎を投入。布陣も再び4-3-3に戻す。

 するとグランパスの守備も再び安定する。その後はグランパスが攻め込む場面が続いたが、決定機までは掴めず。37分には右FW川辺に代えて柴崎を投入したサンフレッチェアディショナルタイムはパスを回して攻め込むが、グランパスが守り切った。1-1。フィッカデンティ新体制はドロー発進。

 守備重視で攻撃はこれまでのような迫力を欠いたが、セットプレーからの1点に抑えたことは評価できる。サッカーはバランスのゲーム。攻撃だけではダメ。ようやく原点に戻ったグランパス・サッカー。守備の連係が深まれば、中盤からの攻撃参加も増えるだろう。まずはしっかりと守備連携を深めること。そうすればゴールも、そして勝ち点も自然と増えてくるはずだ。これからのグランパスの成長と変化を楽しみにしたい。