とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

美味・絶景・饒舌 富山満喫(2日目)

 鯰温泉の朝はのんびり、朝風呂で明けた。茶色い薬種湯に入り、露天風呂で開放され、白湯に浸かる。風呂から上がると朝食。これがまたすごい。サトイモとナスの煮浸し、納豆、ハムと生野菜、お刺身。そしてサケの切り身がおいしい。ご飯がおいしいのが一番かも。お腹がいっぱいになってようやく9時過ぎに宿を出る。ちなみにこれで1泊10,500円は本当に安い。
 まず向かったのが、富山市岩瀬。富山ライトレールが開通し、コンパクト・シティの優等生として一躍有名になった富山市。その終点にある町がかつて北前船で賑わったみなと町・岩瀬だ。近年、町並みが整備されたとは聞いていたが、観光ガイドなどにあまり紹介されていなかったので、唯一公開されている『北前船回船問屋「森家」』をめざす。裏口の駐車場に止め館内に入ると、案内のガイドさんが流暢に解説をしてくれる。これが詳しく楽しく長く・・・。森家だけでなく、お隣の馬場家のこと、当主の息子たちの近況など、いつまでも、いつまでも。解説が終わってから邸内を見学。通りに出て、町並みのすばらしさにびっくり。ひとしきり駆け足で見て回る。
 なぜそんなに急ぐかと言えば、このあと立山に向かうから。本当は前日に岩瀬を見て、今日は朝イチで立山へ向かうつもりが、昨日は行くとこ行くとこ楽しい時間を過ごし、予定どおりに廻りきれず。それはそれでよかったんですが。
 立山駅に着いたのは11時頃。ところがもう駐車場は満車。係のおじさんが「もう今日の切符は売り切れだよ。」ガーーン!! 気落ちして、勧められるまま、称名滝まで走り、ロッジで流れ落ちる滝を見ながら早い昼食。それにしてもショック!
 あきらめきれず、駅まで戻って念のため窓口で確認すると、「最終12時40分の切符なら少し残っているよ。」そのとき既に25分。「でも駐車場が!」「えいっ、買え!」大慌てで空いているスペースを探す。あった! なんとか間に合いました。はぁはぁ、ぜぃぜぃ。
 一度は行きたいと考えていた立山黒部アルペンルート立山・雪の大谷」。立山を出たバスは次第に高度を増し、美女平付近ではブナ・シラカバ林に雪が残る程度だった景観が、あっという間に雪が深くなり、弥陀ヶ原では一面の雪景色。雪に覆われた高山がいくつも遠望される。白く堂々とした大日岳、雪も寄せ付けず黒く尖った剣岳、そして手前にそびえる雄山。道路は両側に3m近い雪の中に掘られた溝の間を進み、いよいよ室堂が見えてくる。そして待ちに待った「雪の大谷」。最高高さ15mと言われる雪の壁はさすがに高い。思わず興奮。
 室堂に着いたら、もちろん「立山・雪の大谷ウォーク」。雪の壁には好き放題落書きが書き込まれ、公認のメッセージ・コーナーも。所々にいるスタッフが気楽にカメラのシャッターを押してくれる。来年の年賀状用に「ハイ!ポーズ!」
 大谷ウォークの終点はパノラマ広場。帰りは雪の中を歩いて帰る。これがまた絶景! 写真を撮りつつ足を滑らしつつ、喜んで帰って来る。大谷ロードに戻るアルプス広場の雪の壁にハート形の雪の穴が残っていた。何かうれしい。
 さて帰りのバスは随時運行で美女平からケーブルカーに乗る。かなり待たされはしたが、いろいろな乗り物に乗れるのはまた楽しい。
 立山に着いた頃にはもう5時過ぎ。お土産を買って車に乗りしばし走らせると、目の前を褐色の大型の動物が横切る。んっ、カモシカだ。「すごーい、初めて見た!」と娘も大喜び。
 カーナビを合わせた先は五箇山。富山ICから高速に乗って約1時間。途中、砺波近辺の散居村の立派な屋敷林と民家に感嘆の声を上げる。
 五箇山ICについたのは6時半頃。眼下に見える菅沼合掌村もすっかり暗くなって、駐車場も無料開放されていた。観光客もほとんどいない。静かな中にウシガエルの声が響き渡る。田んぼを囲んでたたずむ幾棟かの民家に心癒される。世界遺産の騒動とは無縁の日々の暮らしが息づく集落。いいなあ。
 ついでだからと相倉集落に向かう。着いた頃にはもう完全に夕闇が下りて、外灯と合掌造りの窓から漏れる明かりだけが頼りの静謐の世界。静かに夜の集落を堪能。気を付けたつもりですが、万一うるさかったらごめんなさい。
 東海北陸自動車道の渋滞が予測されたため、いくら遅くなってもいいと夜の五箇山集落をめぐったが、いつまでもいるわけにもいかず、7時過ぎには出発。すぐに渋滞。断続的に渋滞。PAでます寿司を食べ、お菓子を食べ、お腹がくちるとみんな爆睡。それでも渋滞がやまず、自宅に着いたのは12時過ぎ。
 最後はやや疲れたが、振り返ってみればてんこ盛り。砺波のチューリップに始まり、お濠めぐり、土蔵の町並み、鋳物の町。温泉と日本海の味を堪能し、岩瀬の古い町並、立山・雪の大谷、そして最後に夕闇の五箇山。わずか2日間でこれだけ廻れたのはまさに奇跡、運がよかった。今年のGWは今までで最高の楽しいGWになりました。