とんま天狗は雲の上

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プレミアリーグ第24節 ウォルバーハンプトンvs.リバプール

 リーグ戦では未だ出場のない南野。この第24節も先発からは外れ、ベンチから出場機会を伺う。ウォルバーハンプトンの布陣は3-4-1-2。ラウール・ヒメネスとトラオレの下にネトが入る形。ただしネトは左サイドから中央へと幅広く動き回る。ボランチモウティーニョとネベス。右WBにドハーティ、左WBはジョニー。CBには右からデンドンケル、コーディ、サイス。GKはルイ・パトリシオが守る。対するリバプールはいつもの4-3-3。中3日ながら先発は前節マンU戦と変わらない。

 序盤からウルブスが両WBも下がり、5バックの形。さすがにリバプールも後方でパスを回し、相手をおびき出そうとするが、なかなか陣形は崩れない。そして4分、ウルブスはOHネトのFKがファーサイドまで転がって、そこに右WBドハーティが詰め寄るが、届かない。しかし8分、リバプールがCKのチャンスを得ると、アレクサンダー・アーノルドのCKにCHヘンダーソンがヘディングシュート。流れで崩せなければセットプレーがあると、リバプールが先制点を挙げた。

 ウルブスも11分、ショートCKからネベスがクロス。右WBドハーティが抜け出してフリーとなるが、ヘディングは枠を捉えられない。しかしこの日のウルブスはFWトラオレがキレキレ。18分にはFWトラオレのクロスのこぼれからFWヒメネスが前を向くが、シュートは打てない。直後には左WGマネのクロスを受けた右WGサラーが中へカットインしてミドルシュート。ポスト左に外した。

 しかし33分、マネが足の痛みを訴えて途中交代。このタイミングで南野がプレミアリーグ初出場を果たした。ポジションは左SH。布陣もサラーをFWに上げて4-4-2とする。南野はパス回しには参加するが、リバプールとしてなかなかいい形は作れない。逆にウルブスがチャンスをつかむ。38分、CHネベスのクロスにFWラウール・ヒメネスが切り返してミドルシュート。43分には左CBサイスがドリブルで持ち上がり、FWヒメネスミドルシュートを放つ。南野は中に入り込んでプレーをし、その間、フィルミーノが左サイドへ。まるどトップ下のような感じ。45+2分、FWサラーがドリブルでゴールに迫る。南野も並走したがパスは出ない。シュートはDFにブロックされた。前半はリバプールの1点リードで折り返した。

 後半に入ると、南野のポジションは右SHに。オクスレード・チェンバレンと入れ替わる。中に入りがちな南野に対しては、ワイドに走れるサラーの方が相性はいい。2分、FWトラオレからボールを奪い返したFWサラーがミドルシュート。GKルイ・パトリシオがファインセーブ。ウルブスも3分、右WBドハーティの縦パスをFWラウール・ヒメネスがポストになって落とし、左WBジョーのパスからFWヒメネスが左に流す。OHネトが持ち込むが、シュートはCBジョー・ゴメスにブロックされた。

 そして6分、FWラウール・ヒメネスのスルーパスにFWトラオレが抜け出して、クロスにヒメネスがヘディングシュート。カウンターがきれいに決まり、ウルブスが同点に追い付いた。トラオレの速さ、クロス、ヒメネスのシュート力。ウルブスの攻撃陣は今季35点を奪っているだけあって、さすがにすごい。ヒメネスは11分にもCHモウティーニョのFKのクリアからボレーシュートを放つが、枠を捉えることはできなかった。

 南野は8分、9分と収めるべきところでうまく収められない。緊張のせいか、やや心配。それでも15分にはFWサラーのクロスに南野がダイレクトシュートを放つ。これはDFにブロックにあったが、はね返りをFWフィルミーノがシュート。これはGKルイ・パトリシオがキャッチした。ウルブスも20分、FWラウール・ヒメネスのパスからFWトラオレがミドルシュート。GKアリソンがファインセーブ。23分、FWトラオレのスルーパスにFWヒメネスが抜け出してGKと一対一。だがシュートはGKアリソンが顔面でセーブした。

 なかなか勝ち越し点を挙げられないリバプールは25分、左SHオクスレード・チェンバレンを下げて、CHファビーニョを投入。ワイナルドゥムを左SHに上げる。ウルブスも32分、OHネトに代えてジョタを投入。37分、左SHワイナルドゥムの縦パスに抜け出したFWフィルミーノがシュート。だがGKルイ・パトリシオがファインセーブする。このまま第9節のマンU戦以来のドローかと思った39分、FWサラーがPA前でDF3人に囲まれながらもボールキープ。こぼれ球をCHヘンダーソンが縦に送ると、FWフィルミーノが中へ持ち出してシュート。リバプールがついに勝ち越し点を挙げた。

 その直後、リバプールはサラーを下げて、CFオリギを投入。再び4-3-3の布陣に戻し、南野は右WG、フィルミーノが左WGに入る。ウルブスも42分、CHモウティーニョに代えてギブス・ホワイトを投入。45+2分、FWトラオレのクロスをFWラウール・ヒメネスが折り返したが、OHジョタの足につかない。シュートミスで枠を外した。そしてタイムアップ。2-1。リバプールが後半終盤のゴールでまたも強さを見せつけた。

 南が出場した後で同点に追い付かれ、大丈夫かと思ったが、勝ち越しの場面まで一員として立ち会うことができたのはいい経験になったはず。みんな目の色を変えてゴールを狙っていただろうし、その中での冷静さや余裕など、勉強になることも多かっただろう。まだ南野の良さが十分出たとは言えないし、終盤、CHヘンダーソンがキープしてパスの出し所を探していたところなど「なぜ縦に走らない」と思ったけれど(解説の水沼氏が「ワイナルドゥムとの差」と言っていたけれど)、まだまだ改善点はある。それでも十分遜色なくプレーができることは示せたし、いいポジショニングの時にはパスを出てくる。さらに経験値を積み上げて、いつしか早い時期にゴールという結果も見せてくれると嬉しい。今季中にも期待していいだろうか?