とんま天狗は雲の上

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東アジアE-1選手権(男子) 韓国対日本

 ここまで2連勝の韓国と日本。得失点差で日本が上位に立ち、引き分けでも優勝という状況だが、韓国にとってはホームで負ける訳にはいかない。韓国の布陣は4-3-3。イビョンヒョプをトップに、右WGキムインソン、左WGにはFC東京のナサンホ。中盤はチュセジョンをアンカーに、右IHソンジュノ、左IHファンインボム。SBは右にキムテファン、左にはかつてアルビレックスでプレーしたキムジンス。CBはガンバのキムヨングォンとキムミンジェ。GKはヴィッセルにいたキムスンギュが守る。一方、日本は3-4-3。上田綺世をトップに、シャドーに鈴木武蔵と森島。WBは右に橋岡、左は遠藤渓太。橋本がケガで、代わってボランチは井手口と田中碧。CBは右から畠中、三浦、佐々木。GKは中村航輔が守る。両チームともに海外組を招集できない中、日本はU-22の選手が半数を占める。

 序盤、韓国が前からプレスをかけてくる。8分にはCHチュセジョンのCKにCBキムミンジェがヘディングシュート。バーを叩く。韓国の圧倒的な攻撃の前に防戦に回る日本。押し込む韓国だが、DFの裏には広大なスペースが空いている。日本もようやく15分、CB三浦のフィードにFW鈴木武蔵が抜け出して、ミドルシュート。だがポスト右に外れた。日本はボランチがDFラインに入って守備をするが、そのため前線と中盤が間延びしてしまう。CF上田が孤立し、FW鈴木武蔵やFW森島との距離も遠い。

 25分にはCHチュセジョンのCKが競り合ったCB畠中に当たってあわやオウンゴール。DFがクリアした。ここまで韓国の攻勢に守勢になりながらも何とかはね返していた日本だったが、28分、右WB橋岡からの縦パスが狙われ、右FW鈴木武蔵のところでボールを奪われる。パスと同時に前に走った橋岡の裏を突く形で左SBキムジンスが駆け上がると、中へのパスを左IHファンインボムがミドルシュート。ついに韓国に先制点を許してします。日本は韓国の厳しい寄せにどうしてもミスが多くなり、有効にボールを前につなげない。中でも、左FW森島や右WB橋岡、CH田中碧ら若手に戸惑いや焦りが感じられる。左SB遠藤やCF上田綺世などはよく戦っていたとは思うが、韓国は守備も強く、攻撃面でなかなかいい形が作れない。前半はこのまま韓国の1点リードで折り返した。

 日本は後半最初から左WB遠藤に代えて相馬を投入する。一方、後半に入って韓国のプレスは明らかに落ちた。日本がパスをつないで攻め込んでいく。だが日本のミスを拾うと韓国がカウンター。2分、左IHファンインボムの縦パスに左SBキムジンスが走り込み、クロスに左WGナサンホがシュート。ポスト右に外す。4分には左WGナサンホが単独でボールを運び、シュートまでいくが、何とかDFがブロックした。

 日本は左WB相馬が再三左サイドを仕掛けてクロスを入れるが、中の人数が足りない。15分にはCH田中碧がドリブルで持ち上がるが、パスを出せず、最後は韓国の守備網に絡め取られて逆襲。左SBキムジンスのドリブルから最後はCFイビョンヒョプがシュートを放つが、CB佐々木翔がブロックした。17分、日本はCH井手口に代えて大島を投入。ようやく中盤で落ち着いて、左右に広くパスが出されるようになってきた。しかし前線の連携はイマイチのまま。なかなかシュートまではいけない。

 22分、韓国はCHチュセジョンのFKに左SBキムジンスがヘディングシュート。33分にはCB畠中からCH田中碧へのパスを左IHファンインボムに奪われ、スルーパスにCFイビョンヒョプが抜け出して、シュート。だがわずかにポスト右に外す。日本は33分、右FW鈴木武蔵に代えて仲川を投入する。だがなかなか彼の速さを生かす場面は作れない。34分には左SBキムジンスにミドルシュートを打たれた。

 それでも終了間際にはようやく韓国陣地まで攻め込んでいけるようになる。40分、左WB相馬のクロスにFW仲川が飛び込むが届かず。GKキムスンギュがパンチングではね返したボールをCB畠中がミドルシュート。43分にはCH大島の縦パスを受けた左FW森島が反転からミドルシュートを放つが、バーに嫌われた。45分にはCFイビョンヒョプを下げてCBクォンヒョンウォンを投入し、守備を固める韓国。アディショナルタイムにも後方でパスを回して隙を窺う日本に対して、韓国がプレスをかけてボールを奪うと、コーナー付近でしっかりと時間を使う。そしてタイムアップ。韓国が1-0で快勝した。これでE-1選手権は韓国が3連勝だ。

 実力差があった。日本の選手たちも何とかはね返そうと頑張ってはいたが、ホームで勝利を義務付けられた韓国の意志の強さの前では、日本選手の意地も所詮添え物でしかなかった。それでも橋岡や森島、田中碧など若手にはいい経験になったのではないか。森保監督は五輪代表には3バックで臨む意向のようだが、今大会を見る限り、まだまだチーム作りは端緒についたばかりという感じを受ける。3バックのサイドのCBの押上げやWBとの連携もあまり見られないし、この韓国戦ではボランチも押し込まれて、攻撃は前戦の3人だけ。しかも3人の距離も離れ、連携ができていない。これで東京五輪に間に合うだろうか。次は年末にU-22の強化試合ジャマイカ戦が予定されている。そこで少しでも進化した姿が見られるといいのだけれど。大丈夫だろうか。