とんま天狗は雲の上

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J2リーグ第23節 鹿児島ユナイテッドFC対FC岐阜

 雷雨のため延期となっていた鹿児島ユナイテッドFC岐阜のゲームが行われた。最下位のFC岐阜は勝ち点では21位の栃木ACと並び、20位鹿児島ユナイテッドとの差は3。しかも得失点差はFC岐阜の方が上回っているから、勝利すれば鹿児島と順位が入れ替わって、J3降格圏から脱出できる。「絶対負けられない試合がここにはある!」

 FC岐阜の布陣はいつもの4-4-2。馬場と前田の2トップに、右SH塚川、左SHフレデリックボランチに川西と阿部が並び、DFは右から右SB藤谷、CB當間、CB竹田、左SB甲斐。GKはジーバースが守る。対する鹿児島ユナイテッドは4-2-3-1。ハンヨンテをワントップに、トップ下に枝本。右SH萱沼、左SH牛之濱。ボランチはニウドと中原で組み、DFは右から右SB酒本、CB水本、CB堤、左SB砂森。GKはアンジュンス。酒本と中原は知っている。堤も聞いたことはあるが、他は初めて聞く名前の選手ばかりだ。

 序盤、FC岐阜が積極的に前からプレスをかけて攻めていく。しかし鹿児島ユナイテッドも守りはしっかりしており、なかなかチャンスは作れない。14分、右SH萱沼の仕掛けを左SB甲斐が倒すと、右SB酒本のFKはGKジーバースがファインセーブで弾き出した。お互いマイボールになると前線へ長いボールを蹴り込む形。ピンチを少なく、相手のミスを待つ。20分、CH川西のフィードに左SB甲斐が走り込むと、ゴール前にクロスを入れるが、FW前田にはわずかに合わない。23分には左サイド中盤で得たFKをSHフレデリックが早いリスタート。走り込んだCH川西が切り返してミドルシュートを放つが、GKアンジュンスがファインセーブ。28分にはFW前田のクロスにFW馬場がヘディングシュートするも、これもGKアンジュンスがスーパーセーブ。29分、CH川西のシュートもGKアンジュンスにセーブされた。惜しいシュートをことごとくGKアンジュンスのファインセーブで防がれる。これは厳しい戦いになりそうだ。

 すると30分、鹿児島ユナイテッドはCH中原の縦パスから左SH牛之濱がスルーパス。左SB砂森のクロスはCB當間に当たってポストを叩く。危ない! 38分、FC岐阜はCH川西のスルーパスに抜け出した左SB甲斐のクロスにFW馬場が走り込むが、これもGKアンジュンスが手前でセーブする。すると44分、鹿児島ユナイテッドはCH中原のミドルシュートがポストを叩く。30分過ぎ以降は鹿児島ユナイテッドがパスを回して攻める形に変更。OH枝本が下がって左右に捌き、サイドからクロスを入れるが、FC岐阜のDF陣がはね返す。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半になっても鹿児島ユナイテッドがペースを握って攻め込む展開。2分、左SB砂森のクロスにCFハンヨンテと右SH萱沼が走り込むが、わずかに届かず、ファーに逃げていった。FC岐阜も6分、FW馬場の仕掛けから右SH塚川がミドルシュートを放つが、GKアンジュンスがナイスセーブ。鹿児島ユナイテッドも7分、左SH牛之濱がミドルシュートを放つ。

 なかなかゲームが動かない中、鹿児島ユナイテッドは16分、萱沼を下げて、左SH五領を投入。牛之濱を右SHに回す。一方、FC岐阜も18分、フレデリックを下げてFW村田を投入。馬場を左SHに下げる。五領、村田ともに積極的に仕掛け、お互い攻撃が活性化するが、しかし両チームの守りも堅い。お互い絶対に失点はできない。25分にはFC岐阜が右SH塚川に代えて柳澤を投入。さらに28分、馬場を下げてCH北谷。川西を左SHに上げて、俊足で鹿児島ユナイテッドの守備を攪乱する村田と合わせて攻撃面を強化する。鹿児島ユナイテッドは30分、CFハンヨンテに代えてルカオを投入。

 31分、FW前田のミドルシュートはGKアンジュンスがナイスセーブ。こぼれ球を拾った左SH川西が戻したボールを右SH柳澤がミドルシュートを狙うが、DFにブロックされる。一方、鹿児島ユナイテッドも32分、左サイドを突破したOH枝本のクロスにCFルカオがフリーでドンピシャのヘディングシュート。だがポスト左に外す。助かった。お互い、決定力が問題。34分には左SH川西のCKにCH阿部がヘディングシュート。DFに当たってバーを叩いたように見えたが、判定はゴールキック。38分にもCH阿部のミドルシュートがバーを叩く。

 このままドローで終わってもしょうがないと思ったアディショナルタイム。残り30秒も切った時間帯、鹿児島ユナイテッドの攻撃を右SB藤谷がカットして、左SH川西が左SB甲斐に下げたボールを左SH五領が奪い、こぼれ球を受けたCFルカオがCB竹田をかわしてシュート。CB當間の足に当たったボールはGKジーバースの左肩口を抜けてゴールに突き刺さった。ゴール! そしてタイムアップ。1-0。鹿児島ユナイテッドが終了間際に劇的な勝利を挙げた。

 ピッチに倒れ込むFC岐阜の選手たち。勝っていれば降格圏から抜け出せた試合。引き分けでも残り4試合で勝ち点差3ならまだ可能性はある。だが、逆に敗戦して勝ち点差は6。鹿児島ユナイテッドの残り試合の相手は、首位レイソル、6位ファジアーノ、8位ホーリーホック、18位アビスパ。一方、FC岐阜は、5位ヴォルティス、9位ヴァンフォーレ、11位アルビレックス、13位ヴェルディFC岐阜の方が多少は有利かもしれないが、勝ち点6をひっくり返すのは簡単ではない。これまでカマタマーレの降格を何度も救ってきた北野監督だが、残り4試合になって秘策はあるか。絶体絶命の状況に追い込まれた選手たちにも最後の意地と気力を見せてほしい。ガンバレ、FC岐阜